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『ざつ』 お気楽TRPG日記68。ザ・ループTRPGリプレイ第三回とか、邪神忌とか、ゼンカイジャー最終回とか、シャドウラン「第六世界で財閥令嬢」とか。

概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。3/15に邪神忌開催しますよ。

ザ・ループTRPGリプレイ第三回公開中

 まず、告知から。
 ザ・ループTRPGリプレイ「6月の化石」第三回「石切場と謎の球体」です! 先生の結婚式で、石切場に化石があることを知ったキッドたちは石切場を探検し、謎の球体を発見します。


 今回は、フレデリックとジャスティンが大活躍。

 「秘密は、キッドたちの大好物。」

邪神忌(3/15@阿佐ヶ谷ロフトA)

  もひとつ、告知。今年も3/15のラヴクラフトの命日イベント「邪神忌」を阿佐ヶ谷ロフトAにて開催。森瀬繚さんと一緒に、ラヴクラフトやクトゥルフ神話を語ります。今回のテーマは、“MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のクトゥルー神話要素!?”。
 5月公開予定の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を前に、これまでに公開されているMCU関連作品と、『ドクター・ストレンジ』の原作コミックにおけるクトゥルー神話要素について、がっつり予習してみましょう! アメコミ業界からお一人、ゲスト参加が確定しました。追って公表いたします。

 そんな訳で、邪神忌に向け、100年前のラヴクラフトの行動を追い、「Letters to Family」を拾い読み。ローリング20の真っ盛りにニューヨークで夏を過ごす。摩天楼が見える場所に、植民地時代の農家が史跡として残っていたりして、その差は、妙にサイバーパンクめいているなあ。時代的にはスチーム、いや、エレクトリック。
 1922年のラヴクラフトは、ニューヨーク、ドーバー、マグノリア、クリーブランド、マーブルヘッド。約4ヶ月を旅に費やした激動の年。おかげで、家事をしてくれていた伯母さんリリアン・クラークを放っておいて、「ニューヨーク、楽しいよ。マンハッタンの古本屋でポーの日記が超安くて!」とか報告の長文手紙を書く。マグノリアに2週間、ニューヨークに7週間以上、滞在していたのだ。
 ちなみに、この年の写真には、「幸せ太りしたラヴクラフト」というレアな姿が見られます。

ゼンカイジャー最終回

 ニチアサの戦隊もの「機界戦隊ゼンカイジャー」が最終回を迎えた。
 45周年記念ということで、45の戦隊に基づいた力を秘めたギアを使う戦隊だが、そこには様々なキーワードに支配された並行世界が存在し、その力を使う怪人(ワルド)が敵として登場する。

 ……というとカッコいいが、そのキーワードが破天荒。

 例えば、テニスの試合で勝たないと倒せないテニスワルドは可愛い方であるが、テニミュ出演者(益子敦貴)が、キーとなるサブ主人公クラス(ゾックス)で出演し、「俺の出番だ」とか言い出すのは、面白すぎる。
 ひどい例を上げれば、「盆と正月が一緒に来たような騒ぎ」を体現するために、お盆ワルドと正月ワルドが一緒に攻めてくる回が年末に放映されたりする。ちなみに、正月ワルドは年が明けたら、来るよとか言って帰っていくし、冬なのに、お盆ワルドのおかげで祖先の魂が帰ってきたりする。

 それでいて、ちゃんと45周年戦隊らしいよいエンディングを迎えた。全体的にギャグが大暴走しているが、超面白いのでおすすめ。

 あと、TRPGシナリオに困っている人は、ネタに困ったら、見るといいぞ。カシワモチワルドとか、スシワルドとか、ダイコンワルドとか、これでいいんだ! と思うよ。『ざつ』だけれど、そこがいい。

シャドウラン「第六世界で財閥令嬢」


 先週土曜日は、身内のシャドウラン・キャンペーン。
 横浜を本拠地にする探偵事務所のメンバーが、色々な仕事をこなしていくというお話で、前回、レンラクのご令嬢をコミケにつれていくという心温まるランをこなした後、今回から「第六世界で財閥令嬢をするのはちょっと大変」シリーズが始まる。前回はこちら。

