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再生医療×リハビリテーション

みなさん、こんにちは!
relief 作業療法士 平松です。

先日、【再生医療】と【リハビリテーション】を合わせた治療を提供している医療施設へ見学させて頂いたので、その時に感じたことをお伝えしていきたいと思います。

1.リハビリテーション領域での再生医療

最初に、再生医療に用いられる細胞は…

などの幹細胞が用いられているそうです。

現在、リハビリテーション領域の再生医療では【間葉系幹細胞】を用いた医療が普及している様子です。
札幌医科大学付属病院では既に、保険診療内で再生医療が受けるようになっていますが、基本的に多くは自由診療として提供しているところがほとんどです。
よければ、札幌医科大学付属病院の再生医療の内容も添付しておくので、見てみてください。

今回は現在、脊髄損傷や脳卒中後後遺症にで多く用いられている間葉系幹細胞についてお伝えしていきます。

2.間葉系幹細胞(MSC)とは?

間葉系幹細胞(MSC)は、骨や脂肪、筋肉といった中胚葉系の細胞だけではなく、内臓組織などの内胚葉系、神経などの外胚葉系の細胞にも分化できる能力があるといわれています。

その間葉系幹細胞は大きく二つに分類されます。

それぞれには特徴があるといわれています。

【骨髄由来幹細胞】
●腸骨などから骨髄を採取
● 研究の歴史が古く、神経再生医療への人における臨床効果の研究報告が多い
● 神経再生能力が高い
● 神経細胞へ分化する
● 脳卒中、脊髄損傷など再生医療の治療効果が期待できる

【脂肪由来幹細胞】
●腹部の脂肪から採取
● 幹細胞の含有率が高い
● 増殖率(培養し易さ)が高い
● 骨・軟骨・血管へ分化する
● 幹細胞の採取が容易
● 変形性関節症やアンチエイジングなど再生医療への応用が期待できる

などの特徴があります。

3.骨髄由来幹細胞での再生医療について

実際に私が見学させて頂いた、骨髄由来幹細胞を用いた再生医療についてお伝えしていきます。

私が見学した治療方法は…

を組み合わせた内容となっていました。
なぜ、骨髄由来幹細胞点滴中・点滴後にリハビリテーションを実施するかというと、以下の効果を期待しています。

【骨髄由来幹細胞点滴】
患者様ご自身の体内にある骨髄から骨髄液を採取し、その骨髄液の中にある幹細胞を培養して大量に幹細胞を増やし、患者様の身体に点滴投与していく治療方法

【幹細胞点滴と点滴中・点滴後リハビリテーションの効果】
●慢性期重度脊髄損傷モデルマウスに対して、細胞移植+リハビリ併用群、細胞移植単独群、リハビリ単独群、対象群の四群を比較検討した研究。移植細胞の生着率についてはリハビリの有無で差はなく、移植単独でも脊髄の伝導性や歩行中枢を活性化させる効果を認め、リハビリ単独群においても運動コントロールの改善という効果を認めた。しかし、細胞移植とリハビリ併用群では、神経細胞へ分化する神経幹細胞の割合の増加、腰部脊髄の歩行中枢で新しい神経線維やシナプスの増加といった神経回路の強化を認めたと報告
(慶應義塾大学医学部プレスリリース 2016.8.3)
●患側左手の運動時には、fMRIにて損傷部周囲(右頭頂葉)の血流の増加。
損傷部位とは反対の左脳(一次運動野から運動前野,補足運動野)の血流の増加が広範に認められました(加藤宏之.,脳循環代謝 16:290 ~ 294, 2004)

このような研究を基に、リハビリ中は脳血流が増加することに加え、
幹細胞点滴により、幹細胞や幹細胞が出すサイトカインを集めることができるため、より脳の可塑性を促進する可能性があると考えて、幹細胞点滴中・点滴後のリハビリテーションを提供していました。

実際に培養した冷凍してある患者様の細胞を、適切な温度で解凍・攪拌し、生理食塩水に混合して点滴を準備する場面も、ドクターやスタッフさんの協力もあり、見学させて頂くことができました。本当に貴重な経験を頂き、感謝いたします。

4.再生医療×リハビリテーションの現場での雑感

ここからは再生医療×リハビリテーションの現場で私が感じたことを率直にお伝えしていこうと思います。

率直に感じたこと書いていきますので、ここからは有料にさせて頂きますので、再生医療×リハビリテーションについて知りたい方はこの記事を購入して頂けたらと思います。

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