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無音と瞬き

眠気で、瞼が今か今かと、待ち侘びる
最愛の、無二の相方との再会を
おぉその時だ、静かな雨音が
よくよく空に 響くのは

姦しい無音 が頭骨を揺らす
雨よりも 蛙よりもずっと 響くもの
誰かのモールス信号の ような
最後の命の叫び 神風の ような

葉っぱを散らす 蜘蛛の巣解く
互いに命 そこに壁の あるべきか
誰彼答え 存ぜぬ問 無限の空は
雲に聞いても 返答は 「明日は、雨。」

雪を降らす時だけ 騒ぐ空は
どうやら緑が お嫌いなようで
やがて空色 に 地上も
染めてしまわんと 振らせたがる

瞼が出会う時 雪の 冷たな臭い が
鋭く 脳髄のその奥の
魂のような 思考の核を
捉えて離さず やがて凍てつかす

我々の思考 は 雪 のようだ
溶けてなくなる それすらも
美 とするのだ 唯一の
自己を自己とする為の、最善手

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