48歳、専業主婦の(再)就職活動記01
私に似合う、素敵なスーツを。
テーパードのパンツスーツは無理だった。
「やめた方がいい。」
他人の服装に頓着しない夫がはっきり言うのだから、相当だったのだろう。
面接は、第一印象が何より大事だ。
顔と身体は今さらどうにも変えられないが、洋服は可能なのだから、諦めるわけにはいかない。
48歳にしてなお、大きく成長し続けているこの身体に似合うリクルートスーツを探すことが、私の面接準備の最難関懸案事項となった。
「40代、レディーススーツ」をネットで探すと、おすすめに表示されるものは、ほとんどが喪服の類。
何日も探して、やっとネットで購入した大きいサイズのパンツスーツ。
これがダメなら、もう、店舗に行って試着してみて買うしかない。
「最初からそうすればいいのに。」
ようやく覚悟を決め、店舗に一緒に行ってくれるように泣きついて頼んだ私に、夫が言った。
私は家計のことを考えて、ネットで安いスーツを探していたんだよ!
数回しか着ることがないかもしれないリクルートスーツに、大金を払うことはできないでしょうが!
そもそも、大きいサイズの40代のリクルートスーツが、店頭に豊富に並んで売っているお店って、いったいどこよ!
いろいろ言いたい言葉は、飲み込んで堪えた。
何とでも言えばいい。
あなたの稼いだお金で買ってやる。
私に似合う、素敵なスーツを。
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