なぜ民俗学が好きなのか①
本当に一番最初のきっかけ
子どもの頃、好きだった音楽を覚えているだろうか。
もう本当に小さい時なら、アンパンマンとか当時放映されていた子供向けアニメの曲になるかもしれないけれど、そこまで昔の話ではなくてある程度音楽を意識して聞くようになった年齢の話。
私の場合は、『八木節』という関東では盆踊りの時によく聞くあの曲だった。テレビで流れるJ-POPよりも洋楽よりも『八木節』が好きだった。
好きになる時なんて理由付きで好きになるわけじゃないので特に理由はないけれど、私はこの『八木節』を聴いたときに浮かぶ昔の人々が楽しそうに食事をしたり、雑談をしたりしている姿がたまらなく好きだったのである。
きっかけではあるものの今でもその感覚は変わらず、得意げに神社の画像をトップに持ってきたりしてみたものの一番好きなものは実は神社ではなかったりする。
中学校に入学する
そりゃ皆、小学校卒業したら中学校入るよねという感じのタイトルだが言いたいのはそこではない。
実は私が住んでいたのは俗に言う多摩地域だったのだが、小学校は多くの人がそうであったように家からそう遠くない場所にあった。
しかし、中学校は家から電車で一時間も離れていたのだ!
いや、都市圏に住んでいればそんなに珍しくないことかもしれない。でも、満員電車に乗るというのは今でもそうだが、私がこの世で最も憎む物の一つだったのである。
おまけに遊ぶ場所も小学生より街中だから人が多い、人混みも私がこの世で最も憎む物の一つである。
かくして、13歳にしてこの世で最も憎む物に2つも会うことになった私は、この苦しみから逃れるために好きな物を探さなければならなくなった。
中学生になり、小学生の時よりも多くの本や映画などの創作物に触れることになった私が好きな物として選び出したのは田舎と自然であった。
そして、創作物の中には、皆大好き『となりのトトロ』が入っていたこともここに記しておくことにする。
だから、部活はアウトドアをする部活に入ることになったわけだが、それは関係ない話なので今回は割愛する。
田舎でノスタルジーを感じたい
好きな自然は部活で満たせていたが、田舎に対する渇望は満たせていなかった。今になって思えば私の住んでいた地域は東京に初めて来た人が
「え…? 私の聞いてた東京じゃない…」
となってしまうような田舎だったのだが、『となりのトトロ』からノスタルジーを知った私には全然足りない田舎のように感じた。
私が求めていた景色というのは
せめてこんなのであった。いやもっと言えば、
こんなのであった。
しかし、当時の私は自分の知っている範囲の東京にはノスタルジーを感じるような田舎は無いと思ってしまっていたのである。
もっと当時の素直な気持ちで言えばトトロは東京にはいないと思っていたのである。
だいたい話の流れは見えてきたかもしれない。
このノスタルジーを感じさせてくれたのが民俗学だったのである。
②へ続く
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