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2022.11.30 音楽と思春期の思い出


もう11月も終わるのに、蒸し暑い朝だ
きっと明日には冬将軍を引き連れて
このつかの間の暖かさは消えるんだろーな

やけに頭が冴えて、
この時間にしてはとてもポジティブだなと思ったら
薬を飲むのを忘れていた
通りでルネスタの苦い味が口の中でしないわけだ

折角だから、このまま頭が幸せなまま寝てしまいたくて
懐かしい音楽を聴いた
私の中には、宝物のように大切にしまってある曲が
いくつかある
普段はあんまり手をつけないけど、
たまに飲むお酒みたいに
幸せでほんのり酔っ払いたくなる時に聴く曲

その曲たちを再生するだけで、
当時聴き込んでいた時の部屋の匂いや、
太陽の眩しさ、
教室のほこりっぽさや、
昼間なのにカーテンを締め切ったまま
体を絡めあった時の汗のべたつきなんかを
鮮明に思い出すから、
音楽って凄い
匂いも記憶の1番近い部分に働くというけれど、
音楽も記憶に近い部分に働く気がする


病気になりたての時、
私は高校1年生で
学校に行く事はこの世で1番辛いことだった
頭は痛くなるし、涙は勝手に出るし、
胸が走った後みたいにズキズキ痛くて
家を出るのも辛かった

それでも、単位を落とすギリギリだった私は
1年生だけでもいいから単位を取りなさい、と
親に言われていたし、
学校とも約束していたので
泣いても喚いても
どうしても行かなきゃならない時があった

昼ごはんを食べた後
のんびりと静かな田舎の道を歩き、
誰もいない無人駅で、
1人で1時間に一本の電車を待った
これから学校に行くのだ思うと、
たまらなく苦しくなった
そんな時、私は小さな音楽プレイヤーを再生して
音楽を頭に流し込んだ

ギターの音が複雑にからんで
私の大好きな声が聞こえてくると
ほんの少しだけ、固まった体が柔らかくなって
足が動いた
学校の近くの坂は1番嫌いだったけど、
太陽が低い冬の午後、
光の眩しさに目を細めつつ
夢見心地で私は歩いていた
音楽を止めて、教室に入ったら
そこには辛い現実が待っていることは知っていたけど
音楽に身を任せる瞬間だけは、私は幸せでいられた
あの光の中聴いた曲たちは
今も私の頭の中でキラキラと輝いている

眠れない夜、
私は慣れない薬の副作用で完全に飛んでいて
腹筋を300回してみたり
真冬のベランダで2時間も月を眺めたり、
踊ったり歌ったりしていた
(そのせいもあり、ご近所さんからは〇〇さん家の子、変になっちゃったよね…と噂された)
(田舎なのでそういうのはすぐに広まりますのよ)
その時にも、常にイヤホンはしていて
音楽は欠かせなかった
周りには迷惑だっただろうけど、
辛く厳しい家から出られない私が
自分なりに見つけた「自分だけの時間」だった

♪15.16.17と私の人生暗かった し
(23くらいまでは本当に暗かった)
ほぼ寝たきりだった私の思春期、
唯一の明るい思い出が
音楽に没頭したことだったから、
思春期に聴き込んだアーティストさん方全員に
感謝している
感謝してもしきれない
生きないと感謝出来ないし、
応援も出来ないので
私はとりあえず、今日も生きる

まぁそんな事をつらつら書きつつ
今日はせめて怖くない夢を見ないように
宝物たちを頭に流し込んで眠ります
目が覚めた時、しんどくないといいな

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