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ライブ、ナレーションに挑戦するクラウドワーカー【後編:「死にたい」の先に「生きたい」がある】

こんにちは、走り方が気持ち悪いと言われるムーディです。

福祉を少しかじった坊や、ムーディがプライベートで出会った様々な生き方をしている統合失調症の方にインタビューしていくコーナー。

働いていた作業所で出会った統合失調症の方に「この病気になったらもうお先真っ暗ですよ」と言われたことがきっかけでいろいろな統合失調症の人の生き方を聞きたくなり、この企画を考える。

統合失調症を発症してから今に至るまでの生活史を様々な人に聞く中で、特定の生き方を正解としたり、賞賛したりするのではなく。あくまで複数人の統合失調症の生き方に触れる。同じ人生などなく「統合失調症だとこういう人生しか送れない」ということもないはず。

第6回目のゲストはおーさまメロンさん!ライブやナレーション、デザインに挑戦するクラウドワーカー。今回は統合失調症を発症してから今に至るまでについて深堀しました!

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◆ゲスト・・・おーさまメロン
👨🏻‍💻複数の業→複業クリエイター🟢キラめく精神🌟障害者/統合失調症🟢🎨POP文字イラストレーター🎙宅録ナレーター📻Radiotalk📳17LIVE準認証🟢目指せクイズのおーさま👑❓🟩固ツイに詳細&各SNS🔲新しい働き方LAB研究員1期生

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◆インタビュー・・・ムーディ(勝山陽太)
1994年生まれ。立命館大学産業社会学部卒。2017年社会福祉法人一麦会の日本最古の精神障害者福祉工場、就労継続支援A型B型「ソーシャルファームピネル」を経て、2021年一般社団法人プラスケア、カフェ「となりの.」にて社会的処方に取り組む。個人で2021年4月より企画を通したPR活動事業「ワイルドボアハンズサービス」を立ち上げ。「猫の手ではなく、イノシシの手なら貸します」をモットーに、相手の困りごとはなんでも仕事として引き受けるスタンスをとっている。

▽前回の記事はこちら

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◆匿名掲示板での批判がきっかけ

ムーディ:
前回、お仕事をいろいろされて収益化をめざしているとのことでしたが、実際におーさまメロンさんが統合失調症になったのはいつですか?

おーさまメロンさん:
大学2.3年のとき精神科に通いだした時は抑うつと診断されました。そして、埼玉に引っ越して社会人生活をおくっていたのですが、うまくいかなくて実家の茨城県に帰りました。

ムーディ:
そうなんですね。
それはいつぐらいですか?

おーさまメロンさん:
社会人1年後の23歳のときです。

ムーディ:
なるほど。
抑うつと診断されたときにきっかけはありましたか?

おーさまメロンさん:
昔、ダンスゲームをしていて大会などにも出たのですが、匿名掲示板で批判されたのがきっかけで考えすぎてなりました。

ムーディ:
それは辛いですね。
抑うつと診断されてから統合失調症になるまでにどんなことがあったんですか?

おーさまメロンさん:
埼玉の病院が合わなくて転院し、その後別の病院へ行ったんですけど仕事もなかなかうまくいかなくて、実家から帰ってくるよう言われたりで自殺未遂とかしちゃって・・・
そして実家に帰って地元の精神科通ってたんですけど、別の病気になったんです。その時に精神科の診断書が必要だったんですけど、診断書に統合失調症とかいてあるのが見えちゃって、医師にきいてみたところ統合失調症ですよと。

ムーディ:
そんなことが。
じゃあいつの間にか統合失調症になってた感じなんですね。

おーさまメロンさん:
たまに伝えないままの先生もいるみたいですね。

ムーディ:
へぇー!
実際に統合失調症と知らされてどうでしたか?

おーさまメロンさん:
もうショックでしたね。統合失調症の名前が精神分裂病から変わってすぐだったので絶句でした。

ムーディ:
たしかに精神分裂病の言葉のイメージは強いですね。
絶句というのは、将来に不安があったのか、精神分裂病という病気になってしまったということからきたのですか?

おーさまメロンさん:
名前もですけどうつ病とかじゃなかったのか、そんなにひどいのかと思いました。

ムーディ:
うつ病の時から幻聴や妄想があったと聞きましたが、うつ病の時から出てたんですか?

