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「筋子おぢ」に学ぶ、アンガーマネジメント

こんにちは、常磐三千太(ときわみちた)です。

今日は、びっくりするほど「人に腹を立てない」私が、「筋子おぢ」との出会いで得た最強のアンガーマネジメントを伝えします。

日頃、会社の人やSNSで暴言を吐く人に腹を立てている方も、異様なタイトルが気になって見ていただいた方も、ぜひ最後まで読んでみてください。意外とちゃんとした話です。

1.母の怒り

先日、私が実家に帰省した際、母は怒っていました。プンプンしてました。なにがどうしたのか事情を聞いてみると、固定電話に入っていた留守録に腹を立てていたそうです。その録音内容はこうです。

「もしもし、大学で同じクラスだった○○ですが。久しぶりに同窓会をしようと思ってます。すいませんがね、コールバックしてください。」

父の学生時代の同級生からの電話でした。母のプンプンポイントは下記の3点です。

  1. 電話番号が表示されない電話なのに、電話番号を述べすにどうやって折り返せばいいのか。

  2. 「すいませんがね」が偉そう

  3. 「コールバック」なんて言わないで、普通に「折り返し電話してください」と言えばいいのに。

いや、待てと。
そんなんで怒るなと。

そう思いましたが、私は優しいのでそれとなく諭しました。そもそも父と同級生なので、70歳オーバーの、どこぞの馬の骨かも分からない(失礼)おじさん(というかおじいさん)に、なにを期待しているんだと、言いました。

ただの頑固親父かもしれないし、いままであんまり人に電話をしたことない人かもしれない。そんな想像力を働かせれば、怒らなくて済みます。

怒らないことは、相手にとってもですが、なにより自分の精神衛生上とてもいいです。安定していられます。

ここで私は“ためになる”エピソードを話しました。
「筋子おぢ」です。


2.総武線の魔物

「月曜から夜更かし」の切り抜き動画で、よく街頭インタビューのロケ地として選ばれるディープな街、葛飾・江戸川エリア。

私は以前、この辺りの金融機関(の支店)で働いていました。毎朝、錦糸町で乗り換え、葛飾区へ。

ある日のことです。私はいつもどおり19時頃に仕事を終え、総武線に乗りました。総武線の治安は、まあいいとは言えず、車内でお酒を嗜むおじさんもしばしば見かけました。

その日も、その類のおじさんがいました。優先席を陣取り、おもむろに手元のスーパーの袋からストロング(ロング)缶を出し、「プシュッ」と。やってました。

その時は、あぁ、やってんな、くらいにしか思ってませんでした。しかし、その次の瞬間、私は目を疑いました。

スーパーの袋から、細長く、白い、トレーが出てきました。秋刀魚でも入ってんのか?という感じのトレーでしたが、入っていたのは赤い粒々。筋子です。

するとおじは、トレーのラップを雑に破り、中から赤い粒々の集合体を引き摺り出したと思ったら、かぶりつきました。まさかの筋子の丸かじり@総武線です。

筋子にかぶりついたと思ったら、ストロング缶、ストロング缶で潤した喉に筋子の塩気、筋子の臭みをストロング缶で流す、の繰り返しでした。ご満悦のようでした。

残念ながら私はすぐに錦糸町で降りてしまったので、筋子の行末を見届けることができませんでしたが、初めての出来事すぎて動揺していました。

それと同時に、

「世の中にはいろんなひとがいるんだなぁ」

と、そう思いました。この想いこそが、私のアンガーマネジメント術の原点です。そう、世の中にはいろんな人がいるし、自分が想像もできないような事をする人もいるんです。

それは、その日、総武線で出会った「筋子おぢ」もそうですし、SNSで吠えてるアカウントもそうですし、職場にいる上司や同僚、友人や家族も一緒です。

近しい環境にいると、どうしても「ある程度、価値観が近いだろう」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。もしかしたら、帰りの電車で筋子にかぶりついてるかもしれません。

3.日常での怒り

Twitter(現X)見てると怒ってる人多いですよね。
議論の火種を投下したほうがインプレッションを稼げるので、必然なのかもしれません。

でも、SNSなんてところで怒るのは、「筋子おぢ」に怒るのと同じくらい不毛なことだと思います。

(もちろん、正義感があれば「筋子おぢ」にマナーを注意はした方が良かったかもしれませんが、ちょっと怖かったので私はできませんでした)

