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「毎日何をして過ごしているの?」と聞かれて暗闇の扉が開いてしまった話し

キャリアデザイン・ビジネスコーチの村田 史子です。

転勤族の夫と結婚して22年。
夫は単身赴任中で普段は高校生と小学生の子どもと3人で暮らしてます。

転勤生活でいろんな感情と向き合ってきました。
ひょんなことから、転勤族の妻たちのコミュニティを立ち上げたり運営したりすることになり、その経験から転勤するたび新たな土地でコミュニティ活動することがライフワークとなって・・・17年になりました(ビックリ!)

振り返ればいろんな思いを巡らせて、向き合いながら今にたどり着いている。
ちょっと立ち止まってしまった人に、なにか一つでも誰かの励みになるようなことが残せたらいいなと思ってnoteに綴っています。


人ってね、たった一言で、自分の存在理由がわからなくなってしまい、
自分ってなにものだろう?って無力感にとらわれちゃうんですよ。

そんな威力をもった一言を私が投げかけられたのは、
久しぶりに友人たちとの飲み会に行く時の電車の中でした。

同じ道程の子と待ち合わせて、電車で向かいながら近況を報告しあっていたフツーの会話の時、友人が私に向かって

「毎日何して過ごしてるの?」
って聞いたんですよ。

もうね、答えようがなく、自分を守るために出てきた言葉は

「息してる」でした

皆さんならなんと答えますか?

この時私は結婚して専業主婦をしていたんですね。

共働き世帯と専業主婦世帯が逆転した頃、そんな珍しい事でもなかった時代ではあるんだけど、まだ子供もいなかったからヒマをもてあましているように見えたのかもしれない。

その時の私には「毎日何しているの?(子どももいないのに)」
と後ろに聞こえない声も一緒に聞こえたんだよね。

「いまの私は子どもがいなければ、社会的に役立たずと思われるんだ」

相手からしたら本当に何気ない一言なんだろうけど、
(いや、若干の意地悪はあったのかもしれない)

私には自分の存在価値がなくなったと暗闇に続く扉を開ける言葉だった。


仕事合間に日課になっているSNSチェックをしていた時に、
Facebookフィードに東洋経済の記事が流れてきたんです。

妻の転勤帯同で「主夫になった夫」が味わった窮地 夢のアメリカ生活のはずが「闇落ち」寸前に… | ほしいのは「つかれない家族」 - 東洋経済オンライン


その記事のキャプチャに描かれた漫画のセリフは、
「今ってどういう一日を過ごしてるんですか?」

みた瞬間、その時の感情がぐわぁ〜と蘇ってきたんですよね。

それから、どうしてあの時、そんなに辛い一言になったのだろうと、この

「毎日何して過ごしてるの?」

に向き合ってみました。


その時の自分の置かれた状況や、状態を思い出してみると
いろんなことが交差してとっても複雑な心の状態だったなと思う。
(書ききれないくらい)

シンプルに考えてみて、たどり着いた一つの想いは、

「何もない私を認めて欲しい、
 何もない自分を認めたい」

だったのかもしれないなと思ったのです。

私は何を毎日しているのだろう。
人に認めてもらう何かできているのかな。
できてなくても、私は生きてるし認めてもらいたい
自分が認められないのって苦しいわ。

から、出てきた言葉が
「息しているの」だった。

その時の友人は、
ハッとして、気まずそうな顔で、話題を変えた。

私はこれで自分を守れる。
そう思ったのを覚えている。


この頃はこの言葉で、人との距離を取ろうとしてたんだけど、

「何もない私を認めて欲しい、
 何もない自分を認めたい」

を満たしてくれたのも、
人との関わりでした。

自分の存在価値を取り戻すため再就職をし、転職をしながら転勤生活をして、居場所も収入も得られた。

でも、「何もない私」でいいんだと本気で思わせてくれたのは、仕事でも収入でもなかったんですよ。


仕事があれば自分の存在意義が担保されて、
私は自分を認めていける。

と思いながら、新しい土地に行くたびに転職をしていました。
でも、私を満足させるのは仕事だけではなかったんですよね。

ある土地に転勤した時、今までの専門知識を評価され入社したら、そこは元々女性は結婚したら家に入るものという風土があり、結婚した女性が途中入社してくるというのはとても珍しい事だったんだと思う。

私は明らかに浮いていた。

毎日仕事に行き、人と会っているのに
“あぁ一人だ“
と思うことが増えて、会社の中にいても孤独だったんだ。

その前の職場では、PJで動いていたし、毎日終電くらいの忙しい毎日だったけど、プライベートのこともざっくばらんに話ができる人間関係が作れたから、とっても楽しい時間だった。

そんなちょっと前の充実した時間を思い出しては、うまく人間関係が作れない自分に落ち込んでいたんだよね。

今振り返っても、この時が人生一番の“孤独”を感じた時。
仕事に行くのも嫌になるし、仕事のミスは増えるし、本当に悪循環。

電気もつけずに、真っ暗な家の中でいじけている時に帰宅した夫はさぞかし恐ろしかっただろうね笑

“同じように孤独な転勤族の妻たちはたくさんいるんじゃない?“

ある人の言葉から私は転勤族の妻たちのコミュニティを立ち上げることに。
私は人とつながることを望んでいたんだな。


本当に人が集まるのか?と思っていたけど、
10人を超える人たちが集まってくれて、

「自分たちも寂しかった」
「こんな風に話がしたかった」
「この場を作ってくれてありがとう」

そんな言葉が「何もない私」でも人と繋がれる、社会と繋がれる、誰かのためになれる。心の奥から熱くなる喜びを感じたんですよね。

私が上手くできなかったこと、感じた孤独、そんな経験も誰かの励みになる。

そこから私は本当の意味で自分を守れるようになったと思うし、

周りの人への優しさを持てるようになったように思う。

些細な一言で自分の存在価値を疑ったり、自分を認められなくなっちゃうことって、どんな人にもあると思うんだよね。
知っておいて欲しい、今のその感情や経験はきっと未来の自分を救ってくれる。

この話を読んで、自分とは関係ない世界だなと思った人もいると思う。
知っておいてくれたら嬉しい、真っ暗闇の扉は些細な一言から開かれることを。


合同会社D theF.toi 代表 村田 史子
トラストコーチング認定シニアコーチ
マザーズコーチング認定シニアティーチャー


私は転勤生活で自分の感情と向き合ってきて、自分と人との心地よい付き合い方を学びとっても楽になりました。そんなエッセンスがギュッと詰まった講座で、転勤生活で振り回されるけど自分の未来を諦めたくない方にお届けしたい。


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