 インスパイア元は二日市とふろうさんの小説「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」。私は物理本からの人ですが、「小説家になろう」で読むことが出来ます。

https://ncode.syosetu.com/n3297eu/

 ……という訳で、シャドウラン世界の十大企業のひとつ、レンラクの永世社長である姉木稲造の孫娘で、鳳凰院かおり様(9歳)が依頼主になって、レンラク回りのトラブルシューターをやる話です。この少女は、プロトタイプ・トランスヒューマンという、生まれながらのバイオ強化が組み込まれており、マトリックス・ヤクザの鰐淵組長いわく

 幼女の皮を被った怪物

 という訳で、シャドウラン第5版の企業サプリメント「Market Panic!」から、レンラクのページを読む。
 設定に加えて傘下の企業名が並ぶ。
 いすゞモータース。まあ、トヨタは無理だったような。でも、日産がトヨタとベンツを飲み込み、ソニーの傘下にある世界線だからな。
 このあたりについては、日産の追浜工場を舞台にした回を参照。

 傘下企業一覧をさらに拾い読み。
 一ツ橋グループ・・・・・・小学館と集英社を核とする出版大手のことですよね。つまり、ジャンプとサンデーはレンラク傘下! 『鬼滅の刃』60周年の話を前回していますが、お嬢様の身内じゃないですか?
 しかたないので、そこは現社長派が掌握している感じにしましょう。

 みずほグループ! まあ、銀行系のどれかは抑えますよね。うん、でも、なぜ、みずほ!
 いや、考えろ。あのスパゲッティ・コードから生まれた超AIとか、怖くない? テクノマンサーだったら、闇の波動とか感じますよ、きっと! そりゃデウスも生まれますよね。
 二度のマトリックス・クラッシュだって、超マイナーなOSとの接続を前提にした古代コード群なら生き延びるかもしれない。うわあ、怖い。

 ……という訳で、レンラク傘下の銀行ネットワークの闇に潜む、古代コードをなんとかするために、2050年頃(シャドウラン初版/第二版の時代)、某社にいたエルフの天才ハッカーを探すラン。

 正月早々、お嬢様に呼び出されたランナーたちにお嬢様が新しい肩書を示す。某銀行の外部監査役。依頼内容は「銀行システムのソースコードに、地獄めいた古いシステムへのリンクが混じっていて、それに由来する機能不全が、次の5/10日(トランザクションが多い)に爆発しそうなので、それまでに、開発当時の関係者を探せ」。

 そんな奴いる訳ないでしょ?
 いや、ひとりだけいる。エルフのスーパーエンジニアだ。
 2020年代後半、40代のはずなのに、なぜか若いため、エルフだったと判明したスーパー・エンジニアは、VRの普及、サイバーデッキの出現、AR社会の拡大などを乗り越え、渕電子の重要メンバーとなっていたが、2051年にランの対象となって失踪していた。

 ……てな、導入をやっていたら、プレイヤーに、ネットやIT関係者が複数いて、妙に解像度が上がっていく。

 そのサイバーデッキ、開発したの、たぶん、あの辺(某社に実在するIT系先進技術研究所)だよね?
 銀行や工場系のシステムで今でも、前世紀のOSを使っているコード見た。
 知り合いで、そういう人生送りそうなのがいるなあ。
 あの人なら、だいたい、そんな調子で……

 想定していたのはシャドウラン初版の小説から登場するエルフ・ハッカーのドジャー君(富士見版などの表紙でターミナルに直結している彼。アーキタイプでも登場)の日本版だったのですが、どんどん、知り合いに近づいていてしまい、気づくと、ランの舞台がになっていた。

 すいませんでした! 

 今週の教訓 『タイムリーすぎるネタは面白いけれど、危険』

 『ざつ』だな。


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