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ハラスメントのお話

卒業したら書いてみようと決めていた事を少し書こうと思う。

世間で、というか自校では、教授によるハラスメントの話をよく聞いていた。一年生の頃もちょうど他学部でアカハラ・セクハラの報道が出ていたし。でも、どこか現実味がなくて、自分も気をつけようと思っては見ているものの、具体的にどうしたらいいのかわからなくて、どこか他人事に思っている自分がいた。

その丁度一年後、私はテストの回答の解説を聞くために訪れた教授の研究室で、膝の上に座るように言われ、言うとおりにしてしまったことは、見当もつかなかった。その教授とは、基本的に授業で会うだけの関係であったし、授業後にちょっと世間話をしたりはしていたけれど、それを好意と受け取られていたとわかった瞬間の自分に対する恥ずかしさと罪悪感から断ることができなかった。

でも、終わってしまえば、言うとおりに座ってしまったことをすごく後悔したし、次の週も授業にでなければいけないことがすごく憂鬱になる。

今まで、私の身の回りにセクシャルハラスメントについてしっかりと話してくれる人はいなかったし、参考にできる例が少なかったように思う。だから、卒業を機に自分の体験を少しだけ共有してみようとここ数年で考えてた。

学校にはハラスメント防止室というのがあって、真っ先にそこに相談しに行った。その施設はハラスメントに関する情報発信の活動をしていながらも、学校内の機関である以上、事件を穏便に解決させるという役割も伴っていた。それについては相談に行ったときに説明を受け、現時点で最低限実現可能な解決法と私自身がどうしたいかを聞いてもらった。ハラスメント防止室は学校の資金で運営をしてるから、あくまで事件を隠密に、和解に持っていくことが課題にあるようで、私も最終的に授業の取り消しと該当教授への警告という方向で2ヶ月ほどかけてゆっくりと話を進めていった。

私としても一番腹立たしかったのは、教授の授業を取り消せなかったときに、出ない授業が「欠席」扱いになる点だったから、ハラスメント防止室のスタッフにはとてもありがたく思ってる。

すべてが終わったあとしばらくは男性教員に話しかけるときは緊張したりしたけど、その一件のせいで私の残りの大学生活が惨めになることだけは避けたかったので、ゆっくりと、でも着実に色んな人と交流していった。

決して楽しい経験ではなかったのだけれど、その経験から、私自身も自分の意思の弱さについて考えることができたし、弱かった自分のことも時間をかけて許せるようになった。自分がされたことよりもっと卑劣で怖い体験をした女性は何万といると思う。でも、近くに似た経験をしたことがある人がいて、その人に相談できるかもという希望は発信していきたいなと最近は思ってる。


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