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♯037 一生懸命かかわっても、社会での居場所がなくなっていく人

弊社では精神障害者への危機介入(説得・移送など)だけでなく、自立支援にもかかわっています。弊社に依頼となるケースにおいて、精神疾患は「生きづらさ」の一因ではありますが、多くは、病気に加えて、家庭環境や親子関係にも問題を抱えています

「親子関係の問題のあとに病気になった」のか、「病気が影響して親子関係がうまくいかないのか」。それはケースバイケースで、「卵が先か、鶏が先か」の議論と同じようなものでしょう。しかしそのことが、「人間関係がうまく育めない」「進学や進路に支障をきたす」といった二次的な悩みを引き起こしていることはたしかです。

社会での居場所がなくなっていく人

親御さんではもはや対応がとれず、弊社が全面的に(親代わりとなって)サポートを継続している方もいます。もちろん、弊社だけでなく医療従事者や福祉関係者などたくさんの方にかかわっていただいています。ところが、どれほどたくさんの方がサポートをしても、事態が好転しないどころか、どんどん悪い方向に進んでしまう方もいます。

そういった方の共通項の一つに、「人の話を聞かない」ということが挙げられます。これは、精神疾患の症状や障害があるために「人の話を聞けない(耳に入らない、他者の言葉をうまく捉えられない)」というのとは異なり、いわゆる「人と信頼関係が結べない」のです。

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