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噛み砕き、糧とする(最近見たもの、読んだもの)

作業をしながらSONIC MANIA(サマソニの前夜祭みたいなイベント)の配信を見る。

「ぎゃー、楽しい!配信ありがとう」というのと、会場の人の密度に「感染拡大待ったなしだな…」とモヤモヤするのと、両方。複雑な気持ち。

コロナや自分のスケジュールの兼ね合いであまり外に行けないのもあって、映画やライブの配信を見たり、本も前よりよく読んでいる。
本命のもの以外に「流行ってるから」「配信にあったから」とかでなんとなく見るものも多いんだけど、それでも意外と、経験として血肉になっている。

見たものが自分の中に蓄積されるかどうかって、単純に媒体だけではなくて「ちゃんと向き合ったか否か」なんじゃないだろうか。
対象とちゃんと向き合うと、対象がモノではなくて自分の経験や体験になる。
「私が見た作品」が「私は作品を見た」になり、「人から聞いた話」が「私はその話を聞いた」になる。トピックに対して第三者ではなくなる。

加えて自分の場合は、いま、思うような方法で体験することができない(直接会場へ行けない、予定を合わせるのが難しい…など)ぶん、見られるものはガツガツ吸収してやる!という気持ちも強いような気がする。

もちろん実体験でしかわからないものはあるし、現地で感じられればそれが一番いいんだけれど、仕方ない。カルチャーの吸収も、自分がやれる形でやってくしかないな。


というわけで、最近見たもの色々を記録しておきます。

映画「梅切らぬバカ」
知的障害のある息子とその母親を取り巻く物語。
地域の人とどう理解し合うか、共生とは?…と言うような話だったのだけど、問題提起をしたものの基本的にはほっこりテイストで終始するのでファンタジーかな…という感じがしてしまった。
絶対的な悪者がいるわけではないので、ほわっと始まりほわっと終わるのは、ある意味現実的なのかもしれない。
人を選ばない作品ではあったけど、監督がどこへ向けて何を発したいのかがあんまり見えないのが、物足りなかった。


宮本浩次ライブ・縦横無尽完結編
ライブの映像…。たまたまライブ配信をしていたので見た。
エレカシでの宮本さんしか知らなかったので、バンドとはまた違う熱量がカッコ良く、こんなふうに変えているのかとびっくりした。
そんなわけで、昭和の名曲をカバーした二年前のアルバム「ロマンス」を聞いてみたところ、繊細なメロディと雄々しいボーカルの対比が非常に美しく、衝撃を受ける。家族に速攻で薦めてしまった。



「寝そべり主義者宣言・日本語版」
中国で一部の若者たちの中に起こった「寝そべり族」という反成長のムーブメントについて。ステートメントとしてのテキストが日本語訳された、ブックレット。

「我々一般市民は、国の右肩上がりの成長に協力“させられている”のだ」というような姿勢にじんわり共感する。
そんなに上に行かないといけないの?と結構よく思う。ヘトヘトになってまで成長する意味って何なんだろう。

そして、最近は成長を拒否する「寝そべり」からさらに進み「バイ・ラン(中国語で「そのまま腐らせろ」)族」が現れたのだとか。うーん。やっぱりちょっと、共感してしまうな。



今日の絵

挟まって、見ている

これは私の、漫画の本ですよ…。少し不思議な短編漫画集です。


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