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トッケンのロゴをチューニングしたときの思考と手順

この記事は、個人の note で2018年8月22日に公開したものです。トッケンの企画開発案件なので、若干の修正を加え転載します。

遊具メーカー トッケンさんのロゴをチューニングしました。

今回はゼロから作るのではなく、いま使っているロゴの見直し(再構築もしくはチューニング)です。どのように考え、どのような手順で見直しを進めていったのかをご紹介します。

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※あくまでも「見直し」なので、現状の「カタチ」や「イメージ」は保ちつつ調整していきます。

ロゴを再構築するにあたって、遊具メーカーさんの社内には以下のような言葉で説明しました。

ロゴの再構築にあたって
製品はもちろん、発信するすべてのモノコトについて、
細部まで選択の理由を説明できるということは、
モノづくりメーカーとしてのあるべき姿(=姿勢)であり、
顧客に対しての誠意だと考えます。
何でこのカタチなのか?
何でこの色なのか?
何でこれをつくったのか?

すべてにおいてその理由が説明できるよう、
まずは「ロゴ」の検証を行います。
「線」や「角度」、文字の「配置」などを検証し、
再構築(チューニング)していきます。

実はこの言葉にたどり着くまで、けっこう悩みました。ロゴの再構築にあたりやるべきことはわかっていたけど、その意義をなかなか言語化できない。単純明快なことばで伝えたいけど、そのことばが見つからない。。

そんなとき、最所あさみさんのnoteに書かれた言葉を読んでピンときました。

いかに「なんとなく」を排除して、理由をはっきり言語化するか。

ああ、これだ。ロゴの再構築でやろうとしていることはこれなんだ。この言葉がヒントとなり、「ロゴの再構築にあたって」という文章で伝えることができました。いやあこの言葉に出会えてホントよかった。

ちなみに、この言葉が書かれたnote "商品"は、思想のすべてを体現する は、モノづくりに携わる人は読んだ方が良いです。背筋が伸びます。

前置きが長くなりましたが、ここからロゴ再構築の手順を具体的に紹介していきます。

(今回の記事は株式会社トッケンさんから許諾いただき掲載しています)

1. 配置について
2. 各パーツの検証
3. 最終調整
4. 色について
5. ガイドラインの作成

1. 配置について

まずはロゴの配置について検証します。

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既存のロゴをマス目の上に置いてみても、きっちりと並びません。そこで、ロゴの線幅と配置を揃えることにしました。線幅を1とし、全体を1の目盛りのマス目に配置していきます。

2. 各パーツの検証

次に、構成要素としての各パーツを検証していきます。

まずは「T」。
2パターン組んでみました。文字として美しく見える長方形(4:4.5)の比率バージョンと、正方形の比率バージョン。こちらで検証します。

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o」は正円で、線幅とサイズを合わせるだけなのでとくに検証はしません。

k」は2つ並んで表示されるので、ロゴの表情を決める大事な要素。慎重に検証していきます。

まず、kの右側「く」部分の「/」の角度を考えます。ひとつめは、左の「I」の下部「○」の延長線上に並べます。

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この場合、左の「I」部分とは離れるので、「く」の交差部分の角丸の大きさも検証します。線幅を「1」とし、角丸は「1」と「0.5」の2パターンで検証します。

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kの右側「く」部分の角度の検証ふたつめ。「く」の交差部分を左の「I」にくっつけてみます。

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全体のバランスとしては悪くないですが、横の並びが少しずれてしまいます。そこで、左の「I」の下部の「○」の延長線上に合わせてみました。

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そうすると、横の並びが微妙な数字に。何の意味も持たない数字になってしまうので、この案は却下。

最後は「en」の部分。
これは象をモチーフにデザインされています。それぞれの配置、角度を検証していきます。

まずは「e」と「n」をつなぐ斜めのラインを45度にしてみます。そうすると横の並びが若干詰まってきます。

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つぎは、横の並びをきっちり揃えてみます。そうすると、斜め線の角度が微妙な数値になってしまいます。

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つぎはちょっと力技。横の並びを揃えたまま、先程の2つの角度を組み合わせてみます。

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これで各パーツの検証は終了です。あとは、つくったパーツをすべて組み合わせて全体のバランスを見ていきます。

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組み合わせは全部で18パターンとなりました。
パッと見は同じように見えますが、いろんな大きさで表示してみたり、名刺やパッケージ、商品へはめ込み画像を作ってみたりしながら、その違いをみていきます。

ある程度客観的に見なくてはいけないので、この作業には数日かけました。最終的に残ったのがこちらの2つの組み合わせパターン。

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理由は、一番違和感なく感じられたから。それは「正しい配置とカタチ」だからなんだと思います。

そうして「さらにいろんな状況で見てみる」という作業を繰り返し、最終的に選ばれたのがこちら。

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各パーツの検証結果としては「B+C1+E」のパターンですね。

3. 最終調整

カタチは決まったので、最後に細部を整えていく作業です。今回は各パーツの「角」に(微妙な)アールを施しました。

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こうすることによって、拡大表示されたときや立体で使用されたときに、滑らかで柔らかい、美しいカタチが得られる様になります。とても大事な作業。

4. 色について

最後に色の検証です。これまではいわゆる金赤と呼ばれる「真っ赤 (M100Y100)」を使用していました。混じりけのない赤を、企業の誠実さに重ね合わせていました。

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新しいロゴには、自社製品(遊具)の塗装に使われている「赤」を使いました。少しダークになりましたが、色にもきちんと正しい理由をもたせた結果の選択です。

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5. ガイドラインの作成

各方面にロゴを配布するとき用の「ロゴのガイドライン」をつくります。ここには「使用禁止例」も付けて、誰が使用してもロゴのイメージを保てるようにします。これはとても大事なことで、たまにビックリするような加工をされたりしますからね。

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以上が、ロゴの再構築(チューニング)の際に行った全行程です。見た目はほぼ変わっていない様に見えるかもしれませんが、すべての「配置」「線」「角度」「色」について、その理由がきちんと説明できるロゴになりました。

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〈おまけ〉キャラクターとの組み合わせパターンも作成しました。このキャラクターのコスプレ集(?)もこちらにアップしているのでもしよろしければご覧くださ〜い。

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遊具のトッケンです。企画開発室のメンバーが遊具づくりのことや、製作の裏側をお届けしていきます。
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