ニッポンの洋食が好きなんです。
4月になりましたね。おかげさまで“トケイヤkitchenおもてなし”も新年度を迎えることができました。2021年9月にあらたにスタートして以来、たくさんのかたに読んでいただけてとても嬉しく思っています。
新年度を迎えたところで、あらためて振り返ると、記事って自分の好みが出ますね。それは当たり前のことで、興味があるから記事が書けるわけで、興味があるからそれが続けられるんですよね。
🍽“大好きな洋食”とは
その興味…というのは料理なわけですが、中でも何度かお話ししたとおり“洋食”が好きです。
洋食というと、和食、中華に対しての総称としては、フレンチもイタリアンも洋食で、それももちろん大好きです。
でも、ここでいう“大好きな洋食”は毎日食べても飽きが来なくて、家で作るときもそんなに身がまえなくてよくて…そうそんなフレンチやイタリアンをベースに日本でアレンジされた洋食屋さんの洋食なんです。
今回はそんな“ニッポンの洋食”を調理法などで個人的に分類して、そしてあらためて好きなポイントを振り返ってみました。
🔥焼く
焼くという調理法はもちろん洋食に限ったものではなく、和食でも焼魚があったり、中華でも炒め物があったりしますが、それらは加熱する調理方法の中では基本的なもので、比較的手軽なものです。
でも洋食の焼くはちょっと特別な花形調理法のひとつだと思います。
ハンバーグなんてもうドキドキキワクワクのエースですよね。
🔥揚げる
揚げるという調理法はちょっと特殊で、フレンチやイタリアンだと多めの油で揚げ焼きにすることはあっても、和食の天ぷらや日本の洋食のフライのような、いわゆる“ディープフライ”はないように思います。
でも洋食のフライは花形。トンカツ、ビフカツ、コロッケ、エビフライ、カキフライ、メンチカツ、イカフライ、アジフライ…もういくらでもメニュー名が出てきます。
🍲煮込む
いわゆる“煮込み”はフレンチでも定番。でもフレンチの“牛肉の赤ワイン煮込み”が洋食だと“ビーフシチュー”と呼びたくなりますよね。
ちょっとした言葉の魔術かもしれませんが、シチューと呼ぶと急に親しみがわいてくる気がします。
🍝スパゲティ
これもイタリアンで麺類を総称するパスタとは別物で、“スパゲッティ”と呼ぶと、突然親しみがわいてきます。
そしてアレンジも自由自在。ケチャップ炒めのナポリタンも、煮込んだソースをかけたミートソースも、たらこスパにきのこスパ、醤油ベースの味付けも“ニッポンの洋食”の魅力です。
🍚ライスもの
スパゲティと違い、ご飯を使ったメイン料理はまさに日本の洋食です。
ケチャップで炒めたチキンライス。
卵で包めばもちろんオムライスです。子供も大人も大好きなメニューですよね。彩りもきれいです。
デミグラスソースの味を楽しむハヤシライス。
洋食の3大ライスといえばオムライスとハヤシライス、そしてあれですよね。
洋食のごはんもののエース級はやっぱりカレーライス。
スパイスカレーとかスープカレーとか、本格的なインドカレーとかいろいろありますが、洋食スタイルはいわゆる“欧風カレー”というジャンルですね。
🥗生野菜
ハンバーグとか肉料理を食べるときに思うのですが、付け合わせに生野菜がついていると“洋食屋さん度数”がアップする気がします。
そこに盛り付けのお皿という要素を重ねると、そのお店のルーツがわかるような気がするんですよね。
付け合わせ×お皿
1.生野菜×白い丸皿orシルバープレート → 洋食屋さん
2.温野菜×白い丸皿 → フレンチ寄り
3.温野菜(ミックスベジタブル)×鉄板 → ステーキハウス
洋食屋さんの生野菜の魅力は、そのお店ごとの味を楽しめるドレッシングだったりもします。ドレッシングの味でそのお店のお気に入り度が揚がったりするんですよね。
↓(好きすぎてドレッシングを作ってしまったお話)
🍽洋なの? 和なの?
“ニッポンの洋食”ならではの魅力的なオリジナルメニュー。
それが洋食の調理法で和の調味料を使った…的なメニューかなと思います。
そもそもフレンチやイタリアンを日本人の好みにアレンジしたのが洋食だとしたら、調味料に醤油やみりんが使われるのも当然のことで、でもそこにバターは加えてたり、出汁はコンソメだったり、純然たる和食ではない洋の要素が加わったひと皿は日本生まれの洋食ならでは。
たとえばしょうが焼きはその代表。洋食屋さんのエースなのに、和定食のお店やお蕎麦屋さんでも定番の不思議なひと皿ですよね。
チキン南蛮もそうですね。マヨネーズ、ピクルスのタルタルソースがポイントなのに、メインの鶏肉は甘酢醤油のタレをくぐらせるところが、和洋混在のニッポンの洋食です。
🔥炒める
洋食屋さんのメニューにはいわゆる“焼く”のアレンジ的な感じの“炒める”というスタイルが多い気がします。
フレンチだとフライパンで加熱する調理法はある程度厚みのあるお肉を焼くイメージですが、ニッポンの洋食だと、ポークソテーのような厚切りを焼くスタイルだけではありません。
こういう感じで薄切り肉と野菜を一緒に加熱する“炒め物”的な料理も多いですよね。
🍽盛り合わせ
そして洋食屋さんのの最大の魅力…私を吸い寄せる魔力…それが盛り合わせです。
フレンチのコーススタイルの料理だと、メインの料理に付け合わせは添えられていますが、メイン級の料理が2種類以上ひとつのお皿に盛り合わせられていることってないですよね。
魚料理は魚料理のひと皿として完成していて、肉料理は肉料理です。
でも洋食の世界では盛り合わせスタイルは定番で、しかも人気のエース級です。
たとえば、カキフライとエビフライ。
焼肉とチキンフリッター(オーロラソース)
ハンバーグとビーフシチュー(目玉焼きトッピングも定番ですよね)
ビーフステーキとコロッケ。ハムとゆで卵を添えたサラダも洋食の魅力です。
ビーフシチューにエビフライ。しかもタルタルソース添え。
チキンカツにビーフシチュー。シチューのソースがカツにデミグラスな感じでからんで、洋食屋さん度数倍増しです。
オムライスと焼肉。
焼肉と呼んでしまうと洋食っぽくないかもしれませんが、こういう薄切り肉のソテーは洋食屋さんのランチのエースだったりすると思います。
🍽親しみやすいから好きなんです
こうして見てみると“洋食”の魅力は、ベースになった西洋料理の敷居を下げるために、日本の食文化とミックスしてきたことにあると思います。
たとえば、
・お箸で食べられる
・醤油も使う(でもバターも合わせる)
・ご飯に合う(でもパンも選べる)
などなど、西洋料理をお高いものではなく、ちょっと珍しいけれどおうちでも作れる料理に進化させたもの…それが“ニッポンの洋食”だと思うんです。
親しみがあって、家でも作れて、いつでも食べられる、西洋の料理。
そんな“洋食”がやっぱり大好きです。
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