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見過ごされた子どもたち

いじめ、不登校、様々な問題を抱えている子どもたちがいる。問題の根底には、それぞれの家庭環境が大きく影響していると実体験から考えている。出産したら自動的に親となり、自動的に子育てという重大な責任がのしかかる。正解がない子育てに自分なりの解を見つけながら進めていくしかない。人間を育てるって何だろう。いったいどう育てれば正解にたどり着くのだろう。朝ドラ「虎に翼」を毎朝視聴しながら、家庭裁判所や子どもたちに思いを巡らせ、どうしようもない気持ちになることがあるので、ここに綴っていこうと思う。

家庭裁判所といえば、私にとって懐かしい場所でもある。母子家庭で育ち、その後母を小6で亡くし祖父母の家で暮らすことになった私と妹。時々家庭裁判所に呼ばれて、後見監督を担当する方に話を聞かれた。後見人となった祖父母、実の父親もそれぞれ定期的に話を聞かれていたそうだ。

家庭裁判所の話は後日記述するとして、今回は、我が子以外の子どもが不安定なときにどこまで近所のおばさん(私)が手を差し伸べられるのかというモヤモヤ。

我が家には小学生高学年女子、低学年男子の2人の子どもがいる。2人とも、いじりや仲間外れのターゲットにされることがしばしば。息子においては現在進行中。スポーツチームの仲間たちには帰宅の道中で毎回いじられ、ついには朝もいじられるようになったので、両方私が付き添っている。毎回たかし君(仮名)がいじりやからかいをし始めて、周りの男子も乗ってくるという流れになる。

いじりといじめは紙一重。

法務省のサイトでは、いじりといじめは同じという言葉が載るくらい、いじりは見過ごしてはいけない。学年が上がるにつれてヒートアップしていき、ついには不登校になってしまった子どももいるようだ。

いじりの発端をつくるたかし君。小さい頃からよく知っている子で、かわいらしい一面もある。ママとも飲みに行ったことがあるくらいで仲は悪くない。ママは朝から晩まで正社員で働き、育児も家事も一人でやっている忙しい人(パパのことはよく知らない)ひとつ気になるのは、たかし君には幼い頃からちょっと厳しいところだ。たかし君ができないことがあるときつく叱る姿も何度か見たことがある。

たかし君はママの前では大人しくてとってもいい子。それが一番気になって、もしたかし君に息子がやられたことを伝えたら、きっとママはきつく叱るだろう。家という密室の中でどんな叱られ方をするのだろう。そんなことを想像すると言えなくなってしまい、事態がおさまるまでたかし君からは離れるという手段を選んだ。

親も一生懸命。そして、個々にポリシーを持って子育てをしている。でもどんない頑張っても、我が子がもしかしたら見えない場所で泣いているかもしれない。そう心にとどめておきたい。

朝一人で歩くたかし君を見ると、寂しそうで、今にも泣きだしそうな顔。

ママ、たかし君に付き添ってあげて。放課後、ときどきでいいからたかし君と遊んであげて。

個々の家庭に近所のおばさんは口出しできない。たかし君から離れたいと言った我が子の気持ちを優先して前を歩くけれど、毎朝胸がしめつけられそうになる。

児童福祉法 第一章 総則 第一条 
全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。

両親がいなくなった後、私が今まで人様に取り返しのつかないような迷惑をかけずに生きてこられたのは、間違いなく、祖父母に愛され、保護されたからである。

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