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どうしてこんなに価格差が生まれるのか?軽快車(ママチャリ等)編◎2024年06月09日更新

広島県広島市にある『動く自転車屋』『自転車の便利屋』サイクルサービストグトのnoteをご覧いただきありがとうございます。

こんにちは、アシスタントJです。
今回は『ママチャリ』『シティーサイクル』『シティサイクル』『ケッタ』等と呼ばれる自転車の価格の違いについて解説します。


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また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。

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■値段も機能もピンキリ

さて、自転車という大きな枠でひとまとめにしても、販売価格が2万円くらいのものから2000万円くらいのものまであります。
2000万円はF1カーのように極端な例ですが、公道を当たり前に走行できるロードバイクでも200万円超えのものが珍しくもない世の中になってきました。

スポーツタイプではない軽快車(『ママチャリ』等と呼ばれるもの)も充実した機能があるものは電動アシストでなくとも10万円を超えるものだってあります。
これから軽快車を買うとしても、予算をどうやって決めるかがわからないという人も多いでしょう。

今回は軽快車に絞って、どうしてこんなに価格の差が生じるのかを解説します。
世界情勢や円安問題等で物価が上がっていることは間違いありませんが、ご自身の使用目的・用途に対して過不足無い性能・機能を満たすものを賢く選ぶのが基本です。

■値段に影響する要素①フレーム素材

軽快車のフレームに使われる素材は大きく分けるとアルミとスチール(鉄)の2種類です。
その中でもグレードがいろいろあり、例えばスチール製の自転車どうしでもどんなスチールを使っているかによって値段が異なります。

ざっくりと説明しますが、アルミは軽くて錆びにくいため、金額が上がります。
スチールは基本的に錆びるものであり、重量もありますが金額は下がります。
雨でもよく乗る人、駐輪環境が雨ざらしになる人はアルミ製の車体を選ぶとメリットが大きいでしょう。

■値段に影響する要素②フロントライト

使われている部品やそれぞれの機能でも価格差に影響します。

名称は各メーカーさんによって異なる場合もありますが、軽快車のフロントライトは基本的に2種類です。
スポーツタイプ自転車に採用されるような後付けタイプを採用するユーザーさんも見かけますが、ほとんどが『ブロックダイナモライト』か『オートライト』のどちらかでしょう。

『ブロックダイナモライト』は回転部品をタイヤに当てることで発電する、昔ながらの方式です。
フロントタイヤに当てることで車輪の回転抵抗が生まれるため、ペダルを踏む時に重くなります。
デメリットが多いのに今でも採用される理由は、やはり安価であるというのが理由です。

一方、ライトのON OFFに関係無く、ペダリングに影響しない『オートライト』というものもあります。

車輪の中心にあるハブにダイナモがあるため、車体重量は重くなりますが、ペダルを踏んでも重くはなりません。
ただし、価格は高くなります。
フロントホイールの交換時が来た時も出費が大きくなりがちです。

きちんとライトのオン・オフを忘れずに切り替えることができる人で、なおかつ支出を抑えたい人は『ブロックダイナモライト』採用車がオススメです。

オン・オフをいちいち自分で切り替えるのが面倒で、ペダルが重たくなるのもイヤだという人には『オートライト』採用車をオススメします。

ちなみにノーリー店長は車体重量を抑えたいし、ペダルが重たくなるのもイヤだそうです。
「私なら『ブロックダイナモライト』採用車を選び、ライトだけスポーツバイク用のものを使う。」
と言っています。
たしかにカスタマイズすれば愛車を快適かつ自分好みにすることも可能ですね。

■値段に影響する要素③リアブレーキ

制動装置(ブレーキ)についても様々な方式のものが出回っています。

街中でたまに見かける、キーキーうるさいブレーキ音の自転車が採用しているのは、ほとんどの場合が『ドラムブレーキ』のバンドタイプです。

↑その理屈を解説している動画ですが、バンドブレーキの上位互換であるサーボタイプも紹介しています。
バンドタイプは安価で制動力もじゅうぶんありますが、どうしてもブレーキの『泣き』が生じます。
その原因はバンドのゴムが劣化(硬化や摩耗)することや、油分の付着等です。
その場しのぎの対処法はありますが、根本の解決をするためにはブレーキの交換が必要になります。

そして電動アシスト自転車にも採用されているくらいの制動力を持ち、不快な音鳴りも発生しにくいのが【SHIMANO】(シマノ)の『ローラーブレーキ』です。

↑仕組みを動画で解説しています。
ローラーブレーキには専用のグリスを定期的に注入しなければなりません。
それでも快適性や制動力の面で大きなメリットがある分、価格はバンドタイプより高くなります。

