ビジネス用語の変遷
私が社会人デビューしたのは2006年で、1社目には9年半在籍した。
その間、仕事の現場では、不思議なビジネス用語が当然のように飛び交っていて、入社したての頃は意味が分からず、こっそり人に聞いたりして学んでいた。
<2006年~2015年頃、印象に残ったビジネス用語>
・五月雨・なるはや・ほぼほぼ・いまいま・あいみつ・正直ベース・ゼロベース・五月雨・叩き・ドアドア・トンマナ・ニッチ・バッファ・フィックス・アサイン・エビデンス・キャパ・プライオリティー・リマインド・リスケ・スキーム・マスト・グロス・ベンチマーク・レジュメ・シュリンク・スケール・アライアンス・サマリー・ローンチ・デフォルト
普通に言おうよwと、突っ込みたくなるような言葉もあるのですが、
全体的には和製英語の横文字が多いですよね。(勤め先がネット業界だったからでしょうか)
「ほぼほぼ」という言葉は、2016年の新語大賞を受賞したそうですが、不思議な言葉ですよね。 これ、今も使ってる人、いるんでしょうか。最近はあまり聞きません。
仕事において、曖昧さは敬遠されるように思いますが、電車もバスもきっちり時刻表通りに運転する責任感ある日本人だからこその言葉なような気もします。
あと、ビジネス用語ではないですが、”ビジネス的しゃべり方”で、
「結論から言うと」を冒頭にもってきて話す、というのが、流行っていた時期がありました。
意識高い系、仕事できる系の方が「結論から言うとー」と言いながら上司に報告を行っている風景が日常的にありました。
仕事中の話し方の癖は、プライベートにも侵食し、うっかり、
結婚式のスピーチで「結論から言うと、おめでとうございます!」なんて言いかねないな!と想像して一人でウケていました。
そして、2社目は2015年から3年間在籍した、某老舗企業。こちらには、勤続30年の古株社員の方が多く活躍する職場で、50代が最も多かった。こちらでは、昭和感あるビジネス用語が飛び交っていた。
<昭和感あるビジネス用語>
・チャラパー・行ってこい・てれこ・ガラガラポン・ドンズバ・鉛筆なめなめ・夜なべ仕事・手弁当・けつかっちん・花金
たぶん、バブル期に現役だった世代が使用してきたビジネス用語といった感じなのでしょうか。世代の異なる私には「??」なことが多く、なんとなくニュアンスは分かるけれど・・・これまた人に聞いたり検索して理解に努めました。
「夜なべ仕事」は、「24時間働けますか世代」っぽい言葉ですね。昨今の横文字ビジネス用語とは異なるセンスです。
「鉛筆なめなめ」は、もう営業マンで鉛筆を使ってる人自体がほとんど居なくなっている気がしますが、言葉だけが細々と生き続けているという印象。
おそらく、ここに書いた以上のたくさんのビジネス用語が存在し、バブル期のビジネス会話を彩っていたのだろうと思う。
そして、2年の休みを経た2020年から新進気鋭な新しい職場に再就職。こちらでも、やはり英語から派生したビジネス用語が多用されており、ここでも初めて聞くビジネス用語があった。
<最近初めて知ったビジネス用語>
・FYI・スロット・オルタナティブ・DONE・WANT
「FYI」は、友人が言うには、2015年くらいにはすでに、スタンダードだったとのこと。意味は、for your information=ご参考までに
「DONE」も、同様で、以前からスタンダードらしい。意味は、済んだ、完了した、終わった など。
「スロット」は、日程調整の際に「来週以降でスロットで送ってください」みたいな使い方をする。こちらは、友人も聞いたことないというし、ネットにも記載がないので、私の想像になるが、意味は、複数の日程枠・・?という感じでしょうか・・・
***
私がビジネス用語について、最も興味深いと思うのは、
最初にその言葉を発した人、誰? ということです。
ギャル語とか若者言葉もそうですが、いつ、どこで、誰がその言葉を誕生させ、広まっていったのか、確認しようがないけれど、確実に、人から生まれ、人を介して広まり、その言葉との「はじめまして」を誰しもが経験しながら、いつしか当然のようにその言葉を自ら使い、また広めていく。
初めてその言葉を聞いた人からすると「?」であっても、当然のようにビジネス用語は使用される。
「私が知っているのだから、あなたも知ってるでしょ」という感覚なのだろうか。
そして、初めは「?」でも、だんだん、それに代わる言葉で説明するのが面倒になり、ビジネス用語が便利だと感じ、共通言語であるという前提で、会議の場やプレゼンなどでも平気で使用するようにもなる。
あまり行き過ぎると、ルー大柴状態になるので気をつけたいとも思うが、今を生きているからこそ、ビジネス用語を思いっきり使いこなして、言葉の波及に一役買うのも面白い。
言葉は日々生まれ、変化し、消え去っていく。
時代そのものだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた。
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