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承継後はルールにもとづく運営を

ワンマン経営で会社を続けてきた会社を現経営者から引き継ぐ際、特に気を付けるべきポイントは『ルール』にもとづく運営を行うことです。
今回は、事業承継後、ルールにもとづく組織運営の重要性をお伝えします。

ワンマン経営とは

会社を自ら創業し、三十年以上経営してきた社長の多くは、60歳を超え、事業承継を検討、もしくは実行する時期を迎えています。

会社の中では、どの社員よりも働き、どの社員よりも利益に貢献し、社内のあらゆる業務をゼロから作ってきた社長は、社員から見ても特別な存在です。

特別な存在だからこそ、「社長の一存」で全てを決めることができる。
これがワンマン経営です。

ワンマン経営が成立する条件

ワンマン経営が成立する条件とは「社長が特別な存在」であることです。

「自分達がこの会社で働けているのも、この会社が継続していけるのも社長がいるからだ」と社員が考えるからこそ、「社長の一存」に社員は従うのです。

「ワンマン経営=社長がルール」という状況は、この会社で誰よりも実績を上げてきた社長だからこそ成立します。社長という肩書があるから社員が動くわけではないのです。

では、この「特別な存在である社長」の後を引き継いだ後継者が、後継者の一存で全てを動かすことが出来るでしょうか。

先代と比べ、実績も実力もない後継者社長が、いくら「社長の一存」を振りかざしたとしても、これまで先代と伴に会社を支えてきた自負のある古参社員は特に、後継者社長の一存に素直に従うことには違和感があるはずです。

・業界のこともたいして知らないくせに、勝手なことを言って・・・
・先代と違って、経験がない頭でっかちな社長の言うことには無理がある。
・これまでの苦労も知らずに、頭ごなしに命令されても従う気になれない。

もし、後継者社長が、実績ある先代と似たようなワンマン経営を踏襲すると、きっと以前から在籍している社員は、こんなことを思うのではないでしょうか。

ルールによる経営に切り替えること

経験も実績もない後継者社長は、先代と同じマネジメント(ワンマン経営)を行うことは困難です。

経験も実績もない後継者社長が、先代と同じように「頭ごなしに社員に指示を出す」「どなる、声を荒げる等、感情を使って社員を動かそうとする」ことをやったとしても、社員は動きませんし、こうなると逆に後継者社長に対する反発を強めていきます。

では、どうすればいいのでしょうか。

それは、「ワンマン経営」から「ルールによる経営」に切り替えることです。

「実績がある社長の言うことだから従おう」ではなく、「会社で決められたルールだから従おう」という運営に切り替えなければならないのです。

例えて言うならば、『戦国時代の力がある武将に従う家来』という関係から、『江戸時代の殿様と家臣』というルールの中で運営が行われる体制に移行することが、事業承継においては重要な要素となります。

まとめ

実績がある社長の後を引き継ぐ後継者社長は苦労も多いと思います。
実績も実力も先代と比べて不十分な後継者社長が先代と同じワンマン経営を行うことは困難です。
社長という肩書さえあれば、社員が社長の指示を聞くわけではありません。
『ワンマン経営=社長がルールの経営』から『ルールにもとづく経営』への移行。
これが事業承継後、特に気を付けるポイントとなります。

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