眠くてたまらないのでひとつ惚気る。

 とにかく眠い。眠くてたまらない。

 どうしてかというと昨日家に帰るのが遅かったからで、どうして遅かったかというと彼氏が帰してくれなかったからである。すみません、ひとつ惚気ます。

 わたしと彼氏はそこそこ遠距離恋愛だ。わたしの家と彼氏の家は車で5時間の距離にあるので、初めてのデートの時から1泊2日で訪ねて行っている。それでも同じ県内だからうちの県は広いのだ。

 1泊2日で何をしているかというと別に何もしていない。彼氏はあるお店を経営していてそれが現在週休0日営業中だから、いつもお店に訪ねて行ってお茶を飲んだりお喋りしたり彼氏の作業を眺めたりして時間を過ごし、時間になればお店を閉めて家に帰りご飯を食べて一緒に寝て、翌朝またお店に行ってお店を開けお茶を飲んだりお喋りしたり作業を眺めたりして時間を過ごし、その後帰る、それだけである。それが楽しいのかと言われれば超楽しい、とお答えする。もう、超楽しい。

 それが1か月に1度くらいのペースで1年半くらい続いているのだが、特に何ひとつ変わらない。いや、ひとつ変わったことがあった。

 彼氏が、だんだんわたしの帰るのを引き延ばし気味になってきた。

 付き合いだして最初の頃は、2日目お店を開けると結構とっとと帰らされて、なんだよもう帰る時だけ素っ気ないって、と切ない気持ちになったものだが、半年経ち1年経ちするうちに、帰らなくても許容されるようになってきて、最近では若干引き止め気味、もう帰らなきゃ、と言うと、え、もう帰っちゃうの、くらいの顔をして okay, また今度ね、と言うようになってきた。帰るタイミングを計るのが難しいくらいだ。

 それはやっぱり彼氏の変化だと思うし、彼氏がだんだんわたしの存在をオープンにし出してきたのを感じる。

 最初の頃はわたしがお店にいる時お客さんが来ると、サクラ、サクラと促されて(なんでサクラっていう日本語は知ってるんだ、と思ったが)、一般客のふりをさせられた。それが変わってきたのは去年の後半くらいからで、突然お客さんとの会話の中に混ぜられたり、常連のお客さんに紹介されたりするようになった(※飲食店ではないです)。時には、お客さんと話しないの、ハズカシイからなの?と訊かれ、いや、恥ずかしいのではなくて自分の立ち位置がいまいち分からないからどう振る舞ったらいいのか分かりかねるだけです、でも彼氏が言うには、ダイジョウブ、お客さんは僕のキャラクターが分かってるから、だそうだけど、いや、日本人は一般的には知らないお客さんが突然フレンドリーに話しかけてきたら居心地悪いと思うけど、しかし。

 そんな訳で、お客さんが来店しだす前に帰らされていた2日目も、だんだんずるずると居座り、お客さんと話をしているうちに帰りそびれたりするようになってきたのだ。

 それはそれで、彼氏の本気度が上昇してきたのかなという感じがして嬉しい。でも、5時間(いや、お店からだと4時間半)かけて帰らなければならないので、あまり遅くなると、つらい。昨日は結局、4時過ぎに発つ羽目になった。家に着いたの、8時半。

 いや、でも分かっている。これは惚気だ。惚気に過ぎない。つらい態を装って惚気ているのだ。分かっている。

 でも、本当に眠いんです。死にそうに眠い。だから今回は、許して下さい。

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