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キクチトーコはどんなタイプのライターか振り返ってみる。そして、「わらしべから始める楽しいフリーランス」実現のコツについて。

 わたしがライターをやろう!と思い立ってお仕事を開始した今年の1月から、9か月が経過した。この間、押さえたお仕事はめまぐるしく入れ替わり行き交ったがどうやら固定収入となるお仕事を確保できて、とはいえろくに貯金もないまま独立したものだから、〆日と入金日が変化し1か月の空白が空いたこの9月にはマネーストックの底を経験したが、何とか乗り越えた。

 今日仕事を終えて少し時間が空いたので、久しぶりに note を書いてみる。テーマは「キクチトーコはどんなタイプのライターっぽいか?」だ。1か月前に拝読したこちらの note を受けて。

 こちらの野原さんの分類に従うと、わたしのお仕事は以下の4要素の掛け合わせのような気がする。

1. 「解説者」× 2. 「探索者」× 3. 「発掘者」× 6. 「芸人」

 1の「解説者」はやはり、ライターとしての基本なんだろうな。そして「わかりやすい文章を書く」ということは、平易で簡単な言葉遣いをする、ということよりも、理屈のつじつまの合わない文章じゃない、ということなのだと思う。物凄く簡単な口語しか使っていないのに、何言ってんだかさっぱり分からない文、というのはある。そしてそれは2の「探索者」に繋がることなのだが、リサーチしてきちんと理解し噛み砕く、というプロセスを経ずして何か受け売りで書いてしまったような文章は、簡単なのに難解な文、になってしまうような気がする。

 2の「探索者」。わたしが DAILY ANDS に書く記事は基本的に、論文と統計データとその他資料から構成する。だからリサーチはきちんとやるし普段からアンテナも張っておく。とはいえそれは結局、まだ自分のデータを持っていなくて人様の業績を紹介させていただくしかできないから、という面も大きくて忸怩たる気持ちもあるのだが、それでも人様の主張の丸写しや代弁でないのは、わたしが割と時空(?)や垣根を越えて、あっちとこっちをひょいひょいと行き来し、自分の中で繋げてしまう能力と癖を持っているからだと思う。ひょっとしてそれは恣意的な行為なのかもしれないが、それでもそういう部分がわたしの独自性やユニークさの匂いを漂わせる要素なのじゃないかな、とも思う。

 3の「発掘者」。わたしは1次情報を取ってくるのはそれほど得意ではないが、自分の経験をコンテンツ化するのはとても得意だ。というか、小説家を志している時も、結局自分の体験をフィクションの態でコンテンツ化することしかできなかった。実は架空が構築できないのだ。構築しようとして2の「探索者」的なリサーチをすると、どうしてもレポートか記事のようなまとめになってしまう。だから、レポートっぽくまとめても自分が丸出しで前面に出てきてもオッケーな、「フィクション」じゃないコンテンツを書く人になって、むしろ実はよかった。こっちの方が向いていたと思う。

 小説を書いていて文学フリマにも出ていた頃、おまけコンテンツで自分のことを面白おかしく書いたエッセイの小冊子を無料で出したら、自分でも楽しかったし好評な感想を頂いた。その感想をくださった人には「結局こっちの方向に来まシターーー!」とご報告申し上げたい。DAILY ANDS 記事には時々ちょろりと「筆者は〇〇を経験しましたが」みたいなのの顔出しをさせるが、なにしろDAILY ANDS 記事は結婚や離婚に関するものなので、「筆者の経験、やばすぎやしないか」と我ながら時々笑ってしまう。「独身証明書」の記事で「婚活サイトに紛れ込む既婚男性は遊び目的だけではない。離婚の危機に面した時、関係修復ではなくて次の嫁を探し始める男もいる」とか、つるっと紛れ込んできたりするもの。うちの元夫の話だけど。

 6の「芸人」。多分、真面目な記事につるっと紛れ込む「筆者の経験したことですと」もこの芸人風味を薫らせていると思うのだけれども、猥談タウンに寄稿しているエッセイなんかは、芸人全開で書いているのだろうな、わたしは。わたしが芸人を全開にできるのは、やっぱり自分をコンテンツ化することにまったくためらいがないということと、いっしょうけんめい小説を書いていた経験のおかげなのだろうと思う。小説を書いてきたということは、多分コンテンツから少し離れた位置に立つ訓練を繰り返してきたということなのだ。たとえそれが自分を材料にしたコンテンツだったとしても。そう思う。

 さて、わたしは 4. 「傾聴者」5.「カウンセラー」をさくっと落とした。全然そうじゃないからな。いずれにせよ今住んでいるところがおそろしく田舎なので、インタビューの仕事は基本的に不可能だしやらないことに決めているのだが、そうでなくてもわたしは、人の話を聴いているうちに自分がひゅっと紛れ込んだり、いつの間にか自分の考えを発展させていたりすることがある。人の話を聴くのが嫌いな訳じゃなくて、ついつい自分を憑依させたり自分に引き込んだりしがちなのだ、癖として。だから多分、上手な「傾聴者」や「傾聴者」にはなれないような気がする。

 こうやって振り返ってみると、わりと自分の特質が見えてきて面白かった。「探索者」のところでも書いたけど、わたしはあっちとこっちを勝手に引っ張ってきてくっつけたり混ぜたりするのが好きだ。だからライターとしても、自由自在に「解説者」×「探索者」×「発掘者」×「芸人」を混ぜて繋げて時々に割合を変えて、4つの領域を闊達に行き来して文章を作っていけたらいいなと思う。

 さて、この後は有料コンテンツ。わたしがライターのお仕事を獲得してきたのはすべてクラウドソーシングのサービスを通じて。勿論過去の実績があったり人脈の繋がりがあったりする人は、そちらを活用して辿った方がいい。ただ、何のコネもなく一からライター業を始めようとする時、「クラウドソーシングなんて碌な案件転がってないじゃーん」と思われがちなそのサービスでも、このくらいまではお仕事が獲得できるのだ、というお話を、主に同じように一からお仕事を始めたい人向けに書いてみたい。

 実感としては「わらしべ長者」。本物の「長者」には全く遠いですけどね。わたしの最初のお仕事は、文字単価0.13円の文章修正からなんですよ。興味湧きましたか?では、「わらしべから始める楽しいフリーランス」のコツをどうぞ。

カバーフォトは、「みんなのフォトギャラリー」より、ソエジマケイタ(キャラ・写真・似顔絵) さんのイラストを使わせていただきました。ありがとうございマス!

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1. クラウドソーシングでどんな類の仕事を獲得するか方針を決めておく

 わたしが独立した時、実はクラウドソーシングでいわゆる「ライター」の仕事は取るつもりがなかった。自分の書きたいような案件が簡単に転がっているとも思わなかったし、中身で勝負する仕事は別ルートでいずれ獲得するつもりで、クラウドソーシングでは「スキル」「テクニック」で速く確実に収入に繋げる仕事を取るつもりでいた。だから視野に入れていたのは、テクニカルなライティングや資料作成、リモートのビジネスサポート業務などだ。もっともビジネスサポート業務は、この時給のリモートでここまで有能人材を求めるかよ!みたいな求人がごろごろしていて、応募しても全然獲得できなかった。

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