見出し画像

同じレンズで撮り続けることの利点

単焦点レンズを使い続ければ写真が上手くなる、なんてよく言われる。アシスタントの時は先輩方からよくそのような話を聞いたし、写真雑誌などでもよく同じようなことが書かれていた。

確かに、上手くなりそうな気はする。しかしそれを証明する手立ては無いし、そもそも写真の上手い下手とは一体何なのだろうか。

そしてそのような文脈で語られる時、なぜ決まって単焦点レンズばかりが持ち出されるのだろう。24-70mmのズームレンズではだめなのか?

思えばこれまでも単焦点レンズを好んで使ってきた。シグマのDPシリーズやフジのx100系、そしてGR。コンパクトカメラに至っては、フィルム時代からBigMiniやコンタックスなど単レンズのついたものばかりだったし、デジタルになってもそれは同じだった。

お気に入りだった konica big mini F

さらにM型ライカを使うようになってますますその傾向は強くなった。これはもうカメラの機構的な問題からきている。レンジファインダーはズームレンズを使う前提で設計されていないからだ。

このように考えると、逆にズームレンズの経験がなさすぎる。もちろん仕事では便利上、ズームレンズを使う。むしろズームだけしか使わない撮影もある。しかし、生活というか日常の写真ではズームレンズを全く使わない。なぜか。

このあたりに単焦点への偏愛と執着を感じる。しかしそれには何か理由があるはずなのである。

ここから先は

1,727字 / 1画像
この記事のみ ¥ 300

いつも応援してくださる皆様に田中常丸は支えられています.本当にありがとうございます.