餅は餅屋

好きなことを仕事にしたい人とそうでない人がいるらしい。
自分は、人生の大半を占める仕事を自分が好きだと思えないことに費やすことが想像できなかったため、当然のように前者を選んだ。

例えば花が好きで花屋になる人、コーヒーが好きで喫茶店をやる人、ゲームが好きでゲーマーになる人、歌と踊りが好きでアイドルになる人、考えようと思えばいくらでもありそうではある。

大人になって感じたのは、みんなそういう選択をあまりとっていないように思える、ということである。

逆に、わたしが京都に魅せられるのはそうでない人たちの濃度ゆえかもしれない。

私は観光業を終の棲家とすることを決めた人間である。
しかしそれは周囲の観光業の人たちとは違うアプローチであったように感じることがある。

自分自身の旅行経験は乏しく、趣味で国内旅行に忙しくするわけでもなければ、海外旅行にいたっては一度イタリアを訪れたのみである。

結論から言うと、私は「人好き」が高じて観光を志したのだと思う。
こう考えるにいたったプロセスは割愛するが、結局私自身にとって、「自分がしたい旅先での体験」も、「人に提供したい旅先での体験」も、「人が思いを持って暮らしている場面に出会うこと」に集約されるのだろう。

では、「人好き」が選択しうる仕事は何か。

例えばゲームが好きな人であれば、「ゲームに関わる仕事をする」と言う目的のために取りうる手段として、「ゲーマー」、「企画」、「開発」、「ライター」、「配信」など、様々な関わり方があるだろう。
この辺りはマーケター森岡毅の「動詞で考える」にも通じる点があるかもしれない。


花好きが花屋になるように、「人好き」である私が、「人屋」になるために選んだ領域が「観光」である。
人の熱量に触れるチャンネルとして、体験、飲食、買い物などを最も幅広く扱えるからだ。

いずれは旅の拠点としての箱(宿泊施設)を持ちたいが、なかなかすぐにそういうわけにも行かない。
とりあえずは人を紹介するウェブメディアと、そこに随行するガイド業を固めていこうと思う。

佐藤大海、人屋になります。

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