おーさまメロンさん:
はっきりとは分からないですが、いつの間にか出てたかなという感じです。

◆人生終わりと考えて自殺を考えた

ムーディ:
そんなこともあるんですね。
統合失調症と診断されてからおーさまメロンさんの行動に変化とかありましたか?

おーさまメロンさん:
行動はあまり変わったという自覚はないのですが、デイケアに行っても行動が制限されたりとか資格試験受けるのも止められたり何もさせてくれなかった。

ムーディ:
何もするなって感じだったんですね
デイケアは抑うつ症状が出てから行ってた感じなんですか?

おーさまメロンさん:
実家へ帰って茨城の病院に通い始め、1,2カ月した時にどこか居場所みたいなのないですかと医師に聞いたところ、デイケアというものを知った感じです。

ムーディ:
なるほど、今おーさまメロンさんはすごいいろんなこと自由にされている感じだと思うのですが、デイケアはずっと通ってたんですか?

おーさまメロンさん:
5年半か6年位はデイケアに行き続けてたんですけど、自殺未遂をしたんです。どうせ死ぬなら好きなところで死にたいと思って、有り金はたいて新幹線で大阪まで行ったんですよ。そして大阪の多目的トイレで縄くくったんですけど死にきれなくて、道で嘔吐しながら神戸まで行きました。そこでも死にきれなくてトイレで倒れてしまったんですけど清掃の方に外から鍵をあけられて救急車を呼ばれました。大量の酒と薬を飲んでいたので運ばれた先の医師から肝臓を悪くしていると言われました。

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ムーディ:
ほうほう。
では、なぜ自殺をしようと思ったんでしょうか?

おーさまメロンさん:
デイケアずっと行っても人生終わりだなとか思ったりしたからですね。

ムーディ:
そうなんですね。
デイケアでおーさまメロンさんの担当の人と相性が良くなかったのかもしれませんね。

◆ランダムウォークに進む日々

おーさまメロンさん:
これがきっかけでデイケアは通わないということを決めました。精神科でも、セカンドオピニオンをしていろいろ話していたら、あなたは芸術家肌だと思うという話が上がり、それを主治医に話したところ、薬は必要ないですよ、という話になってデイケアもそれで終わりになりました。

ムーディ:
芸術家肌だから薬は飲まなくていいということですか?

おーさまメロンさん:
薬は本当のところ飲みたくなかったし、精神科も通いたくないことを伝えると、じゃあいいですよという感じでしたが、今思うと不適切な断薬でしたね。

ムーディ:
そんな医師もいるんですね。
断薬して、そのあとは普通にいろいろとアルバイトとかをしたんですか?

おーさまメロンさん:
そうなんですけど、全部うまくいかなかったですね。5件くらい転々としたんですけど。

ムーディ:
そんなにしたんですか。
大体でいいのですが何をしたんですか?

おーさまメロンさん:
まずガテン系の標識のポールを磨く工場や漬物工場、たい焼き屋、アパレルの店員、雑貨屋の店員などですね。

ムーディ:
いろいろやったんですねー。
やってて楽しくなかったんですか?

おーさまメロンさん:
雑貨屋は楽しかったんですが、通勤距離が遠すぎてたまたま休んだら明日から来なくていいよって。

ムーディ:
そんなことあるんですね。
そこからどうなったんですか?

おーさまメロンさん:
親と喧嘩になってしまい、自分の名義で親の貯金があることを知っていたので筑波に引っ越して自分の夢であったタレントや俳優を目指そうとしました。

ムーディ:
夢を追いかけたんですね。
親とはどんな喧嘩をしたんですか?

おーさまメロンさん:
働きなさいということはいわれなかったのですが、ちゃんとしなさいと言われることが多かったです。

ムーディ:
ほうほう。
それが積もりに積もってこんな家出てってやるみたいな感じだったんですね。
今いろいろとデザイナー挑戦したりナレーションだったりとかのきっかけまではどう繋がっていったんですか?

◆好きなことをして生きていきたい

おーさまメロンさん:
筑波に引っ越してバイト探したんですけどうまくいかなくて、いろいろ助けてもらったんですけどそれも終わって次はB型作業所に行くことになりました。そこで約6年くらいいたんですが、その後就労移行に通うことになりました。でも就労移行がうまくいかずに入院することに。その時に嫌でしたが自立訓練に通うことになりました。

ムーディ:
なるほどー。
自立訓練はなぜ嫌だったんですか?

