かき氷はサラダ/茶寮億万はなれ
夏は夏野菜として大活躍して、
秋はハロウィンで大注目され、
冬は冬至で大重宝されるお野菜。
そう聞いて、きっとピンとこない人はいないのではないか。言わずもがな「かぼちゃ」である。
それより大重宝って言葉が気になる人は調べてみてほしいのだが、そんな言葉は存在しない。夏と秋のテンポでそのまま冬のかぼちゃを語りたいエゴから生成された言葉である。本日も人間は、誠に勝手で自由である。
今もかぼちゃが大好きだが、今より偏った愛でかぼちゃを愛していた頃、顔・首筋・手などが黄ばんでしまっていた。その頃、毎日100g〜300gは欠かさず食べていた。
ある日病院に行ったとき看護婦さんに
「なんかとと戸さん、ちょっと黄色くない?へーき?」
と心配されるほどであった。
幸いにも黄疸などではなく、カロテン豊富なものを食べたときに起こる自然現象であった。みかんを大量に食べている人にも起こりうるやつだ。
一時期よりかぼちゃを食べる機会は減らした私だが、まだまだ平均よりかなり高い水準でかぼちゃを愛している。
だんだん秋めいてきて、世間のかぼちゃボルテージがあがってきている。あらゆるお店がかぼちゃスイーツを展開して、かぼちゃファンの心を揺さぶりにきている。再び黄色くなっても構わないという覚悟で、先日、あるスイーツを食べに行った。
茶寮億万はなれ
新宿にある、かき氷専門店「茶寮億万 はなれ」。
かき氷界隈では知らない人はいないであろう、江良保正さんの2つ目のお店だ。
わたしは血糖値が上がったあと急降下しやすく、甘いものを大量に食べれないと思っていた。しかしついこの間、かなり大きめのかき氷を完食できたことから、「問題ない量」というのを知ることができた。
もちろん、血糖値が本当に急降下してしまったらまずいので、ゆっくり食べて合間にお茶を飲むなどの工夫は必須。でも、酒もタバコもやらない私には、甘味が必要だ。甘味を無理ない範囲で嗜む自由くらい、あったっていいよなぁと思うのだ。2週に1回くらい、めちゃくちゃな甘味をガツンと摂ったっていいよなぁと思うのだ。
調べに調べ、好物のかぼちゃと黒ごまのかき氷の販売を始めたというこのお店に食べに行くことに決めた。
そもそもかぼちゃのかき氷なんて、かぼちゃをたっぷり使ってるんだから、サラダと同じだ。黒ごまも使っちゃってるから、肝機能向上や老化防止とかにも良いかもしれない。私は素晴らしいものを、食べに行こうとしている。
予約方法とメニュー
ちなみにこのお店、事前にweb予約ができる。
行列に並ばなくても、ネットで簡単に並ぶことができる。
順番が近づいたらお店に向かうだけというかなり負担の少ない仕組みになっている。
8:00頃に予約開始して、8:30頃には13名くらいの予約がすでにあった。わたしは12人目で、開店10:00の10分後くらいにはもう呼ばれて、お店に入ることができた。なんてスムーズなんだ。
写真センスが皆無で恐縮だが、ラインナップはかなり色々あった。ずんだと味噌というのも気になったが、わたしはブレずにかぼちゃ黒ごまプリンを注文。
かぼちゃ黒ごまプリン
こちらが、かぼちゃ黒ごまプリンの構成。めちゃめちゃわかりやすい。そしてこんなにもかぼちゃを生かすことを考えられたかき氷が存在することに感謝しかない。ありがとう。
待っている間、店内をそれとなく見渡すと、意外と男性一人客も多いことに気付く。しかも背筋をぴんと立てて、着座している。こちらの背筋もなんだか伸びてくる。男女関係なく、かき氷は人気があるようだ。自分の好みのかき氷を、背筋伸ばして静かに待つ空間は、至極平和であった。
着氷
かき氷を好きな人をゴーラーと呼び、かき氷が席に運ばれてくることを着氷と呼ぶ。今年かき氷を食べるのは3回目だが、ようやくその業界用語やしきたりが分かってきた。
というわけで、かぼちゃ黒ごまプリンが着氷した。
もうこの美しさは芸術に近い。そもそも料理自体が創作なのだから、芸術そのものであるよな。
Instagramなどのsnsで見た通りの大きさと、予想を裏切らない美しい見た目に、テンションが上がる。かぼちゃ黒ごまプリンの説明を見ながら、一口二口と進めていく。
かぼちゃとキャラメルが絡み合い、黒ごまのインパクトがズドンと効いて、シードや黒ごまプリンなどの食感も大変豊か。
最後まで飽きない工夫が満載で、あんなに大きかったかき氷が「もうなくなっちゃう」と感じるほどだった。ついに最後までマンネリすることはなく、一滴残さず完食した。
ほうじ茶が一杯、無料でついてくるのがとってもありがたい。冷え対策に、腹巻きを巻いてカーディガンを着て挑んだが、大正解だった。もちろんちょっと身体は冷えたけれど、冷えを最小限に抑えることができたと思う。
ゴーラーの方々は、冬でもかき氷を食べるらしい。わたしは今年始めて本格的なかき氷を食べたが、これはたしかにハマるし冬でも食べたいと思う。季節ごとに食べられるメニューが変わるお店が多いので、春夏秋冬問わずつい行きたくなる。ゴーラーはきっと年中忙しい。
その気持ちが既にわかるようになっているわたしは、ゴーラーへの道を、着実に歩んでいる気がする。
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