ドラッカーの教え/成果を上げるには 4
ドラッカーの教え、「成果をあげるためには」の第4の習慣は
「意思決定を行う」です。
第3の習慣は「アクションプランをつくる」でしたが、アクションプランは行動に移さなければなりません。
そのためには、意思決定、コミュニケーション、機会、会議の4つについて考えることが必要です。
まずは「意思決定を行う」こと。
決定したことを、きちんとした意思決定として機能させるためには、次の4つのことを決めなければなりません。
・実行の責任者
・日程
・影響を受けるがゆえに決定の内容を知らされ、理解し、納得すべき人
・影響を受けないかもしれないが、決定の内容を知らされるべき人
組織で行われている意思決定のうちの多くが、これらのことをきちんと決めていなかったために失敗に終わったか、当初の期待した成果を出せなかったかしているのではないでしょうか。
私も過去に同じような事例を何度も経験しました。
私はある分野のプロダクトマネージャーとして、新製品の上市やモデルチェンジなどをコントロールしていた時期がありました。
これがうまくいくと売り上げに対する貢献はとても大きくなるので、関係者を集めてプロジェクトを編成して取り組むのですが、ある時、大幅な商品改訂の予定を、早めに工場側に伝えていなかったために、生産現場では既存品の原料を大量に発注してしまっていたということがありました。
また、包装紙のデザイン変更を物流責任者に知らせるのを忘れていたため、出荷配送の現場が混乱してお客様にご迷惑をおかけしたということもありました。
そして、会社内で行われる意思決定の中でも重要なものの一つに、
「人事の決定」があります。
ドラッカーの調査では、すべての人事の中で、成功する人事は3分の1、成功でも失敗でもないのが3分の1、失敗が3分の1だといいます。
成功した人事は3分の1しかないというのです。
それだけ人事の意思決定は難しいものです。
過去に何度も人事の意思決定をしてきた身として、振り返ると確かにそうだったと実感できます。
失敗人事の中の最悪のケースでは、辞令を受けた者が会社を去ってしまうこともあります。
人事異動の結果がうまくいかなかったときは、動かされたものを無能と決めつけてはいけません。
そもそも成果が上がらなかったのは人事を誤ったためであり、人事を行った者が間違ったに過ぎないのですから。
でも人事が失敗したと分かったときには、動かしてやることが組織と本人に対する責任です。
そして、前職に匹敵する地位と報酬に戻すべきだと教えています。
この人事に関する情報も、本来知らされていなければならない者に伝わっていなかったために、組織がぎくしゃくするということもよくあることです。
まるで笑い話のようなことですが、新しい人材が投入されるということを、その部署の長だけが知っていて、現場の社員たちは知らされていなかったために、その人材の最初の出社日に名刺の用意もしていなかった、なんてこともありました。
意思決定を、意思決定たるものにするために決めておかなければならない
4つのこと、これはとても大事なことですね。
あなたが最近下した最も大きな意思決定とは何ですか?
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