見出し画像

クリエイターとSNS、あるいはウェブ上でのプレゼンス考察

Twitterの改悪が続いて、そのタイミングでメタがThreadsをローンチしてマーク・ザッカーバーグも予想していなかった早期のユーザー獲得と同時に、Twitterのアクティブユーザーが10日間で右肩下がり、という状況にある。

「SNSで存在しないと、実在しないも等しい」などという極端な意見も散見される中で、完全に同意はしないけれど、それらがグローバルに実利ベースで動く中で、完全に否定もできない状況にはなってきている。SNSをやらなければ、という強制的なノリみたいなものは、この世界の生きづらさのひとつだとも思う。そしてそれは日に日に時間と数と量、すなわちトラフィックという点で資本主義の構造に組み込まれ比例するように右肩上がりのグラフを描く。

もちろんそれは個人の職業や生業によるところが大きくて、フリーランスで活動する人や、ネットの収入だけで暮らす人々が中心的なブースターとなっているのだが、何気なくSNSを使う人々、つまりネットに接続している全ての人を強力な養分として、ひとつの大きな生態系を作り上げているように見える。

フォトグラファーの視点から言えば、ビジュアルを扱う人はデジタルデータとして拡散できるためネットとの親和性は高い。写真だけでなく全てのデジタル化できるデータはネットとの親和性が高いと言える。写真、画像、動画、音楽、テキスト。そして、あらゆるものを記録してデジタル化する行為は、卵が先か鶏が先か問題で、アナログなものをキャプチャリングする技術向上に合わせて相乗的に深化を辿っている。

やや話しは逸れるが、それにAIのテクノロジーが乗ってきて生態系は完成に向かう。プロンプトエンジニアリングから自走型への移行は進んでいて、AIはいずれ人間の指示なしに、指示を先読みする形で生活の中に浸透する。まるでSFの話しをしているようだが、実際にユーザーのデータ収集から広告のターゲティングなどはほぼそれに近い形式で自動化の道を辿っていて、検索ボックスでの予測変換からの特定の情報を画面に表示して購買やサービスへ誘導する体験というのは限りなくそれに近い。AIが必要とするのは、物理的で仮想的なサーバーと、電力である。実質AIが自ら動くために必要とするのは電力だけで、その電気を人間またはAIから買うのにはビットコイン、あるいはそれに類するデジタル通貨を利用するようになる。

話を戻そう。なぜこのようなことを考えだしたのか。

そうそう、Threadsが出てきて、SNSが増えることについての煩雑さを考えて、この文章を書き出したのだった。

それぞれのSNSの使い方は多くの人が執拗なくらい教えてくれるが、SNSをどのように利用するか、インターネット上で自分のプレゼンスをどのように確立するか、もっと簡単に言えば、ネット上でどのように活動していったらよいか、についてはあまり教えてくれない

それはもちろん「人によって違うから」というのが大きな理由だと思う。しかしインフルエンサーでなくても、ネット上の立ち回りやSNSの使い方が上手い人が確かにいる。そのような人たちは、一体何を目指して、どこに行こうとしているのか。自分にも何人か、ネット上のメンターとなるような人たちがいて、色々と見てはたまに取り入れたりして、自分のやり方をブラッシュアップさせている。

ミニマリスト的に言えば、今は使えるツールが多すぎることも問題だ。

物理的な身の回りの物を減らすことよりも、ネット上のツールやアプリやデータを断捨離することのほうが難しい時代だ。

だから今回はこのネットの膨大な世界に、自分のマップをいま一度広げてみて、2023年現在のスクリーンショットを撮りつつ、現在地を把握する試み。自分も旅の途中であり、常に思考実験中。ネットで活動している同じようなクリエイターの方々の何かの参考になればという思いで書く。それぞれに関連リンクも貼るので、参照しつつみてもらえると理解しやすいはずだ。

コメント欄もオープンにしておくので、これもっとこうしたほうがいいんじゃねという事があればアドバイスくれると嬉しいです。


個人のウェブサイト

まずは、個人のウェブサイトについて。

いきなりだが、個人ウェブサイト不要論というはもう随分前から持ち上がっている。特にフォトグラファーの場合はインスタグラムだけで必要層にリーチできて、クライアントへの提示もできるので、SNSが個人ウェブサイトを兼ねるという仕組みだ。

ここから先は

7,904字
この記事のみ ¥ 500

いつも応援してくださる皆様に田中常丸は支えられています.本当にありがとうございます.