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脳卒中後上肢麻痺介入の考え方

こんばんわ。
みなさま、本日もお仕事お疲れ様です。

二日後に迫りました、東海BiNI研究会主催オンラインセミナーセミナー
【前庭脊髄路から紐解く~姿勢・歩行~】
ですが、既に18名の方からお申込みを頂きました。
興味をお持ちの方は当日のセミナー開始前までにこちらのnoteをご購入頂ければ参加可能ですので、よろしければ是非♪


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現在関わらせている対象者さまの経過
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僕が今担当させて頂いている脳出血により重度の右麻痺を呈された方ですが…

Fugl-Meyer Assessment(FMA)上肢項目の評価の結果でいうと…

✔ 入院時:1/66点
✔ 1カ月後:15/66点

となりました。

前回お伝えしたように、FMAはMCID(臨床上意味のある最小重要変化量)が5.2~6.6点とされており、MCIDをこえる変化を得られている状況です。

しかし…

【FMAでの麻痺の重症度分類】
✔ 重度麻痺:0-18点以下
✔ 中等度麻痺:19-47点
✔ 軽度麻痺‐正常:48点以上

とされており、まだ重度麻痺に分類される状況であり…
Motor Activity Log(MAL):麻痺手の生活での使用頻度や質の評価
では0点という状況であり、生活での麻痺手の使用には至っておりません。

なので、現在のところ可能性としていえることは…

✔ BiNI Approach(自己組織化アプローチ)
✔ 川平法(促通反復療法)
✔ 電気刺激療法
✔ 課題指向型訓練

を組み合わせた介入において麻痺手の機能回復につながる可能性がある。
が、麻痺手の生活での使用には至っていない…

ということになります。

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上肢介入の考え方
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あくまで個人的によく上肢介入するにあたり考える上で参考にするのが…

画像1

大脳皮質・脳幹-脊髄による姿勢と歩行の制御機構 高草木薫 より引用

こちらの図になります。
簡単に説明すると…

左側の図が【腹内側系 】と呼ばれる下行路のことであり、姿勢や歩行を担っているとされています。図のように腹内側系の下行路は青色のエリアの筋群の調整を主に行っており、上肢に置き換えると…

✔ 主に肩関節の動きを調整
✔ 上肢操作に伴う姿勢保持の調整

をしてくれているということになります。なので、上肢操作時に必要な土台となる体幹や肩甲帯周囲などの安定・支持機構を担ってくれています。

右側の図が【背外側系】と呼ばれる下行路のことであり、巧緻運動・精緻運動を担っているとされています。図のように背外側系の下行路は赤色のエリアの筋群の調整を主に行っており、上肢の置き換えると…

✔ 主に手関節や手指の動きを調整
✔ つまみや握りなどの巧緻運動の調整

をしてくれているということになります。

なので上肢介入を行う中で、対象者の方は主にどちらの動作が上手に行えていないのか、課題を抱えているのかを捉えて、どちらの下行路に働きかけていくことが重要なのかを見極めていく必要があるかと考えます。

また、普段私がどのように考えたり、評価したりしているかは7月17日(金)に【自己組織化アプローチが脳卒中後上肢麻痺に与える影響】というタイトルでオンラインセミナーを行う予定であり、そちらで細かくお伝えできたらと考えています。

では、また。

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