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Gmailのようなフリーメールを仕事で使うと信頼感は損なわれるのか

Google workspace のカスタムメールキャンペーンがよく届く。Googleが企業向けに展開しているクラウドツールのひとつで、@以降に社名など好きなものを使用できる。3ヶ月無料でトライしたらメールアドレスなので変更しづらく、そのまま課金モードに自動的に入るシステム。実にうまくできているなと思う。

そういえば昔、といっても6、7年ほど前だけど、広告上がりのあるベテラン写真家が「Gmailみたいなフリーメールを仕事で使うと信頼感がないので、仕事は来ない」なんて言っていたけど、今やトップのフォトグラファーも発注者もGmailだらけだ。その本人さえ今はGmailを使っているのではないだろうか。カスタムメールは2014年時点で世界で500万社が利用しているので、たぶん今は1000万社をゆうに超えている。その中の60%は米国上場企業の優良企業なので、収益が大きくてうまくいっている会社ほど裏ではグーグルのクラウドサービスを使っていることになる。虎の威を借る狐じゃないけど、公式メールのふりをしたGmailみたいな。

フリーメールを仕事で使うと信頼感が得られないのはもう過去の話しで、逆に昔はサーバーの公式っぽいメアドを使っているくらいで写真家として仕事ができたということだろうか。先のベテラン写真家のエピソードははったりが通用していた業界のシステムが終わり始めた象徴のようなものかもしれない。コネや人脈は未だあるにせよ良くも悪くも実力とアウトプットが全てで、アナリティクスやアルゴリズムに解析され、フォロワーなど全てが数値化されて世界中のクリエーターがフラットに並べられる世界。フリーのメールを使っているかどうかは、仕事の受注に全くと言っていいほど関係がない。

業界の既得権と構造を目の前で見ながら、これがいつ崩れるんだろうかと思っているうちに、あ今崩れたみたいな渦中の日々を過ごしている。それでも撮るという自分に根ざした行為には変容がない。荒木さんの言うような「撮って見ることによってしか生きること」ができない。もっと言えば、撮って見ていれば生きられる。少なくとも写真家として。

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