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千本鳥居

今、山。
の中。の、鳥居の下。
今、朱に交わった。
個でなくなった。
1001、に増やした。
僕も鳥居。
もう1つの鳥居。

よく見たら、周りは
鳥居じゃなくて日本人だった。

みんな、みんなの色に交わってた。
誰かが最初に朱になって
誰かが最初の誰かに合わせて
その輪はまるで太陽のように
山を埋めつくしては
その付和雷同たる様を
人が見に来ていた。
朱な人達は、
観光者のために鳥居になった。

みんな、笑ってた。
誰かが笑ったから。
みんな、褒めてた。
誰かが頑張ったから。
みんな、怒ってた。
誰かが悪いことしたから。
みんな、気が滅入ってた。
どうやら気持ち悪いようだから。
耐えきれないほどに。

それでも僕も、彼も、誰も
輪を抜けようとはしなかった。
鳥居なんて1つもなかった。
そこに居たのは人間だった。

山も朱に染まった。

あるいは、染めたのか。

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