そして重要なのが互換性の話です。
バンドブレーキとサーボブレーキは互換性がありますが、ローラーブレーキは専用規格なので互換性がありません。
これはブレーキ本体が適合する後輪(リアホイール)が異なるのが理由です。
言い換えると、後輪ごと交換するなら、同じ車体でもバンドブレーキからローラーブレーキに替えることもできます。
ただし、後でバンドブレーキからローラーブレーキに替えるのはそれなりにコストがかかるので、最初からローラーブレーキが付いている車体を選ぶ方がお得かもしれません。

■値段に影響する要素④変速の有無や段数

カタログで車種名の最後に『261』とか『273』とか『206』とかの表記を見たことがあるという人も多いかと思います。
例えばここで言う『206』はプジョーのクルマの名前ではありません。
前2桁の数字はタイヤのサイズ(呼びインチ)で、最後の1桁は変速段数です。
これを理解すると、その車体のタイヤサイズや変速段数がパッとイメージできるようになります。
(この公式が使われていない車名のものも多いですが…)

↑『1段』(変速無し)モデルです。
『ギア無し』と呼ばれますが、ギアはあります。
変速機能が無いだけです。
構造がシンプルなので駆動系のメカトラブルは少ないですが、少々しんどくなるシーンに出くわすかもしれません。
軽快車のシングルスピード車体の価格は安いです。

↑内装3段変速機能付き車体です。
変速方式も内装タイプと外装タイプがあります。
内装タイプは駆動系のトラブルが発生しにくいです。
3段変速モデルや5段変速モデルはだいたいこの内装タイプを採用しています。
6段変速モデルは外装タイプである場合がほとんどです。

内装・外装を問わず変速機能が付いていると、同じ車種(シリーズ)どうしでも販売価格は上がります。

住まい環境や自転車の使用環境が平坦メインなら変速無しモデルで問題ありませんが、快適に走りたい場合やアップダウンの多い環境で自転車を使うなら変速有りモデルがオススメです。

■値段に影響する要素⑤使われている部品

ハンドルやドロヨケ(フェンダー)等の材質の違いも価格に影響します。

例えばステンレス製パーツは錆びにくいというのがメリットです。
耐久性もあり、価格が上がります。

また、『ハンガー』とも呼ばれる『ボトムブラケット』(通称『BB』(ビービー))の方式も車体価格に与える要素です。
このように、各部品がどんな材質でどんな方式かによっても、自転車の販売価格は大きく異なります。

■これは無視できない!工業製品としての安全性と耐久性

大手ネット通販等で見かける、異常に安い自転車もあります。
その全てがどれも安全性や耐久性に欠けるとは言い切れませんが、自転車に限らず安い物にはそれなりの理由があるものです。
1年も経たないうちに『溶接箇所が割れた』なんてこともあります。
そうなると基本は車体の買い替えです。
まさに『安物買いの銭失い』となり、自転車は特にそうなるユーザーさんが多い気がします。

安全性や耐久性の目安としては『BAA』マークがあるかどうかでも判材料になるかもしれません。

もちろん『BAA』マークが付いていなくても高品質な自転車だってあります。
しかし『BAA』マークは、「自転車安全基準」の約90項目もの厳しい検査をクリアした自転車だけに貼られている、安全・安心で環境に優しい自転車の目印です。
マークが付いているということはそれなりの検査基準に合格して製造工場から出荷された証です。
検査を簡略化すれば製造コストを抑えることができ、販売価格も安くすることができます。
あまりにも安価な自転車は製造段階での検査頻度や検査項目が少ないわけです。
『BAA』に縛られずメーカーさん独自の厳しい検査基準を設定しているところもありますが、そういうところの自転車は販売価格も相応に上がります。

■店選び・担当者選びも同じくらい重要

販売店によっても組立の基準が異なります。
同じ車種でも快適性や耐久性に差が出るのは、自転車の使用頻度やメンテナンス頻度、使用環境も影響がありますが、同じ車種どうしなら最初の組立も重要です。

同じ車種でも販売店によっては組み立てのチェック項目が10のところもあれば20のところもあります。

当店だと基本的にはメーカー希望小売り価格の通り(オープン価格品は別)です。
ただし、最初の組立が他店様とは比べものにならないほど高品質を目指しています。

↑サイクルサービストグトでご注文いただいた自転車は、現時点では『組立工賃』『組立手数料』無料キャンペーンを実施中です。
取引先メーカーさんや同業他店様からもドン引きされていますが、ユーザーさんにとってはほとんどメリットしかありません。
デメリットは工数が桁違いに多いため、納期が長くなることでしょうか。
それでも後々の修理代や維持費をかなり削減できます。
販売店によっては、車体価格次第で作業内容に差を持たせることもあるそうですが、当店は車体価格に関係無くこのクオリティーです。
『ユーザーさんにはできるだけ過不足の無い選択をしてもらう』という店長の方針で、しっかりとヒアリングした上でユーザーさんそれぞれにできるだけベストな提案をしていきます。

そういえば来週、店長は某自転車メーカーの工場見学に行くそうです。
その様子は当店公式note等でも公開します。

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