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やらない方がいいことを知っていても、やめることができないのはなんでだろう?~シャイロックの子供たち~

シャイロックがなんなのか、ちっともピンとこなかったことが
ちょっと恥ずかしいなぁと思いながら
映画の冒頭を見ていた。

ヴェニスの商人、でしたか。懐かしい。

この映画はひたすらストーリーが面白くて、
もうそれに尽きた。

役者さんの演技もみんな上手で個性が立ってて、
ストーリーにしっかり入り込ませてくれて。
エンターテイメントとしてすっきり楽しませてもらえた。

後に残るものも、あんまりなくて。
だけどそれはそれで、
だからこその良さがあるなと感じる。
あんまり考えることを与えられるばかりも、
疲れちゃうからさ。

中学生のころ読んだ、赤川次郎さんの小説のように、
新幹線に乗っている間にサクッと読み切れて、
帰りの新幹線ではもう、その内容も思い出せない……
それくらいの手軽な読み物。
あるといいなと思いつつ、
意外とないから、ありがたいんだよね。

ただただどうなるの?ドキドキする!
ってお話を楽しんだ。
期待通りのハッピーエンドですっきりしたし、良い鑑賞時間でした。

敢えて何か感じたことを取沙汰するとしたら……
人ってずっと100%善でいることって難しいのかな。ってこと。
弱っている時は、ダメだとわかっていることを
自分に許してしまったりする。
弱っていたんだって、言い訳にもならない言い訳を用意して。
誰にむかってその言い訳をするつもりだろう。
何を言おうと、結果に苦しめられるのは自分なのにね。
それが小さいことで言えば、
深夜のお菓子だったり、
かさぶたをはがして血が出ちゃう、みたいなこと。
やらない方がいいって知っているのに、
毛穴のごみをピンゼットで抜こうとしてみたり、ね。
やっているそばから「だめだめだめ!」って
もう一人の自分が言っている。
なのに絶対にやめなかったりするからこわい。
これが競馬じゃなくてよかった、
みたいな話だよね?流されだしたらどこまで行ってしまうのか。
自分でもよくわからないところに、流されていきそうだもんね。
これが犯罪じゃなくて、っていう話だよね?
それじゃもう、後戻りができない。
後戻りできない人生を、必死で取り返そうとする人たちが、
この映画では切実にリアルに描かれていた。。。

毛穴のごみやかさぶたはがしや深夜のお菓子は、
結果が見通せるだけまだましだ。

でも結局、自分をいじめていることにはかわりない。

そんなことを考えるきっかけに、ちょっとなった、
この映画でした。

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