他人のシナリオから飛び出そう

「我々は他人が作ったシナリオの中で生きている」

これは、コンテンツマーケターでプロデューサの長倉顕太さんの言葉だ。

我々はこの世に生を受けて、最初の何年かは生存のために親から食事を与えてもらう。

そして自我が芽生えるころからは、親から様々な教育的な指導や生き方についての影響を受けて成長することになる。

これはやってはいけないことだ、これはいいことだ、これは危ないことだ、こういう時にはこうするのがいい、こういう本を読もう・・・

そしてやがて義務教育が終わり、思春期と呼ばれる時期に入る。

このあたりくらいまでは、親の影響、親の価値観、親の教育訓練に従って生きていく。

親が描いたシナリオだ。

仕方がない、人間は他の哺乳類と比べて極めて未熟な状態で生まれてくるから、一人歩きできるまでは親の保護どうしても必要だ。

でも自我が芽生え、誕生後13年を過ぎるころになると、親の世界観とは違う世界に触れるようになり、いろんなことを考えるようになる。

今は昔と違って、その年齢がもっと早いかも知れない。

インターネットがあるからだ。

自分を育ててくれてきた価値観は、すべて親の価値観であり、親という人間が持っている狭い世界での価値観と、それによって形作られた親のシナリオだ。

でもインターネットでは世界中のあらゆる人の価値観や世界観に触れることができるから、親の言っていることが果たして本当のことなのか、疑問を持ち始める。

その頃から、自由になりたいと思い始める。

自由になって、もっと広い世界の様々な価値観に触れてみたいと思い出す。

「僕、自由に生きる。」
「わたし、自由に生きたい。」

すると親は必ずこう言う。

「ほう、自由にね。いいだろう。でも言っておくが、自由には責任が伴うんだ。責任を果たす覚悟があって言っているのか。」

長倉さんは、この言葉は嘘だという。クソだともいう。
極めてひどい恐喝だと。

私もそう思う。

だって、社会で暮らす人々は、誰もが大なり小なり社会人としての責任を持ちながら生きているのだ。

税金を払う、決められた日に家賃を払う、約束の時間に決められた場所に行く、幼い子供を養う、人にけがを負わせたら償う、借りたものは返す・・・

自由に生きたい人も、会社で嫌な上司に我慢して働く人も、役所で上司に忖度しながら自分の意見を言えずにいる人も、社会で暮らしていく以上、誰もがそれ相応の責任を負いながら生きている。

何も自由に生きる人だけに責任が伴うわけではない。

みんな一緒だ。

なのに、「自由に生きたい」と言った途端に「いいか、自由には責任が伴うんだぞ!」と言って恐喝する。

なぜか?

それは、親や上司や先輩や長老は、自分たちの「支配下登録選手」が自由を求め、自由を手に入れて、自分たちの知らない世界に行ってしまうのが怖いからだ。

だからポジションパワーをフルに使って、脅迫して身動きが取れないようにしているのだ。

人が飛躍し成長する機会を奪い取ってしまうワナがそこら中に仕掛けてある。

だから長倉さんはこんな本を書いた。
Amazon.co.jp: 親は100%間違っている~あなたの価値観を破壊する33のルール~ (光文社知恵の森文庫) eBook : 長倉 顕太: 本

他人が作ったシナリオから飛び出ようとする人が、私は大好きだ。

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