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CarlZeiss Jena Sonnar 5cm F1.5

COSINA ZEISS C Sonnar50mmF1.5が欲しかったこともあり、同スペックのオリジナルレンズでMade in Germanyを探した。

富士越カメラで発見

新橋の富士越カメラのショーケースを覗いていると、イチゴゾナーを2本発見
1本目
絞りバネに油が出ている
絞りの動きはスムーズ
内部に曇りあり、全体的に細かな擦り傷
2本目
絞りが重め
小カビと曇りあり
Tコーティング表記あり

価格は1本目の方が安い。
製造番号を確認すると、1本目の方が古い
状態は悪いが、初期型っぽいから面白そう
価格も安いという事で1本目のレンズを購入。

M9_Sonnar

通称イチゴゾナー「イチ・ゴ(F1.5)」

レンズ設計者 ルードヴィッヒ・ベルテレが約10年の歳月をかけて、作り上げたF1.5の明るいレンズ。
当時はコーティング技術が未熟であったため、
レンズ表面の反射を少なくするためにレンズを接合させた。
発売後も、改良を重ね、最初はF8を最小値としたが、1935年には、カールツァイス社スマクラが発明したコーティング技術を導入。光線の透過率を高めた。
1936年からは、コーティング加工されたゾナーが流通した。
※出典:カール・ツアイス 創業・分断・統合の歴史

レンズ構成3群7枚
発売時の価格(1932年)
Sonnar 5cm F1.5_300RM
RM=ライヒスマルク(1924年から1948年まで使用されたドイツの公式通貨)

ゾナー型の写り


中心付近は解像するが、周辺の描写は甘く独特
逆光性能は低く、虹も出る
夜景などの光源が相手だと、境界線が滲む
レンズの特徴
ライカの距離計と組み合わせると開放では、前ピン。
絞るにつれて、後ピン傾向
フォーカスシフトは、ゾナーレンズの特徴であるため距離計とどれほど誤差があるか、事前に確認しておいた方が良いと感じた。
近接ではかなりズレる。とてもズレる。
曇ったレンズ
手に入れたものは曇っているレンズなので、モヤがかかった描写
RAW現像時トーンカーブ等で調整を行えば、クモリもそれほど気にならないレベルまで修正できる
私の購入したレンズは。1930年代レンズのようだ
昭和初期のレンズで写真が撮れる感動を味わう


RAW現像は露出調整程度

M9_開放
M9_モノクロ
M9_F1.5で夜景
SL2-S_逆光で虹が出る
レンズが曇っているため白っぽい
SL2-S_中心はしっかり、周辺は甘い

レンズが曇っているのは、オールドレンズの宿命。
曇っているレンズの描写に飽きたら、また違う楽しみ方をすれば良い
(後に山崎光学写真レンズ研究所で磨いてもらう)
それもまた、オールドレンズの醍醐味

3つの名称Zeiss

⚫︎Zeiss Jena(ツァイス イエナ)創業の地
⚫︎Zeiss Opton(ツァイス オプトン)第二次世界大戦の影響でイエナとオーバーコッヘンに分割
OPTik Oberkochen(光学 オーバーコッヘン)の略
⚫︎CarlZeiss(カール ツァイス)名称が統合
同じ旧コンタックスマウントのZeissレンズでも3つのバージョンがある。

刻印の違いは歴史の違い(中Tessar_左・右Sonnar)


戦争によりイエナとオーバーコッヘンに引き裂かれてしまった東西のカールツァイスという歴史的背景があり、いろいろな名称が刻まれている。
レンズの事を調べていたはずなのに、歴史的なことも勉強したくなる魅力は、オールドレンズならではの醍醐味だ。

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