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ToggleとPuzzle。その世界観にふれる@トグルという物語/エピソード1

トグルホールディングス株式会社

前回から、今回までのあらすじ】

伊藤嘉盛よしもりと別れ、都内にある赤坂のカフェを出た私『S』は、それから1か月ほど考えていました。

彼の考えや哲学を発信するとして、それを私は、なぜやるのか。やるなら、どうやってやるか。どんな情報を伝えるのか。その輪郭は、まだ少し、ボンヤリしていました。まるで、ピント(焦点)が合っていない写真のよう。何度その写真を見直しても大切な何かが、ぼやけたままです。「どうしたら、ピントを合わせることができるだろうか」この思いが、もう一度、彼と会って話すことを私に促しました。

2年ぶりの再会から1か月が過ぎた12月下旬。私は都内千代田区にある永田町のオフィスビルを訪ねます。エレベーターで2階に上がると、そこにあるのはトグルのオフィスです。伊藤嘉盛よしもりのあとに続き、私はオフィスの奥へ進みます。室内が殺風景に思え、その理由を聞くと「移転して間もないんです」とのこと。

10名掛けのテーブルがある会議室へ通され、彼と向かい合って私は座ります。座りながら近況を伝えあい、はじまったのは2か月前の対話の続きでした。

社会派リアリティ・ヒューマン・ドラマ『トグル』の本編、エピソード1です。お楽しみください。

プロダクトで接道の有無を判別「一塊のわらから一本の針を探すことは、できるよね」

伊藤:前回は、どこまで話しましたっけ。おさらいも兼ねて話すと、我々がやろうとしているのは、不動産市場に流通しない土地情報の取り扱いです。いわゆる、レインズ(REINS)に未登録の土地です。

レインズとは不動産流通機構が運営しているシステムのこと。レインズの会員となっている不動産会社が、ユーザーの依頼に基づいて、レインズに不動産情報を登録します。それをもとに不動産会社がサポートしているのが、家を買いたい人、売りたい人、借りたい人、貸したい人たちです。REINS(レインズ)の呼び名は、英語のReal Estate Information Network Systemの頭文字からきており、運営団体の組織通称としても使われています。

出典◆http://www.reins.or.jp/about/

伊藤:不動産市場に流通する情報とは、レインズに登録されている土地情報を意味します。2020年にレインズに登録されている東京都の土地件数は、2.8万件です。一方で、国以外が持っている東京都の土地の数は225万件とされています。

【参考情報】
・年間でレインズに売りに出る土地は存在する土地の1%。(28/2,250)  
・取引が発生している土地は存在する土地の6.5%。(146/2,250)
・民間宅地の平均面積は200〜300平米くらい。
※数字の根拠は以下。
・2021年の東京都の土地取引件数は146,142件(※レインズの成約登録件数2020年は3,397件)
・2020年の東京都の土地新規募集数は28,961件
・東京都の民有宅地は57,015 ha

出典◆http://www.reins.or.jp/library/nmw2020.html

S:国以外とは、たとえば?

伊藤:個人や企業などです。

S:レインズに登録されていない土地の数のほうが、レインズに登録されている土地の数よりも多いということですか?

伊藤:そうです。言い換えれば『取引が顕在化した土地』だけがレインズに登録されています。インターネット上の地図なら、こうです。

伊藤:仮に、このくらいの地図の広さのなかで、レインズに登録されている土地の情報はポツポツと、一般的に数件程度です。

伊藤:これを我々は「このエリアにある、すべての土地を売り買いの対象にしよう」としています。すべてを対象にしたうえで、このなかから、”お宝”を探そうという話です。

伊藤:氷山の下側の誰も扱わない土地を我々は扱おうとしています。これまではテクノロジーがなかったので「この地図から、”お宝”を探せるわけないじゃん」と。わらの山(地図)から一本の針(お宝)を見つけるのは無理だったわけですが、我々がテクノロジーを使って、この地図をデータ分析すると『一塊のわら』くらいに絞り込むことができます。手でつかんだ一塊のわらのなかから、一本の針(お宝)を探すことはできるよねと。

S:一本の針、”お宝”とは?

伊藤:投資家のオーダーに見合った土地です。投資家には本来、希望条件があります。「総工費5億円くらいで千代田区に投資用マンションを建てたい」などです。これに見合った土地は、ほとんどの場合、レインズに登録されていません。前述のようにポツポツと数件程度しか売地が登録されていないので、選ぶことができる選択肢が、そもそも少ないのです。現状では、オーダーに見合った場所、土地がどこに何件、存在するかもわかりません。それを我々がテクノロジーで見つけます。

S:前回おっしゃっていた『地図をアルゴリズムで解析する』プロダクトのことですか?

