"OT Show" - エキスポ。
"OT Show"というのに初めて行ってきた。
いわゆるエキスポで、どうやら毎年開催されているらしい。
場所はNECというバーミンガム空港近くにある広大なエキシビションホールの一角。
朝の渋滞に軽くもまれて通常なら40分弱で到着するところ1時間半かかったが、まあ想定範囲内。
駐車場からは、OTらしき人の匂いにフラフラとついて行ったら無事に会場についた。これもまあ予定通り。
駅のチケット売り場のような受付で名札をもらい、ホールの入口で「ピッ」と名札に付いたバーコードを読まれて会場に入ると、そこには福祉機器/用具の展示やらポスターやら講演会場やらが所狭しと並んでいた。
あてもなく取りあえずブースからブースへと歩いてみる。
興味があるところを覗いて少し話をするたびに、そこの担当者に「ピッ」とバーコードを読まれる。
何か吸い取られているような気がするようなしないような、個人情報を垂れ流しする自分をからかいながらウロウロ彷徨う。
人も多い。
みんなOT仲間がいていいな〜、と思っていたら、私の所属するエージェンシーのブースを見つけた。
いた。
担当者の名前を告げたら、振り返った奴がいた。
二年間声しか知らなかったハリーの顔を初めて見た。ハリーは、思っていたよりも中堅っぽく、思いのほかフレンドリーにハグして私を迎え入れてくれた。
君は僕のお気に入りだから、と、ハリーの同僚に紹介してくれ、サクサクと営業会話を続けるハリー。
ブースに設置されていたピック&ミックスのスィーティーを、私の好みを聞きながら気前よく紙の袋に入れて持たせてくれた。
会社のロゴの入ったボールペンも3本、エコバックに投げ込まれる。
ちょっとだけ現状報告。ハリーによると、結構な人数がカウンシルを辞めているのだそうだ。
そうだろう。カウンシル業務は永遠に続く行列の先頭に立って毎日仕事をこなしている。
マネージャー達は部下にプレッシャーをかけることに余念がない。
サービスは基本無料提供なので、利用者も自分が受けられるはずのサービスへの権利を必死に主張する。
しかし、おそらく最大の難関はリモートワークだろう。コロナ禍を過ぎて、今は対面のトレーニングが復活してきているようではあるが、
その他の場面でラップトップを通して頻繁に誰かを捕まえるのにはどうしても気が引けるし、仕事をすることで何が良いって友達ができることだが、そんな機会もほぼほぼ訪れない。
私は今でもよそに移ったほうが良いんじゃないかとしょっちゅう思う。
ハリーにも他の仕事場があったら移りたいと頼んだこともある…
と、思いがけずハリーからの情報を聞いて、普段の職場のストレスをフツフツと思い出してしまった。
さて、エキスポで会ったハリーは、
もしOTの登録をしたら、すぐさま他の仕事を探してあげるよ、軽く言った。
私も軽く返事をして半分だけ信じた。
はい、これ持って。
と、お土産バッグを渡されて、「ピッ」。
二度目のハグをしてポンと追い出された。
そうだ、ハリーはそういうやつだ。
何もどこも悪くはないがそういうやつだ。
私の不動のエンジェルエージェントに送りだされ、次に行くあてを探す。
お、もう一つ、知り合いがいる業者のブースを見つけた。
ハグでお互いを励ます。
その他、日頃使っている業者さんも沢山いて曖昧だったところの情報も聞けた。
講演も二、三聞いて、カウンシル以外のOTがどんなことをしているのか少しだけ覗けた。
OTだけでなくてマッサージ士とか理学療法士も来ているようだった。
もし興味があったら、是非Facebookで#OTweekを検索してほしい。
そこで見られるOTは日本と変わらずやっぱり専門的でしかも創造的な、幅の広い職業だ。
普段の市役所業務でカツカツに仕事をしていると、OTが評価ばかりの面白くない仕事のように思えてくるが、やっぱりOTの本質はどこも変わらないようだ。
5時間くらいの短めな滞在だったが、エキスポ、満喫。
予定通り、また1時間半の道のりを運転し、家に帰った。
日本でOTをしていた頃はやっぱり研修やら学会やらに頻繁に行っていた。
今回のエキスポ、そしてFacebookのOT達を見て、自分がどんだけ狭い範囲でもがいていたかということもわかったし、
とにかく職場外の人との交流を持つことで、かなり気分転換になった良い1日だった。
また行ってみようと思う、今度はできれば友達と一緒に。きっと楽しいだろうなあ。