おーさまメロンさん:
自由もないし、食事も合わなかったし、早く就職したいというのもありました。
早く出たいと頑張りましたが、1年位経ち、別の事業所で就労の訓練をしないかという話が出ましたが、その話がうまくいかなくて2年経った時、自分から就職活動をしたいと話したところ許可が出たのでそれが終わって再度筑波で一人暮らしに繋がりました。

ムーディ:
大変だったんですね。

おーさまメロンさん:
自分が一人暮らしを始めて2か月後くらいなんですけど、朝ドラのなつぞらを見て、主人公が自分の好きなことを仕事にしているのが影響され、そういえば自分の好きなことを仕事にしたことってなかったなと思い、ブログのバナーやSNSのアイコンなどを自分で作ったことを生かして何かできるんじゃないかと思い、クラウドソーシングを始め、昔子どもの頃ラジオも好きだったし、ナレーション物まねをしていたこともあり、ナレーションをしてみようということにもなりました。

ムーディ:
好きな事してるとモチベーション上がりますよね!
それから今に至るみたいな

おーさまメロンさん:
今はそこからプラスされて、LIVE配信やラジオ配信も加わってきて、さらにそこに自伝を書き、ライターにもチャレンジしようと思っています。

ムーディ:
そうなんですね。
自伝というのはなぜ書こうと思ったのですか?

おーさまメロンさん:
自立訓練のとき自伝のコンクールの広告を見て、書きたいと思っていたけど、ここじゃ無理だと思った。3年位経ち、今年の1月に同じ広告をみて、もしかしたらこれが最後だと嫌だよねと考え、思い返してみたら、自分の人生いろいろあったなということが多く、執筆を決めた。

ムーディ:
そんな経緯が・・・
自伝を書き終えて、完成させてクラウドワーカーとしてデザイナーやナレーターやライターとしてやっていくという感じですか?

おーさまメロンさん:
それにプラスして配信系、LIVEとかラジオですね。

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ムーディ:
すごいですね。
ライブ配信やってみたいと思ったきっかけは何ですか?

おーさまメロンさん:
SNSのフォロワーさんがライブ配信やっているっていう通知がいっぱい来ていたのでいつか見てみたいと思いアカウントを作り、見に行ったら面白いなと。まだうまくいってませんが、運営側から準認証ライバーになってみませんかというお知らせがきた。

ムーディ:
お知り合いでやってる方が居たのですね。


◆「死にたい」の先には「生きたい」がある

ムーディ:
自分以外の人の境遇も知れたって感じですかね。
最後にこれを読んでいる統合失調症になりたての方にメッセージなどはありますか?

おーさまメロンさん:
なった時はみんなショックだと思うし、そのショックから立ち直れない時期はあると思うけど、いつかは絶対に受け入れられます。世間からの目はまだ冷たいですし、死を考えるというのもあるとおもう。死にたいということの向こうに生きたいということにたどり着くことを忘れないでほしい。いつかは絶対自分を受け入れられるということもある。受け入れないとつらいと正直思う。なので、そこまで生きていてほしい。


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ムーディ自身、これを聞く中で今の生き方について深く考えさせられました。おーさまメロンさん、ありがとうございました!

次号もお楽しみに~!!

それではグッバイオンザビーチ!

★詩人artistけんぼー、本日のポエム

暗闇の中
生きている意味さえ問う事がある
誰もが1度は問う事があるのではないだろうか
光がいつ見えるかわからないけれど
時は過ぎる
様々な出逢いや出来事は
自分の人生を創っているキッカケとなる
良くも悪くも捉え方次第で人生は
如何様にも変化するよ
「生かされているということに意味がある」
周りへの感謝忘れず
唯一無二の自分の人生の
主役であれ

by 詩人artistけんぼー

【企画協力者】

文章構成:意識他界系畑中

ロゴ作成:角さん

挿絵:はまゆっこ

ポエム:詩人artistけんぼー

【企画代表、責任者】ムーディ(勝山陽太)

問い合わせ先:ktymyt0729@yahoo.co.jp

【応援団体】
「ひとりやないで!〜統合失調症の親と向き合う子向け家族会〜」
統合失調症の親と向き合う子ども向けの集まりです。奇数月に1回、語りの場である家族会を開催しています。日頃のなやみを吐き出し、情報をシェアし合いましょう♪

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