ファンタジーは現実を越えて
最近見たものとかの話です。
展示「ピーター・シスの闇と夢」
ポスターだけ見てファンタジー系の作家だと思っていたら、そんなシンプルなスタイルではなかった。
芸術や文化が抑圧された、冷戦下のチェコ。その中で暮らした経験から、世界、社会全体への思想や不安を、シュルレアリスムやファンタジーの発想をともなった作品にしている。
理不尽な社会を想像力で塗っていく姿勢にとても感銘を受けた。
初期は、難解で重い印象だが、徐々に、優しいタッチで複雑な話を描くスタイルに移行している流れが興味深い。
絵の技法は色々だったんだけど、パッと見では全然作り方がわからない作品も多く、凝視してしまった。紙に下地を作って絵の具を置いて引っ掻いて描いてる…のかなあ。近くで見てもよくわからなかった。すごいな。
図録を買おうと思っていたけど、まずはこれを読むべきかなあと思い、絵本「WALL」を買う。
展示は八王子市夢美術館で8月31日までです。
映画(?)「ニモーナ」
「破天荒キャラの痛快アクション」みたいな作品かな…と思いきや、差別や偏見、多様性などのメッセージをコミカルなアクションと合わせてしっかり編んだ作品で、見終わって感嘆のため息をついてしまった。
舞台は中世ヨーロッパと未来を掛け合わせたような世界。新しい価値観がありつつ、古いそれも引きずっている、という感じがわかりやすい。
プリンセスじゃなくヒーローで、ヒーローだけど悪役。そして「悪」とは何か?という問いかけも。
しかしネトフリは良い作品が多いなあ。延々といろんなものを見てしまう…。
ピーター・シスの展示もこの「ニモーナ」も、ファンタジーで現実世界の問題を扱い、創作的なカタルシスまで持っていっているところがすごくよかった。勇気づけられる。
想像の世界だけでは世の中は変わらないけど、世の中を変え得る想像というのが、確実にあるのだ。
今日の絵
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