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空気圧の決め方

こんにちは。沢田時です。

昨日書いた空気圧の話、恐れ多くもTwitterで高岡さんが記事をご紹介下さり、想像以上に多くの方に読んで頂いたようで驚いています。

さて、今日は僕流のレースでの空気圧の決め方をご紹介したいと思います。と言ってもロードレースは経験不足で僕が語るのはおこがましいので、シクロクロスでの空気圧の決め方の話です。すでにシーズンは終了してしまいましたが、ご参考になれば幸いです。

まず一番大事なことから言うと、毎回同じエアゲージで空気圧を管理しましょう。これは必須です。というのもエアゲージは個体差が大きく、たとえ同じメーカーの同一の商品であっても数値が大きく違うことがザラにあるからです(僕とメカニックが使っているそれぞれのエアゲージで0.2barほど値が違うことがありました)

よってレース会場で他人からエアゲージを借りて計測するというのはおすすめしません。僕は基本的に機材はメカニックの方に丸投げですが(機材オンチ)、空気圧だけは必ず自分自身で測るようにしています。これは機材スポーツの鉄則だと思うのですが、普段の練習で試していないものをレースで使うことは非常にリスクが高いです。エアゲージも同様で、普段使い慣れたものをレースで使用するようにしましょう。

次に空気圧の決め方です。僕はまだコースのことが分かっていない1周目の試走ではいつも1.7barにセットして走り始めるようにしています(明らかにマッドコンデションであるときは1.6bar)。過去の経験上、僕はレースで1.7bar以上まで空気圧を上げたことは殆どありません。つまり理想と思われる空気圧から少し高い値から走り始めるのです。

そして空気圧を下げたいと思ったら試走中でもすぐに止まって、バルブを全開まで緩めてワンプッシュ、多くてもツープッシュだけします。もちろんこのときにエアゲージを使っても良いのですが、ゲージの抜き差しで無駄に空気が抜けてしまうことが多々ありますし、試走中にポンプもエアゲージも持ち歩くのは非現実です。よって試走中は手で空気圧を落とす作業だけをやるようにしています。貴重な試走時間にいちいち車に戻って空気を入れ直す時間も勿体無いです。

このように空気圧は高いところから徐々に落としていく方が理想な値が見つかりやすいです。慣れてくるとこれ以上下げるとリム打ちするなということが分かるので、下げ過ぎることもありません(いや、たまにありますね 汗)

そのまま試走を終えて車に戻ってからエアゲージで空気圧を測ります。その数値を覚えておいて、ウォームアップを始める前くらいにもう一度きっちり合わせ直します。気温によっても空気圧は変わるからです。

ちなみになぜ空気圧を下げるのでしょうか?タイヤのグリップ力を増すため(トルクのかかる激坂であったり滑りやすいコーナーに合わせてセッティングする)というのはもちろん大切です。それに加えて僕がシクロクロスの空気圧で重視しているのはレーススピードで踏んだときにバイクが跳ねないことです。

サスペンションも太いタイヤも付いていないシクロクロスでは、強くペダルを踏み込むほどにバイクが跳ねてしまいます(ロードでも荒れたアスファルトで思い切り踏むとバイクが跳ねますよね)。せっかく高いパワーを出していても、バイクが跳ねて前に進んでいなければただの無駄足です。つまり空気圧を下げることでサスペンションのようにバイクの挙動を安定させ、より効率的にパワーを推進力に変えることができるのです。

例えば、毎年UCIレースが開催される関西シクロクロスのマキノなどは、高い空気圧であっても十分にタイヤはグリップはしますが、意外と芝に隠れた凹凸によってバイクが跳ねるので、低い空気圧の方が速く走ることができように思います(あくまで個人の感覚です)。僕は昨シーズンのマキノのレースでは1.5barにしました。

一方、泥だらけだった全日本シクロクロス飯山での空気圧は1.6barです。実はドライのマキノのときよりも高いのです。理由は泥が深いセクションはほぼ全てランニングになると分かっていたので、そこまで低圧にする理由がないこと。またアスファルトセクションでは低圧すぎるとバイクが進まずに脚が削られるので、単に空気圧を下げればいいというわけではありませんでした。そこで乗車可能なゴール前のキャンバーセクションでタイヤのグリップが得られる上限の空気圧で合わせると1.6barとなりました。

ここまで読んで頂ければ分かる通り、空気圧というのはレースで走ったときの感触を考えてセッティングしなければいけません。試走でゆっくりとお喋りしながら合わせた空気圧と、レースペースでの適正な空気圧は当然違います。もちろん試走を全て全力で走る必要はありませんが、パワーをかけたら跳ねそうな箇所や、滑りやすいセクションではレースペースで走らなければベストな空気圧には辿りつけないと考えています。(ちなみによく公平とお喋りしながら試走していますが、二人とも同じ考えだからか要所要所では結構なハイスピードです 笑)

またシクロクロスの場合、なるべくレースに近い直前の試走時間で空気圧を決めた方が良いです。コースコンディションによって適切な空気圧が大きく異なるからです(例えば朝の試走では雨上がりで泥々で低圧にしなければグリップしなかったが、昼のレースのときには路面が乾いていてもっと高い空気圧でも走れたなど)

なんだか長くなってしまったので、今日はこの辺にしておきますね(笑)

今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。なにかの参考になればいいね・シェア・サポートなどして頂けると嬉しいです。情報配信の励みになります!

【余談】GoProをチェストマウントに付けて撮影したらハンドルしか映ってないってあるあるじゃないですか?カメラ角度難しい(泣)


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