ひとつもオシャレじゃないのに、友人の専属ファッションアドバイザーになってしまった
「俺、変わりたい」
唯一の男友達がそんな事を言い出し、私が彼の専属ファッションアドバイザーに任命されてしまったのは先月のことだった。
この20数年オシャレとは無縁で生きてきたし、今こうして君の目の前に居るこの服もぜんぜん分からないで纏っているだけの布たちなのですが…。
私はデザインの仕事をしているので、ひびきだけで適任だと思われてしまったらしい。私、デザインしてるっちゃデザインしてるけどパッケージとかだよ…。あなたが食べ物とかだったら、喜んで巻くけども。
でも、友人の決意は硬かった。
メガネの奥のキラキラと輝くつぶらな瞳が、まっすぐこちらを見ていた。
私は頼まれるといやと言えないタイプだ。
友達や近しい人なんかにはとくに。こんなの無下に出来ないじゃん…。だって、あなたは懐いてすり寄ってくる子犬を蹴り飛ばすことが出来ますか…??
「…………やりましょう。」
色々とぐるぐる考えてから、長い沈黙の後承知した。
子犬を蹴ることなんて私には出来ない。
とりあえずチャレンジしてみればいい!
それでダメだったらそん時は別の策を考えましょう。
私はファッション雑誌を中・高・大と10年間書い続けていたが、鼻水を垂らしながら読むたびに「へーオシャレだな〜」と思いつつ、スーパーで買ったピッチピチのジーパンに終わってる英字のTシャツをねじこみ、センスは全く磨かれずにアラサーになってしまった奇跡の人間だ。こんなことなら10年分の雑誌資金をどこかへ寄付すればよかった。
そもそも私は女子校出身だし、メンズはもちろんメンズのファッションなんてものも全くわからない。
ジーンズとTシャツとポロシャツ(うちの父参照)
…それ以外に何かあるの????
なんて事を、期待に満ち溢れた瞳で見つめる彼には言えなかった。
こうして、ファッションセンスゼロのポンコツアドバイザーが爆誕してしまった。(助けて…。)
あなたは致命的な人選をミスしてしまって、今はお互いにファッションセンスがゼロの状態だけど、これも何かの縁と思って、ずっとフワッと避けてきたファッションというものを学んでみようと決めた。
そうと決めたら、ファッションアドバイザー自体がダサくては話にならない!
私は学生時代に買った年代物のゴミみたいな服を大量に所持していたので、とりあえずゴミっぽいなと思うものは全て捨てた。結構クローゼットがスカスカになって、普段私がいかに日々ゴミを身に纏っていたのかがわかった。
あとは色や形も今までは適当に着てたけど、どうやら人にはパーソナルカラーというものがあり、体型ごとに似合う服の形状が違うことなども分かった。
私が薄紫色のワンピースを着ると顔面がドブ色になることもこのパーソナルカラーが関係しているらしい。私のパーソナルカラーは1stがスプリングで2ndがオータムらしい。
季節…???
顔面にも四季があったんだね…???
パフスリーブを着ると砲丸投げ選手やキン肉マン消しゴムみたいになるのも、私が骨格ナチュラルだかららしい。だから、必然的に似た体型のキン肉マンやスーパーサイヤ人達も全員ナチュラルタイプなのかな。
↓そんな気になるあれこれはこちらで診断可能です
(アフェリじゃないので私には一銭も入ってこないよ)
https://baycrews.jp/event/stylecheck/
調べれば調べるほど、
ああ、ふく、むっっっっず〜〜〜……!!
世の中のおしゃれな人たちは、常に私はナチュラルでスプリングなのでこの服が似合うな〜だとか思ってたのかと思うと膝から崩れ落ちそうになった。そんなの全然わからんし、オシャレって第6感なの?
ユニクロとかで、「あっ980円とか安い〜買お!」と試着もせずに購入してた私とは格が違いすぎる。
あっぱれでしかない…。オシャレの民達よ。
そんなわけで、オシャレ力がレベル1(知っただけで0からはちょっとレベルが上がったと思うんだけどどうですかね?)なのにいきなり弟子がついてしまったので、日々勉強しています。勉強したことをすぐに弟子に横流しして、無理くり頑張ったり等しているよ…。
という報告でした。
弟子は、本当にやばいパーティーに加わってしまったね。という感じです。でもビギナーズラックという言葉もあるしね…。奇跡的にオシャレできたら儲けもんみたいなとこある…。
でも、誰かのためでなければ踏み入れることのなかった分野なので、チャンスとして前向きに受け止めたいだとか意識高めのことを呟いて自分を鼓舞しています!!!
アラサーの私は今後ファッションモンスターへと爆進してゆく予定なので、弟子ともどもよろしくお願いいたします。
P S
オシャレな人いたら本当に助けて下さい。(切実)
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