とこなつ@’23年司書資格をとる人

読書家(ビジネス書、小説、エッセイ)。読書と書くことを仕事にしたい。読んだ本の感想&a…

とこなつ@’23年司書資格をとる人

読書家(ビジネス書、小説、エッセイ)。読書と書くことを仕事にしたい。読んだ本の感想&書評を書いています。

最近の記事

本おじさんのまちかど図書館 ウマ・クリシュナズワミー著 フレーベル館

ぴったりの日に、ぴったりの人に、ぴったりの本を 小学校の帰り道、まちかどにある本の図書館で本を借りるのが大好きな主人公の少女「ヤズミン」。その図書館の「本おじさん」が勧めてくれる本を読むのが楽しみだった。 ある日、いつものように本を返そうと、まちかど図書館に立ち寄ると、急遽、図書館がなくなることを知った。悲しみに暮れていたが、読んだ本の内容を何度も考えているうちに、とても大きなアイデアが浮かんだ。。。 インドのニューデリーを舞台にした「本おじさんのまちかど図書館」。元教

    • 大切なことはすべて茶道が教えてくれる 石川雅俊著 <ビジネスパーソン✖️茶道> 

      「マイナスの美学」がマイブーム まったくちがうジャンルの本を3冊読んでいて偶然出会った「マイナスの美学」という言葉。あまりにも重なりすぎて、運命的なものを感じてしまった。 昔、仕事の研修で茶道を習ったことがあって、当時のことを懐かしく思い出しながら読む。そして茶室にはムダなものが何一つないということに、当時の私は何の疑問も抱かなかった。 余計なものを削ぎ落とされた茶室に、茶花が一輪、掛け軸が一つあるだけで存在感が出てくる。意味のあるもの、役割のあるものの価値を際立たせる

      • 紙の辞書は使われなくなったのか

        最近、ある人が「紙の辞書を使うのは大学の教授ぐらいだ」と言っていた。疑いぶかい私は、どうにも腑に落ちなかったので調べてみることにした。 本当に紙の辞書を使う人はいなくなったのか? この質問に初めから疑問を抱いた。なぜなら、私は小学校の特別支援サポーターという仕事をしていて、小学生が紙の辞書を使っているのをこの目で見ていたし、見開きの辞書を見る効果を知っていたからだ。 巷で話題のCHAT GPTにも紙の辞書の長所を聞いてみた。 ところどころ分かりづらい表現があるが、説得

        • 走ることについて語るときに僕の語ること 村上春樹著 文春文庫

          素直に生きる 33歳からマラソンを始めた村上春樹さん。誰かに走りなさいと言われたわけでもなく、走りたくなったから走り始めた。 小説もまた然り。誰かに書いてくれと言われたわけでもなく、書きたくなったから、書き始めた。 一般的に、何かを始めたくても、始めるまでに相当時間を要する人が多いと思う。私もまた然り。 人間は弱い生き物なので、忙しかったり、疲れたりしていると、まあ別に今しなくてもいいかと流されてしまう。 でも、いったん始めてみると、こんなに楽しいのに何をあんなに躊

        本おじさんのまちかど図書館 ウマ・クリシュナズワミー著 フレーベル館

          あなたの教室 レティシア・コロンバニ著  齋藤可津子訳 早川書房

          「インドは世界最大の児童労働市場」 とても美しい表紙だったため、おもわず手に取った。だが、表紙とは裏腹に、彼女たちの生きる世界があまりにも違うことに驚きを隠せなかった。 「インドは世界最大の児童労働市場」。カースト制度により、身分の低い家庭に生まれた子供は、教育を受けることなく幼い頃から働いている。 とくに女の子は男の子より劣るとされていて、カースト制度外という位置付けの「不可触民」の家庭に生まれた場合は不運中の不運である。 社会から排除され、穢れている者として触れら

          あなたの教室 レティシア・コロンバニ著  齋藤可津子訳 早川書房

          新聞記者、本屋になる 落合博著 光文社新書 2021年9月30日発行

          ある書店で本を探していたとき、目にとまったタイトル。 「新聞記者が本屋さん??」 私はいま、図書館司書の資格をとるべく勉強に明け暮れている。 大学の通信教育で1年間とはいえ、アラフィフシングルマザーで働きながら副業しながらなので体力的にキツい。すべてをこなすには、体をいたわりながら、とにかく時間をみつけることにある。 そんな中でも、好きな読書は私の「こころの栄養源」である。 論文をよむことに疲れはて、たまっていた傍らの積読書を手にとった。なんど見てもこのタイトルに惹きつけ

          新聞記者、本屋になる 落合博著 光文社新書 2021年9月30日発行