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褒め言葉なんてとても


22歳の夏のこと

お盆のことである。両親は仕事、私は休日で家にいて、お盆法要に来る住職を待っていた。

法事や葬式で何度も会っている人とはいえ、自分一人で対応するのは初めてのことで緊張していた。なんせ結構な人見知りなのだ。ほぼ定刻通りに来られ、数十分で終了。お礼と飲み物を出し、住職は片づけをしながら一息つき言った。

「高校生ですか?」

少々ムッとした。当時私は22歳。しかも高卒で就職したからこれでも社会人歴5年目だったのだ。私が高校生の頃、21歳の友人が「大学生と間違われるのが嫌。もう社会人で働いてるのに!!」と怒っていたが、これはそれどころではない。否定しようと口を開く。

私「いや、社k…」

住職「え!?中学生!!??」

言葉を失った。丸3秒は時が止まった。

やっとの思いで言いかけたセリフを言い直す私はまだ放心状態から抜け出せずにいた。何と返されたのかもう覚えていないが、とにかく謝ることはなく何事もなかったかのように帰っていった。

一人になって長い間呆然としていたように思う。


周囲の反応

この話をすると相手の反応はいつも決まっている。

「それは褒め言葉じゃないの?若く見えたってことでしょ?」

確かに実年齢より若く見られた事には違いない。けどな、例えばの話、

30歳の女性が23歳と言われるのと、
40歳の女性が20歳と言われるのは同じじゃないだろ?

馬鹿にされたと思ったんだ。悪意はなくとも。

「綺麗だから実際より若く見えた」、のではない。

「22歳の《女性》」ではなく中学生。
「子供」として見られた!!

「女性」としても「大人」としても「社会人」としても見てくれなかった!!

客観的にみたら全然何てことないのかもしれない。

それぐらいの年齢なら子供と間違われても仕方ないのかもしれない。

私の反応が過剰で被害妄想なのかもしれない。

けどそれにしたって「中学生」!!
ひと回りちかくも下。


時間が経つにつれだんだん怒りで煮えくり返ってきた。

この当時の私はメイクはしておらず(仕事の時もファンデをぐりぐり塗って眉をアイブロウペンシルでざっと描く程度でろくに研究していなかった)、しかも服は色褪せたTシャツとよれたハーフパンツに素足…。あーこれじゃ「女性」と見られないのも無理はないか?と、頭を抱えながらも決意する。

絶対に次会った時見返してやる!!次も年齢か、何かしら見た目のこと聞かれたら「去年、私のこと中学生って言ったんですよウフフ」って笑ってやる…!!と。

そうしてメイク研究を始め、ファッション研究を再開し、ヘアケアとダイエットに燃えるのであった。

甲斐あってその年の冬には恋人が出来たが、それはまた別の機会に。

まとめ

つまり何が言いたかったかっていうと、私は傷付き怒り狂っているのに、知人友人は私の気持ちに同意だったり寄り添ってくれずに、私のフォローのつもりで結局皆 住職のフォローに回ったのがものすごく嫌だったということ。

それと、たとえ相手に悪意はなくても侮辱されたらその場で言い返すべきだったということ。笑ってへらへらしてちゃ自分が可哀想だし、今後また同じようなことを言われる女性がいると辛いから未然に防ぐ為にも言い返すべきだったよ。



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