恋愛上の available と advantage がえげつない【我流英語教室R-18】

 英語のお店のサイトなどを見ると、available に出会ったりしないでしょうか。available は形容詞で、「1.利用できる、入手できる 2.手に入る」などの意味があります。お買い物だと、「〇〇店にございます」「ご覧になれます」みたいな感じですよね。

 わたしがよく読む英語コラム「日刊英語ライフ」には、「日本語にしにくい単語 “available”」という記事で、分かりやすい解説がされていました。オックスフォード現代英英辞典に載っている定義だと、こうなのだそうです。

(of things) that you can get, buy or find 
(of a person) free to see or talk to people

 物についてだと「(この商品が)買えますよ」だったりだとか「(部屋を)お取りできますよ」だったりだとか、人についてだと「アポイントが取れますよ」だったりだとか「面会できますよ」だったりだとか、「電話に出られる/出られない」の場合にもよく使うそうです。わたしは、「自分がコンタクトを取れる、アクセスできる状態にあるか」みたいな感じなんだな、と理解しました。

 さて、わたしは先日、ある男の子と女の子を引き合わせたのです。男の子が恋人を欲しがっていたので、女の子を紹介したのですね。その前の晩彼氏とラインでいつものように会話していた時、こう彼氏にお話ししました「わたし、明日男の子に〇〇ちゃんを会わせるんだー♡」。すると、彼氏がこう訊くのです「Is she available?」。え?彼女が available かどうか?一瞬意味が分かりませんでしたので、わたしは訊き返しました「what do you mean?」。すると、彼氏の返事は「no boyfriend?」。

 えええー、そういう場合に使うのー!?要するに、彼女が今フリーで、入手可能なのかどうか、っていうことですよね。わたしはもっと無味乾燥な意味っていうか、商取引上だとかビジネス上だとか仕事のやり取りだとか、そういう時に使う色気のない言葉だと思っておりましたので、まさか色恋沙汰で使用するとは思ってもおらず、なんというか、感想としては、英語、えげつない、というような気持ちになりました。だって、入手可能かどうか、ですよ?

 それとはまたちょっと違う話ですが、彼氏と夜会話するたびに、わたしが飲みに出かけていた、という時期があります。まあ、わたしはほぼ毎日家飲みをするのですが、それについては彼氏も、付き合い始めはトーコはどれだけ飲んだくれなのか?と心配だったようで、「you drink every night?」と何度も訊かれたりしたのですが、一緒に過ごすうちに、飲むけどまあ酒乱じゃない、と納得してくれたようです。それはそれとして、その時期わたしはやたらとお仕事上の飲み会が続いていた。日本のお仕事上の懇親って飲みが付き物なのがおかしいっちゃおかしいのですが、まあ、よくあることです。でも、こうさすがに毎日毎日「今日は飲み会」みたいな連絡が続くと、心配になってくる訳です。実際のところ、どう思われているんだろう、と。

 そこである晩、わたしは酔っぱらった勢いに任せて、彼氏に訊いてみました「わたしこんなに毎日飲んでて、あなた嫌にならないかなって、心配してる」。すると彼氏の返事が、「全然そんなことない♡ I just worry about your health and men taking advantage of you(泣)!」。

 advantage は、有利、優位、といった意味です。なのでわたしは一瞬、(え、この飲んだくれ女、とか思われて、男の人たちがわたしにマウンティングしてくるとか、バカにしてくるとか、お仕事で不利になるとか、そういう心配かな?)と、男社会で闘っている女ビジネス戦士みたいなことを考えてしまいました。色気がない発想です。でも、よくよく考えてみたら、「男の人たちが君からアドバンテージを得る」っていう意味ですよね。要するに、彼氏はわたしが酒の席で男の人に口説かれる心配をしていた訳なのでした。

 その場でふわっとそう理解が及んだので、(やん♡)みたいな気持ちになってめろめろと寝たのですが、今回このコラムに書こうと思って、advantage の用例をあらためていろいろ調べてみました。そうしたらこんなのが出てきましたよ。

「婉曲的:〈女性を〉(酔っているのに乗じて)誘惑する,引っかける」

 やだわ、やっぱり、英語えげつないよ!

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