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ネットで買ったピストバイクの整備も大歓迎!■2023年02月06日更新

広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。

『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。

■ピストバイクの魅力

自転車にもいろいろなカテゴリーがあります。
中でも構造がシンプルなのが『シングルスピードバイク』と呼ばれるもので、『ピストバイク』はそのうちのひとつです。
日本だと競輪で使われている車体と言えばイメージしやすいでしょう。
競技専用車体にはブレーキは装着されていませんが、公道を走行するには前後に独立したブレーキの装着と、ライトやリアリフレクター(赤い反射板)の適切な取り付けや、ベル(警音器)の取り付け等が義務づけられています。
ところが、映画作品等の影響や某芸能人の残念な発言等によって、違法状態で公道を走行しているピスト乗りが社会問題にもなりました。
さすがに今ではそういう悪質なピスト乗りも減りましたが、ピストバイク自体に対する世間のイメージはあまり良くないようです。
そんなピストバイクですが、きちんと合法な状態で使うなら問題はありません。
むしろ維持費が安く済むことや整備性が高いこと、自分好みにカスタマイズしやすい等の魅力がたくさんあります。

■今回の患『車』

ピストバイクが好きな人に有名な大阪発のブランド【ROCKBIKES】(ロックバイクス)。
実は【FUJI】(フジ)の名車『フェザー』の開発の中心にいた人物が代表を務めているブランドで、独創的なデザインの自転車を生み出しています。

※2023年02月から当店でも【ROCKBIKES】の取り扱いが始まりました!

今回の患『車』は『TOMAHAWK』(トマホーク)です。
この車種は車体の左側から写真を撮りたくなります。

今でこそアルミのエアロフレームはすっかり浸透してきましたが、リリース当時はインパクトの大きかったデザインです。
実はTOMAHAWKもいろいろとマイナーチェンジを重ね、マイナー規格も採用するようになりました。

この頃のトマホーク、本当は私も欲しかったんですよね…。
今となっては新品で手に入れることはほぼ不可能でしょう。

さて、そんな私の事情は置いておいて、プロとしての仕事をしていきます。
この車種の特徴はリアブレーキのシステムです。
ピストバイクでは珍しい位置にブレーキ本体が付いています。
整備性は良くないですが、パッと見た時のシルエットはスマートです。
お預かりした時点ではブレーキ本体の取り付けバランスが異常でした。

車輪は当然ながらナット止めタイプなので、フレームに対してホイールのセンターを見極めて組み付けます。
ここで左右にズレていたら、ブレーキ本体の取り付けもビシッとはきまりません。

車輪の適切な固定からブレーキの適切な取付・調整という流れになります。

余談ですがピストバイクも含めてシングルスピードの車種は、ギヤのサイズを変えると後輪の取付け位置が微妙に前後ズレます。
チェーンのテンション(張り具合)を優先するのが理由ですね。
そして前後にズレれば、ブレーキシューに対してのリムの位置も変わります。
軽快車(ママチャリ)等は後輪の中心にブレーキ本体があるので、同じ『シングルスピード』でも構造が異なるので注意は必要です。
ギヤのサイズ(歯数)を変えたらブレーキ調整もセットで行いましょう。

フロントブレーキはよくあるキャリパータイプです。
ロードバイクのリムブレーキタイプと同じ構造になっています。
このタイプは左右にズレやすいので、小まめな点検や左右のズレ修正をしなければなりません。
面倒かもしれませんが、そういう点検や調整を小まめにやっておくことでホイールもブレーキシューも長持ちします。

点検に出してみないと気付きにくい部分として、フォークコラムのアンカーの緩みが挙げられます。
↑の写真のようにコラムとアンカーに隙間がある状態というのは、実は危険です。
こうなってしまったらヘッドパーツの『玉当たり調整』もできません。

構造上、または材質上、ここはズレやすいポイントです。
ある程度のトルクで固定しないとすぐにまたズレて危険な状態になりますが、ガチガチにトルクをかけて締め込むとパーツが破損します。
この辺りは本当にプロに相談・依頼するべきです。

■調整が済んだら「はい終わり」じゃない

サイクルサービストグトでは、車種(というか構造)によっては調整が別料金になる場合もありますが、基本的には全体点検に簡易調整も含みます。

さらに点検・調整が一通り完了したらユーザーさんにも実走チェックしていただきます。
ここでも当店の仕事は終わりません。
ポジション(乗車姿勢)を見て、ユーザーさんができるだけ快適に乗れるようにアドバイスや、必要に応じて各部の調整も繰り返します。
自転車というのは特殊な乗り物で、動力も人間です。
クルマで言うエンジンやモーターが人間なので、単純に同じ車種・同じサイズのフレームでもエンジンの大きさが異なります。
ということはエンジン(人間)に合わせてサドルの位置等の微調整も必要です。
こちらの理論を一方的に押しつけるようなことはしませんが、いくつかのご提案はさせていただきます。
あまりにもポジションが合っていないと自転車に乗るのもしんどくなるだけでなく、体に支障が生じることも多々あるので。
当店はこれからもヒアリングに注力し、ユーザーさんにできるだけ寄り添っていきます。

■自転車のご依頼・ご相談等はメールでお気軽にどうぞ↓

当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
ご依頼・ご相談はメールにて24時間いつでもどうぞ↓

togt24@gmail.com

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