「理解者」ってどんな人だろう?

 カウンセリングで、理解してくれる人を見つけてくれるといいですね、と良く言われる。でも今の僕にはそんな人はいないと思う。

 僕にとって、理解してくれる人とはどんな人だろう。病気のことを分かってくれる人。怠けじゃなくて必要な休息だよと言ってくれる人。それも僕が求めるのではなしに、あちらからそう言って欲しい。

 家族のことについて、辛かったね、頑張ったんだねと言ってくれる人。あなたはあなたのままで良かったんだと言ってくれる人。あなたは悪くないと言ってくれる人。泣いていたら抱きしめてくれる人。

 不安なとき、悲しいとき、辛いとき、死にたいとき、それを躊躇わず打ち明けられる人。そんな気持ちを否定しない人。


 カウンセラーさんや心理士さんも、これらを完璧に満たしてくれる訳じゃない。当たり前だね、エスパーじゃないもんね。僕がこうして欲しいとか、こう言って欲しいとか、こんな気持ちなんだとか伝えなきゃ。

 親はどうだろう?両親とも僕のこんな望みとは正反対の人だった。父親は他人の気持ちなんて考えられないような人で、母親は楽天家というか天然というか、やはり他人の気持ちに気がつかない人だった。家の中では僕たちきょうだいだけが気を使っていたように思う。

 友達や恋人は?彼らと過ごしている時は楽しいと思う。趣味の話や考えたことの話をしている時は楽しい。けれど辛いことを打ち明ける勇気は僕にはない。相手には負担だろうと思うし、理解されないだろうと思うから。彼らは精神疾患や仲の悪い家族というものとは無縁に見える。

 カウンセラーさんは理解してくれる人が少しでも居たらいいねと言う。でも僕の理想は高すぎて、そんな人は現れないと思う。本当は子どもの頃に、両親が分かって欲しいという気持ちを満たしてくれるはずだった。そしたら高すぎる理想や非現実的な不安に振り回されずに、適切な信頼関係というものが築けたはずなのに。と思う。


 まずは自分を大事にするしかないのだと思う。自分が自分の理解者だ。自分が自分に欲しい言葉をかけるのだ。自分の気持ちを否定せずに抱きしめるのだ。他人は不確定だから。今の僕には信頼できないから。

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