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新任紹介/早船健一郎 【道具としてのアニメーション、「使える」人に】

2023年4月に本学に着任いたしました、早船健一郎です。
まず、以下の映像をご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=0DwUYs_ABT8

https://www.youtube.com/watch?v=t0pEdqKCRi4

これらは大成建設のCMです。

大成建設は本学建学の祖である大倉喜八郎氏が創立した建設会社です。
スタッフは、いま話題の新海誠さんです。新海誠さんは「大学生や高校生に大成建設というのはこういう人が働いているんだよ」というメッセージを伝えて、仕事を通じての自己実現を表現したかったと述べています。

商品を売るためと思われがちなCMで、大成建設の目指す「地図に残る仕事」という理念を伝えること、働くことで自分の人生の課題を乗り越えていくというメッセージを多くの方に届けることに成功しています。

このようにアニメーションは、メディアのツールとして今後一層活用されることが予想されます。みなさんが、社会で活躍されるころには、さらにその傾向は強まっているかもしれません。

みなさんが社会に出て、広告・広報などの手段としてアニメーション活用する道筋を案内するのが私の役割だと考えています。私は、主に、さくらももこさん原作の「コジコジ」「ちびまる子ちゃん」などのプロデューサーを務めてまいりました。

その他、企業CMはもとより、警察庁の広報のアニメーション、天皇陛下の植樹祭の会場での展示映像アニメーションなどの実務経験を通じて得た知見を皆さんにお伝えしたいと考えています。

また、これは良い例ではありませんが、第二次世界大戦中にウォルトディズニーは「空軍力の勝利」というアニメーションで、当時の大鑑巨砲中心の戦術から航空戦力を活用する戦術の有用性を訴えて、ルーズベルト大統領の政策に影響を与えたという歴史的事実があります。

このように、アニメーションは広告・広報を超えてプロパガンダの手段にもなりうるということなども、お伝えできればと思っています。

海外安全対策アニメーション(警察協会)

冒頭のサムネイル画像にある写真は、警察協会の海外安全対策アニメーションのパッケージです。海外と日本で「安全」というものの考え方が全く異なることを、架空の街「TOKYO」での事件を通じて、わかりやすく伝えようとしたアニメーションです。ストーリーを紹介しましょう。

某国情報機関が、日本経済躍進の秘密を探ろうと、東京と同じ街(偽の東京)をつくり、その街に日本人を連れてきて行動を観察することを考える。
偽の東京に連れてこられた商社マン岡村は、上司より外国人の接待を命じられ、ゴルフ、ヨット、野球観戦と接待を行う。しかし、ゴルフ場では危険な所に柵がなく、無理なショットをして崖から落ちてしまう。ヨットでは、天候が悪化しそうなのに、出航禁止の看板が立っていなかったために出航し、荒天のなか転覆してしまう…等数々のトラブルに巻き込まれてしまう。
この(偽の東京)は、某国情報機関が本物の東京と寸分違わぬようにつくったつもりであったが、ただ一つ、自分の身は自分で守るという「安全」についての考え方が、日本と全く異なっていたのである。

一つの思想や、メッセージをわかりやすく伝えることが可能なメディアとしてのアニメーションの役割を、みなさんと一緒に学べればと考えています。


(早船健一郎)


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