タネと農業の未来

「タネは誰のもの」という映画を観ました。
農家にとってタネというものがどれだけ大切で、人任せにできないものなのか。
種子法廃止、種苗法改正がどういう意味を持つのか。
ほぼ反対派・農家側の視点の映画なので、育種権者の立場からは反論もあるのかもしれませんが、デメリットを掘り下げて理解することができました。

私は一消費者の立場で観て、TPP交渉が始まった時と同じ不安を感じました。
政府は、生命の基盤である食料生産をどのように考えているのだろう。
私はできるだけ近くで生産された、その土地の気候風土にあったものを食べていきたいと思っているけど、将来地域にどれだけの農家さんが残っているのだろうと考えるととても不安です。

集約化、大規模化、グローバル化、競争力、差別化…
どの産業にもそういうものを求めるような風潮になってきていると感じます。
そうしたものとは無縁な小さな営みは、どんどん切り捨てられていってしまうのでしょうか。
それは、その地域ならではの暮らしや文化、人々の結びつき、景観も失われていくということではないでしょうか。

暗い気持ちになりましたが、よく考えたら、私の周りにはそういうものに価値を見出して、地域で様々な活動をしている人たちがいます。
法律は遠いところで動かされているし、過疎や高齢化の波は避けられないけど、コロナ禍でも小さな活動が細々と続けられています。
問題がなくなるわけではないけど、そういう人たちの存在はひとつの希望なのかもしれません。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?