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『ざつ』 お気楽TRPG日記30。『ザ・ループTRPG』発売とか、『ベルセルク』再読とか、『シャドウラン』@金沢八景とか。

概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。今回は『ザ・ループTRPG』発売の話を中心に色々。


『ザ・ループTRPG』発売!


 というわけで、Free LeagueのナラティブTRPG『ザ・ループTRPG TALES FROM THE LOOP – THE ROLEPLAYING GAME』日本語版(グラフィック社)が本日、発売でございます。詳しくは、グラフィック社の公式ページををぜひ。Amazonのページにも見本がたっぷり載っていますので、興味がありましたら、そちらもどうぞ!

 さて、本格的なナラティブ・タイプが売りの本作ですが、あまり難しいことを考える必要はありません。みんなでお話やシーンを考えていこうという趣向です。皆で相談して、ここはこんな話がいいね、じゃあ、こうしよう!という感じでやればいいのです。

 もちろん、そこでコンセンサスが必要ですが、それは、『ザ・ループTRPG』が原作モノだというのを思い出してください。

 まず、原作であるシモン・ストーレンハーグのグラフィック・ストーリーを皆で読みましょう。1980年代の「もうひとつのスウェーデン」の片田舎、メーラレン湖地方を舞台に、子供たち(TRPGでは「キッド」)がちょっと不思議な出来事に出会うという物語です。

 まあ、原作が肌に合わなかったら、諦めましょう。うん。

 『ざつ』な対応ですが、まあ、原作ものなので。

 ドラマ版もあります。AmazonPrimeで、1話1時間の連作ドラマ『ザ・ループ』があります。それぞれ独立したオムニバス形式なので、まず、1話を見てください。雪に包まれた冬。巨大なハイテク施設。地の底から響くグラヴィトロンの鼓動。切なくも悲しく美しい映像。それが気に入ったら、TRPGも遊んでください。

 原作ものなので。

 世界観が気に入ったら、まず、ルールブック掲載のシナリオ(このゲームではミステリーと言います)を遊びましょう。四季をテーマにした4本のシナリオが入っていますので、これを順番に遊べば、『ザ・ループTRPG』を堪能できます。

 その際には、まず、キャラクター作成の時間をたっぷり取りましょう。キャラクター作成はキッドのタイプの選択、年齢を決めて能力値や技能の割当と簡単ですが、もっとも重要なのはキッドの個性を作り出し、キッド同士の関係を考えるところです。タイプから選んで決められるようになっていますが、それを考えるのが楽しく、もうここから物語作りは始まっていると言ってもいいでしょう。

 NPCとの関係は、サンプル・シナリオやミステリー・ランドスケープ(箱庭型のアドリブ用シナリオフック)との接続が仕込んでありますので、それも楽しいものです。

 ひとつだけ注意。キッドは10才から15才までで、16才になったら引退です。15才でサンプル・シナリオ4部作を始めると、キャンペーン中で1年が経過しますので、途中で誕生日が来て引退となる可能性もあります。テストプレイでは、引退したキッドがNPCとして登場し、盛り上がりましたので、それはそれで面白いとは思いますが、「15才最強!」とか言っている人はご注意を。

 スウェーデン以外に、アメリカのネヴァダ州ボールダー・シティを舞台にする方法が用意されています。これはキックスターターで資金調達をして、英語版を刊行した際にストレッチ・ゴールとして用意された追加設定です。ネヴァダの砂漠の中の小都市という設定の方が親しみやすいなあという場合は、こちらで遊んでみてください。シナリオは共用です。

 日本で遊ぶ場合のアドバイスとして、1980年代の日本に関する記事を書いています。主に資料として活用してください。一応、私の故郷の千葉県八日市場市(現・匝瑳市)にループを置いた場合の事例を書いてありますが、これは特に公式の日本設定ではありません。みなさんの使いやすい場所、例えば、プレイグループのいる場所やGMの故郷、なんなら「クレヨンしんちゃん」の聖地である埼玉県春日部市でもいいんですよ。