怒ってる人を見てると「相手は筋子おじかもしれないのに。。」と思ってしまいます。現実世界では筋子おぢみたいな人に対して怒りをぶつける人は少ないですが、SNSだと結構いますよね。

これは「怒ることで自分を正当化できる」的な幸福感があるのかもしれないですが、普通に精神衛生上よくないと思います。心は平穏なほうがいいです。

なので、もしSNSで「このアカウントやばいな。なんか腹立ってきた」と思ったら、「筋子おぢ」を思い出しましょう。そのアカウントの人は、もしかしたら電車で筋子にかぶりついてるかもしれません。そう思ったら、急に怒りがおさまりませんか?

「あっ、ちょっと話通じないタイプの人なのかもな」って思って、距離置きますよね。そして平穏な自分のメンタルを取り戻しましょう。

4.同僚や家族も筋子おじ?

極論を言えば、職場の人や家族も、筋子おじかもしれません。知らないだけで、電車のなかで筋子にかぶりついてるかもしれません。ただ、さすがにこれは暴論なので、もう少し現実味のある例を考えてみましょう。

同僚や家族、友人は親しく、環境が近いので自然と「自分と価値観が近い」と思ってしまいがちです、ズッ友なんかは特に。

でも、みんな「筋子おぢ」張本人ではないにしろ、「小さい筋子おぢ」が心にいるかも、と思っておくくらいがちょうどいいです。

私の例を紹介します。まだ私が「筋子おぢ」に出会う前の話です。

私には幼馴染がいます、それも結構仲がいいです。大体の価値観は合うし、合わないところも分かっています。いや、分かっていたつもりでした。

ある日、友人と出かけていた時、道端に500円玉が落ちていました。私は特に気に留めませんでしたが、友人は「ラッキー」と言って拾って自分の財布に入れていました。

これは、まさに青天の霹靂というくらい、私にとって衝撃的でした。私は交番にまで届けないまでも、人のお金を自分のものにするという行為が信じられなかったのです。そんなことをする友人に対し、怒りと悲しみが湧いて来ました。

恐らくですが、世の中的にも私の価値観は偏っている自覚はあります。別に道端に落ちているお金くらい、たった500円ならいいじゃないか、という気持ちもわかります。ただ、こと仲の良い友人は私の価値観の範疇の中にいるものだと思い込んでいました。

違うんです、どんなに仲が良くても、家族でも、自分とは違いますから。

ちなみに、500円を拾った友人と、後日その件について話しました。すると、彼は「親もそういうことをしていたので、なんの悪気もなくやっていた。言われてみれば、たしかに常盤の言うことも分からなくもない。」と言っていました。

なるほど。たしかに。親がやってたら、そうなるよね。自分もきっと、そうなると思いました。そして、そこまで想像できなかった自分自身が恥ずかしくなりました。

これが、彼の心の中の小さな「筋子おぢ」です。すなわち、私の価値観とかけ離れた価値観です。価値観は相対的なものなので、私の心の中にも誰かにとっての「筋子おぢ」がいるはずです。

近しい人の行動や言動に怒りが湧いたとき、その人の生い立ちや経験が、その行動に結びついているということを思い出しましょう。自分が理解しがたい価値観を持っている可能性があることを、受け入れるようにしましょう。

意地悪なことをいう人、悪意のあることをする人。こういう人もきっと、悲しく可哀想な過去があるのだと想像しましょう。

そういうメンタルで人と接すると、怒りをおぼえることが減るんじゃないでしょうか。精神的に安定した毎日を送ることができると思います。


5.おわりに

いまとなっては、あの時の総武線の出会いに感謝しています。人間関係で悩むことも少なくなかった社会人生活でしたが、相手に対して想像力を働かせることで、モヤモヤしたりイライラすることが馬鹿らしくなりました。

そんなことより、自分のことに集中しようと思えるようになりました。

みなさんが、この記事で少しでも心を平穏に保つ毎日を送れるようになれば、こんなに嬉しいことはありません。

以上、常盤三千太でした。

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