【ビジネス書を読む時間がない若手金融会社員・就活生向け!】クリティカルシンキング1
これまで、主に財務分析について記載してきました
今後、数回に渡りクリティカルシンキング(戦略的、客観的かつ論理的な思考力)について記載したいと思います
ビジネスにおいて問題を解決する場合、問題を正確に捉え、構造化することで問題を引き起こす要素を理解し、解決策を講じる必要があります
上記を達成するために、クリティカルシンキングを身に付けておくことが重要だと考えています
コンサルティングファームにてクリティカルシンキングの概要や使い方を学びましたが、当初より身に付けていれば金融機関でも適用できたなと思うことが多々あります
本日は、クリティカルシンキングの概要について記載したいと思います
クリティカルシンキングとロジカルシンキング
ロジカルシンキングという言葉はよく耳にすることと思いますが、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いについて記載します
ロジカルシンキングは、クリティカルシンキングの一要素となっています
ロジカルシンキングは、「論理的に考えていけば正しい1つの答えに収斂する」という前提がありますが、論理的であっても受け手次第では答えがまちまちです
例えば、「売上が3%低下した」という事象を「よくない」と捉える人もいれば、「景気が悪いため、妥当な数字である」と捉える人もいると思われます
人それぞれの論理が成り立つ場合、論理的正しさよりも、「客観的にどう捉えることが妥当か」(=クリティカルシンキング)を捉えることが重要になります
そういった背景により、ロジカルシンキングはクリティカルシンキングに内包されたものと考えることができます
クリティカルシンキングの基本姿勢
クリティカルシンキングを身に付けるにあたり、以下を意識することが重要だと感じています
1. 目的を明確にする
何かを考える際に、「何のために考えるのか」を明確にすることを指しています
何のために何を論じるべきか、がズレてしまうと、議論としても上手くいかないことが多いと感じています
2. 自他の思考の癖を認識する
自分自身及び相手の思考のクセを意識しながら考えることを指しています
誰しもが過去の経験に基づき、潜在的にこの選択肢はあり/なしだ、という思考で議論に入ってしまう、という事象があります
そういった場合に、客観的に自他を見つめなおし、思考の癖を認識しながら議論を進めることでより建設的な会話が生まれる、ということがあると思います
3. 問い続ける
一度結論に達しても、そこから考え続けることも大切です
「So What?(だから何なのか)」「Why?(なぜか)」「True?(本当か)」を問い続けることで、本質を捉える・原因を見抜く・誤解を見抜くことに繋がります
問い続けることで、考える力や考える習慣が付いてくると思います
クリティカルシンキングの方法論
1. 考える枠組みを作る
目的(解決すべき問題)が明確になったら、具体的な項目レベルで何を考えれば目的を達成できるかを整理する必要があります
その際は、以下のようなフレームワークを活用することができます(いきなり固有名詞を列挙するのではなく、構造化して捉えることで思考の抜け漏れ防止にも繋がります)
5W1H:いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやって
マーケティングの4P:製品、価格、販売場所・流通経路、宣伝
2. 正しく論理を展開する
1.の枠組みに沿って、1つ1つの示唆や見解に理屈が通っているか、が次に重要となります
論理展開の方法は大きく分けて以下があります。詳細は後続で解説したいと考えています
①演繹(えんえき)法
②帰納(きのう)法
3. 構造とメカニズムを把握する
現実の問題は、パーツを個々に見るだけでも、漠然と全体を見渡しているだけでも捉え切ることは難しいです
そのため、一度細部まで分解した後に全体的な「構造」として捉え、理解する必要があります
例えば、因果関係を理解するといったことが挙げられます
本日はクリティカルシンキングの概要について記載しました
次回以降、論理展開の一般的な方法について、記載していきたいと思います、お楽しみに!