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【特許法】第168条 審判、訴訟手続の中止 〜「イチローは審判に中止求める」

今回は、第168条 審判、訴訟手続の中止です。

■語呂合わせ

168条 審判、訴訟手続の中止

 イチロー審判中止求める

(解説)
イチローとて、何かあれば審判に試合中止を求めます。たぶん。
語呂合わせ的には、安田大サーカスのヒロでも、EXILEのHIROでも良かったのです。そこは審判が合いそうなイチローさんにしました。

■内容

 審判中止に関する条文です。

 審判と訴訟が同時に起こると、一方の結果によって他方の結果が変わり得ることがあります。そのときに審判の方を中止するのが1項、訴訟の方を中止するのが2項となっています。

 例としては、侵害訴訟と無効審判が起こっているときに、無効審判の結果を待ってから侵害訴訟の裁判をするというのが解りやすかったです(2項)。特許が無効になるかどうかで、侵害するかどうかが変わり得ます。  

 似たものとして、これの審査版があります(54条。審査、訴訟手続の中止)。

 違いは、審決までか、査定までかです。まとめますと、以下のような感じです。

           中止する方 
           1項   2項
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 審査⇔訴訟   54条 審査  訴訟
 審判⇔訴訟 168条 審判  訴訟

↓青山POによる青本解説が解りやすいのですが、直リンクできないので、URLを貼ります。p68です。

https://www.aoyamapat.gr.jp/assets/editor/files/%E7%99%BA%E6%98%8E%E5%8D%94%E4%BC%9A2010%E5%B9%B4%E7%89%B9%E8%A8%B1%E6%B3%95%E9%80%90%E6%9D%A1%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E8%AC%9B%E5%BA%A7(%E5%AF%A9%E6%9F%BB%E3%80%81%E5%87%BA%E9%A1%98%E5%85%AC%E9%96%8B)(%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88).pdf

168条3〜6項は、特許庁と裁判所の間の通知です。

■条文

(訴訟との関係)
第百六十八条 審判において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは他の審判の審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。
2 訴えの提起又は仮差押命令若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる。
3 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に関する訴えの提起があつたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。その訴訟手続が完結したときも、また同様とする。
4 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、その特許権についての審判の請求の有無を裁判所に通知するものとする。その審判の請求書の却下の決定、審決又は請求の取下げがあつたときも、また同様とする。
5 裁判所は、前項の規定によりその特許権についての審判の請求があつた旨の通知を受けた場合において、当該訴訟において第百四条の三第一項の規定による攻撃又は防御の方法を記載した書面がその通知前に既に提出され、又はその通知後に最初に提出されたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。
6 特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる。

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