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When We Were Young -ver.N-

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【掌編小説集】あの頃、わたしたちは若かった―。かつて若かった女子たちへ、そして今若いさなかの女子たちへ贈る、「わたしたちはどう生きるか」。10代から40代まで、女子の生涯を織りな…
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2018年1月の記事一覧

晴れた日には空を仰いで/-sweet teenager 7-

晴れた日には空を仰いで/-sweet teenager 7-

(※12歳は teenager ではないんですけど、それはそれ、で)

 小学六年の夏休み最後の日に、初潮が来た。その日は水泳大会で、六年生クロールの最速一、二を争う大場のバカとの対決は、お流れになった。あたしはすごく不本意な気分でプールサイドにジャージ姿で座っていて(プールにいるのに水着じゃないなんて初めてだった!)、同じように(多分)生理中の何人かの女子と一緒に男子の冷やかしを受け(すごいムカ

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輝く日に/-sweet teenager 6-

輝く日に/-sweet teenager 6-

 待つのって嫌いじゃない。待ち合わせはいつものタリーズコーヒー、あの人今日はどんな格好して現れるのかなとか、わたしを見つけたらやっぱりさっさとお店を出るのかなとか、どこへ向かうんだろう最初はやっぱり中古レコード屋かなとかその後電気屋に行って新しい i phone のチェックかなとか、でもわたしもピアス開けたばかりだしピアス見るの付き合ってくれるかなとか、それからそれから、そう、一番最初に顔を見たら

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ピンヒールじゃなくちゃだめなの/-sweet teenager 5-

ピンヒールじゃなくちゃだめなの/-sweet teenager 5-

 意気揚々と出掛けた筈なのに、あたしはもうべそをかきかけている。道路の縁石の上、座り込んで。ヒロキが苦い顔で縁石を緩慢なリズムで蹴っている。知らない、ヒロキには分からない、今日、あたしが、ピンヒールを履かなきゃいけなかったことなんて。

 白い洗い晒しのTシャツとボーイフレンドデニム。だから足元は、ピンヒールのパンプスじゃなきゃいけなかった。男の子みたいだから、色気ないから、スニーカーでもなく、ぺ

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はちみつ/-sweet teenager 4-

はちみつ/-sweet teenager 4-

 ちいさな、口笛のような、ラインの通知音を待ってる。

 毎日毎日待っちゃう。学校で会うのに待っちゃう。たいした話もしないのに待っちゃう。5分くらいしか話さないのに待っちゃう。さっき別れたばかりなのに待っちゃう。

 なんにもない町なの。デートするところもないの。あたしたちは毎日学校に行って、顔を合わせて教室で過ごし、そして一緒に帰るの。彼は自転車を押してあたしはその左側を歩いて、時々彼はサドルに

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ハッピーバースディ /-sweet teenager 3-

 誕生日のプレゼントには公道で手をつなぎたいと思っているけどそれはフミちゃんには言ってない、去年の夏からあたしたちは付き合っているけどまだ一度も手をつないだことはない。フミちゃんと手をつないだり腕を絡めたりするのはカーテンの奥に閉じられたプリクラの機械の中で体を寄せ合う時とかコンビニのイートインコーナーで隣同士くっつき合ってひとつのスマホを覗き込む時とかそんなことしてもおかしくない時。とてもとても

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夕日・イン・ラヴ /-sweet teenager 2-

夕日・イン・ラヴ /-sweet teenager 2-

 夕暮れ、空が茜色に染まる頃、あたしの胸は高鳴る。部屋で遊んでいたウェルシュ・コーギーのペスを引っ張り出して(ペスごめん!)、
「おかあさーん、ペスの散歩行ってくるね!」
なんて言って、ペスのダイエット散歩にかこつけて外に出る。
 いや、コーギーが太りやすい体質なのはほんとだし、食事と運動の管理が必要なのもほんとだけど、だけど、目的は、それだけじゃない訳で訳で訳で。

 夕暮れの河川敷をペスと歩く

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ショッキングピンク・マグ /-sweet teenager 1-

ショッキングピンク・マグ /-sweet teenager 1-

 終業のベルが鳴る。あたしは職員室に突っ走る。今日は職員室の掃除当番の日。お盆を死守、先生たちの湯のみ洗い係死守、現国のオクガキの湯のみ死守。

 あたしはオクガキのことならなんでも知ってる。毎日缶ビールを三缶飲むくせに(コンビニでバイト中の澄ちゃん情報)、ジャージのポッケには味覚糖のいちごキャンディ忍ばせてること、いつも汚いカッコしてるくせに、去年のバレンタインディにはチョコ十六個もらってたこと

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