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17/1260 Self(ワンネス)を体験したときの話

あれはポートランドに越してきたばかりだったから、2013年の冬かな。それまで、アジア人の多いベイエリア、多種多様な人種の街ニューヨーク、トップレベルの有名大学や医療・研究機関に世界中から人々が集まるボストンと移り住んでいた私は、アメリカの中でも白人の街と言われるオレゴン州ポートランドに来て、すでに緊張していた。

夫と一緒にいるときと、そうでないときの、人々の態度の微妙な違いや、私とアジア系の特徴を持った子ども達だけで道端を歩いていたときに通りすがりの車の中から大声でかけたれたからかい?の声、当時ポートランド市内で起きたヘイトクライム〜電車の中でいいがかりをつけられ襲われそうになった若いイスラム系の女性を庇って、男性が2人亡くなった事件〜 などから、自分が英語が不自由なアジア人女性=マイノリティーで部外者 であることを、ヒリヒリと肌に感じながらの新生活だった。しかも、長年その土地に住んでいる日本人の人たちは、すでにできあがった基盤の中で毎日の生活を楽しんでいるようで、新参者の私はその中に入ることもできず、胸の中はキュッと固くなった恐れや孤独感で、それに押し潰されそうな毎日だった。

つながりたいのに、つながれない。

ここでは、私の存在価値はない。話そうと思っても、目さえ合わせてもらえなかったり、挨拶をしても返ってこなかったりで、もうつながろうとトライすること自体、疲れ切っていた。そんな状態だから、家事も手に付かないし、やり方も分からない、集中力も悪く物忘れが激しい、とにかく生きるのがこんなに辛いのなら、消えてしまいたい、

それに加えて線維筋痛症。動悸、息苦しさ。
激痛発作で心筋梗塞を疑われて救急に運ばれたり、何日も寝たきりになったり。

トラウマ症状のオンパレードだ。

そんな中、藁をも掴む思いで入ってみたある自己啓発系のグループで、インナーワークをするという若い男性と知り合った。スカイプでやってくれると聞いて、さっそく申し込む。

彼は何か正式なトレーニングを受けたわけではなかったが、様子からHSPだと思った。彼もかなり生き辛そうだったので、仲間意識が芽生えた。

さて、ワークそのものは、ひたすら自分の中に入っていく、というものだった。以前から分かっていたが、わたしの中には、生命体が乏しかった。人影なんてもちろんなく、中学の頃に繰り返しの夢で見ていた廃墟、蜘蛛の巣、石ころ、がらくた、、、そんなのしか見当たらなかった。この先に、一体何があるというのだろう?

それでも道を見つけて進んでいくようにと指示される。けもの道のような、うっすらとした細いトレースをひたすら進んでいく。

あるところから、道は降って行った。山道のような滑り止めの枕木や石がところどころあるだけ。蜘蛛の巣、蜘蛛。ムカデ。薄暗く細い段々道を降りながら、不安になってくる。
一体どこまで行けばいいのだろう。この先に何があると言うのか?

と、目の前に石が現れた。漆黒のつるつるとした、大きな楕円形の石。でも、そこで行き止まりだ。道幅いっぱいに陣取っていて、その先は見えない。いつの間にか地下に続く穴の中にいた。

それをガイドししてくれている彼に伝えると、それでも進めと言う。

どうやって???

イメージの中でひたすらに進む。いや石の前に自分を押し付けているだけなんだけど。でも何度も何度も。しょせんイメージなのだから、目の前が石でもどこかに突破口はあるはず、と薄らと、人ごとのように思いながら。ただただ進もうとし続ける。そして目の前の石は、ドンドンと拳で叩いても、ウンともスンともしない。

どれだけたったか分からない。とにかくその石の中に入ろうとして、もがき続けた。

さらにドンドンと拳で叩き続けていたとき。急に前のめった気がした。
通過した一瞬だった。

突然、ばああああああぁっっっっっっっっ!!!と広がった。



????!!!!



石の中は無限の宇宙だった。石が壊れたことで、ものすごいスピードで膨張していた。

ビッグ、、、バン、、、、なのか?????!!!!!


と同時に、それは私の体内におさまっていた。


無限の広がりを保つ、私の内側。

急に上半身が猛烈に巡り始めるのを感じた。

血流が。気の巡りが。

胸が、腕が、ぐんぐん暖かくなって、うっすら汗をかくほどだった。


平和だった。すべてが一つだった。ミクロでマクロだった。愛が湧き出ていて、力を感じていて、満たされていた。視野が開けて世界が明るく見えた。

。。。。

ワークが終わったとき、ガイドしてくれた彼も、珍しいバターンだと驚いていて、その時は、わたしは巫女体質だろうと言われた。


良く吹き飛ばされなかったな。。。

そんなことを、ぼんやり思った気がする。




あれが、初めてのワンネスの体験だった。あれが、自分の中のSefl(神の似姿)と外のSelf(神=愛と力)を、初めてまざまざと体感した経験だった。


その後間も無くして、クリーンランゲージ と出会い、IFSへの布石となる。






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