至福の講演会

"あー、眠たい"

そう思いながら18時30分。
足早に家へ向かう。

夜間の仕事が忙しくて寝れないと、次の日ではなく、そのさらに次の日の身体にこたえるようになってきました。

20代の頃は1日働いて、寝ないでそのままもう1日働いても、そのあと寝れば、身体は元気でした。

そんな私も今では夜間の仕事が辛い歳になってきました。
夜中の電話で起きて、対応して、再度寝ようと思ってもなかなか寝つけない。
歳を取ったんだなあと感じます。

この仕事、本当に体力勝負だと日々感じます。
大学の面接などでは、"体力には自信がありますアピールが大事だ"と言われてきましたが、
本当にその通り。
学生時代に体育会系の部活を選んできましたが、これだけは昔の自分を自分で褒めてあげたいです。


夜の仕事明けの日から連続で2日間、夜の19時から研究会がありました。

例年ならば、月に数回は平日の夜や土日に研究会があり、最近の業界の情報の公演を聞いたり、関連施設からの発表を聞いたり、薬の説明を聞いたりします。
その後、大体、研究会はホテルで開催されるため、ホテルの立食ビュッフェを食べながら懇親会をします。
そこでは、昔の同僚や上司と交流し、ビュッフェの後は、さらに次の居酒屋に飲みに行きます。
終了時間はごぜんさま。

この生活が嫌いだったわけでも好きだったわけでもありません。
私にとっては日常。
ニュートラル。
それをいつも楽しんでいました。
新しい事を勉強し、将来の色々な医療の話や日頃のくだらない話をするのは好きでした。

今思えば慢性的な睡眠不足だったのでしょう。
子育てママたちはいつも寝不足だと思いますから、仕事や飲み食いで寝不足だなんて幸せな話だとなるかもしれません。

いつもなら眠い目を擦りながら、寝ていなくても、そのまま仕事終わりには研究会にいって、その後は飲みに行っていました。

嬉しい事に、このコロナ下のお陰で、今回の研究会はWEB開催になりました。

よって私はこの2日間、家のソファーでゴロリしながら、お風呂に入りながら、WEB講演会を聞いていました。

この講演会のzoomは、おそらく自分の姿はあいてには見えていないはずなのですが、なんとなくお風呂に入っている時は、お風呂の壁の方に画面を向けてみたりして。
全国に裸が見えていたらビックリですけど。

以前、まだオンラインが始まったばかりのころの職場のzoomミーティングで、自分の姿が見えていないと思って、セクシーなお脚がみえる短パンに体操座りでワインを優雅に飲みながら参加していた同僚がいたことを思い出します。
本人は見えていないと思っていたらしいが、とてもセクシーで、みんなの目の肥やしになっていて、次の日の話題の的になっていました。

まさか、1年前にはお風呂で自分の上司が全国に向けて講演する発表を聞くことが許される時代が来るとは思いませんでした。

自分で論文を読まなくても、最新の情報を話してもらえて、お風呂にはいりながら、ウトウトしながら聞けるなんて。

あー。
贅沢な幸せを感じました。

自分の欲が全て満たされる。
この後誰かが美味しいご飯を作ってくれていたらなお、幸せ。


研究会に参加する時用の少しオシャレなジャケットやワンピース、ヒールの靴が全く着れなかったり、ホテルの非日常感を味わえなかったり、久しぶりに昔の上司や同僚と会えないという寂しさはあるけれども、半々くらいで、リアルとオンラインの講演会が今後も開催してくれたらいいなあと願います。


自分の講演の時に、私には"えっと…"を頻発するクセがあるようで、リハーサルでは、上司に"またえっと言ってるよ"と度々指摘されてきました。
なかなかなおらないのですけど。

お風呂の中で上司の発表の、"えー…"の頻発に1人笑いながら突っ込んでいた事はナイショの話。

私の笑い声は響く。
緊張している上司の声も響く、響く。
私のいびきはきっと響く、響く、響く。


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