 記事にも書きましたが、自然が豊かで、適度に小さめな都市で、ザ・ループを置けるような場所があり、周囲に、水辺や山、森などがあるとよいでしょう。原作のイメージをそのまま移植したいなら、雪の多い北の地域にするのも面白いかもしれません。北海道の郊外とか、東北の北上山地とかいいかもしれません。


『ベルセルク』再読


 三浦建太郎先生が亡くなられて一月が経ちました。

 個人的にも好きな作品だったので、この機会に、もう一度、1巻から最新の40巻(最新刊ではありますが、2018年10月刊行なので3年前)までを読み直しました。1-3巻のダークなバトルの後に始まった青春編というべき黄金時代のまばゆさ、それゆえに、13巻の蝕の悲劇が鮮烈でした。

 拙作『深淵』に大きな影響を与えた作品と言えます。

 その後の14巻のドラゴンころし装備と旅立ちに至る物語。断罪編でのガッツの成長と旅の仲間との出会い、グリフィス再誕からのファルコニア編における世界の広がり、妖精の島でキャスカの記憶を取り戻すまでとなり、二人が再会したところで、単行本収録分は終わります。単行本未収録は、第358-363話まで、絶筆分を加えて刊行していただけることを願います。

 読み終えて感じるのは、平成元年以来、この作品を追いかけてきたんだんああという気持ちです。

 ああ、『深淵』書かなきゃ。

 シャドウラン@金沢八景


  土曜日は、シャドウラン横浜キャンペーンの3話目。金沢八景から追浜のクライスラー日産工場での試作ドローンのテストに潜入し、データを奪うお仕事。追浜の日産自動車の工場にはGRANDRIVEというテストコースがあり、これがなかなか燃える設定なので、ぜひ、使いたいと思った訳です。

 まずは野島公園でゆるキャンしつつ偵察。

 実際の日産追浜工場をウェブの地図で確認したら、すぐそばに、日本最古と目される縄文遺跡(夏島貝塚)があって、燃える。この手のネタを書くと、ブルーローズじゃないんですよ?というツッコミをいただくこともあるが、シャドウランも、第四世界からの魔法伝承問題がある世界なのですよ。縄文時代に関しては、最近、どこまで?とか色々変化がありますが、第四世界の終わりまで含む可能性があるので、シャドウラン的には、かなり重要な歴史年代なんですよ。

 イモータル・エルフたちは縄文時代から生きています。

 さて、シャドウランにおける日産の立ち位置ですが、日産は2038年にクライスラーと合併し、その後、ダッジ、ジープ、メルセデス・ベンツ、トヨタを呑み込み、世界最大の自動車メーカーになる。アレスとゼーダーとの強豪で苦戦した後、ソニー傘下に加わる。トヨタとベンツの買収は2060。

 ソニーはAA企業で、日本国内では第7位。2064のマトリックス・クラッシュを契機にクライスラー日産を傘下に加え、ドローン・ヴィークル分野でも存在感を示す。

 このあたりの情報はSHADOWRUNwikiで読めます。

 ソニーが日本第7位ということで、上には三浜コンピュータ技術(世界3位)、レンラク・コンピュータ・システムズ(世界5位)、シアワセ(世界8位)の他に3社いる訳で、これが大圧(ダイアツ)、耶鹿島、MONOBEインターナショナルです。

 そういう訳で、セッション前に、金沢八景へ。

 実は私、金沢八景にある横浜市立大学の卒業生で、40年ほど前にはこの辺をうろうろしておりました。あの頃は、釣り船宿と学生街が入り混じった住宅地でしたが、その後、八景島シーパラダイスができてシーサイドラインが通り、街の風景は少しずつ変わっています。駅に降りるのも15年ぶりぐらいかなあ。

 日産自動車のテストコースは非公開なので、シーパラダイス方向から遠望できないかと、シーサイドラインに載ります。ほぼ高架で平潟湾を超えるので、なかなか燃えます。思わず小学生男子と先頭席を奪い合ってしまった。

 シーパラダイスは入る時間がありませんでしたが、アーコロジーっぽい外見はシャドウラン的に燃えるものがありますね。よし、次回は、シーパラダイスの水族館で水棲クリッターとバトルだ!

 そんな『ざつ』な日々でございます。




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