伊藤:そうです。前回は、土地、面積、用途地域、そこにどのくらい建物を建てることができるかといった情報まででしたが、それに加えて道路の情報もプロダクトに読み込みました。(ノートパソコンの液晶画面をこちらへ向け)画面の緑色の部分は接道していない土地です。

伊藤:道路に接していない土地には、家やビルなどを建てることができません。建てられないので土地の価格が安いんです。それを安い価格のまま買い、その土地の隣にある、道路に接している土地も買います。買った二つの土地を一つにすることで生まれるのが、家やビルを建てることができる広い土地です。そうすることで土地の価値が2倍、3倍になる場合があります。これを見つけることは不可能であるとされてきましたが、それを我々は覆しました。いま(2021年12月時点)つくっているのは、都内港区の麻布十番を対象にしたモックです。

S:不可能を可能にした、カラクリを教えてください。

伊藤:接道していない土地、している土地を自動で判別できるようにしました。『それに必要な論文』というのがインターネット上で公開されています。論文をもとに、接道している土地、していない土地を衛星データなどから数式を使って判定するものです。そのロジック、プログラミングのテストをしていて。現時点で23区の、”宝の地図”を理論上、つくることができると確認しました。

S:いまは麻布十番だけだが、範囲を日本全国に広げることはできると?

伊藤:理論上は。ハードルとなるのは地権者営業ですね。我々は、”ラストワンマイル”と呼んでいます。

S:ラストワンマイルとは?

伊藤:地権者から用地を買うために飛び込み営業をすること。それを年明けから本格的にスタートします。

S:何名くらいで実践する予定ですか?

伊藤:15名程度の予定です。

S:全員が、トグルのスタッフ?

伊藤:内訳は、トグルのメンバーが5名前後、外部のパートナーが10名程度です。

S:外部のパートナーとは、知り合いの不動産会社ですか?

伊藤:いえ、保険営業を専門にしている会社です。

S:不動産の知識は? 

伊藤:ほぼ、ありません。

S:それで地権者と会話できるものですか?

伊藤:それでいうと、いままでの用地取得には、街の情報、不動産の知識が不可欠でした。お察しのように、これまでは不動産の知識がないと不動産営業はできません。でも、我々が『地図をアルゴリズムで解析する』プロダクトを作ったことで、用地取得の業務は不動産の知識がなくてもできるようになるのではと考えています。

S:なぜ?

伊藤:街の情報や不動産の知識を必要としないからです。

S:それで、地権者と土地の売り買いの話をできるんでしょうか?

伊藤:おそらく。我々は、さまざまなソリューションを持って、飛び込み営業ができます。そのためのトークスクリプトも用意してあります。

S:飛び込み営業をする外部パートナーは、不動産業界経験者ではないと?

伊藤:はい。いままで、地権者と投資家の間には数社、場合によっては数十人がかかわっていました。町の不動産会社A、大手のディベロッパーB、信託銀行C、弁護士D、コンサルタントEなどです。かかわる人が増えるたびにマージンが発生します。マージンはどうなるかというと、投資家が買うときの土地の価格に上乗せされるんです。我々の今回の施策では従来のようなABCDEがなく、かかわっているのは飛び込み営業の外部パートナーだけ。言い換えれば、それ以外のすべてが、ソフトウェアに置き換わったことを意味します。これは同時に「不動産開発事業への高い参入障壁を低くした」そう言うこともできると思うんです。我々が開発しているプロダクトを使うことで、専門知識を持たない人でも用地取得、不動産開発事業へ参入することができるようになります。

S:素朴な疑問なんですが、飛び込み営業でコンタクトできたとして、相手は、その場で首を縦に振るものですか?

伊藤:その場で、その日にということはないと思います。このあたりは試してみて、どうなるかですが、まずは人間関係をつくって、5回6回と訪問してですね。まあ見ていてください笑。

S:何か秘策でも?

伊藤:まだ仮説の段階ですが、一般に、*******************************************************************ができます。これは我々の強みです。

S:その説明はトークスプリクトに入っているんですか?

伊藤:いえ。

S:その強みというか、従来との違いみたいな説明を表に出すつもりは?

伊藤:あります。パンフレットには書いてあったかな。トークスクリプトにも入れてもいいかもですね。

S:どなたが作ったんですか?

伊藤:住友不動産で用地取得の業務をしていたメンバーです。

S:営業を専門にしている外部のパートナー企業ではないんですね。ちなみに、パートナー企業は1社ですか?

伊藤:いえ、3社です。

S:伊藤さんとの関係性は?

伊藤:一緒にゴルフをする関係だったり、会社が大変なときにお互いに助け合ったりする関係ですね。

S:今回は伊藤さんが大変なときなので、営業をサポートしてくれる。ということですか?

伊藤:そうなりますね……というか。実は昨日、それをトグルのメンバーに、ずっと聞かれていたんです。

S:聞かれていたとは?

伊藤:「なんで先方のパートナー企業さんは、こんなに『伊藤さんと一緒にやろう』という気持ちが高いんですか」と聞かれて実際、この2日間ぐらい考えてました。

S:その2日間で、コレというのは浮かびましたか?

伊藤:商売をやるうえで『人を裏切らない』『目の前にいる人の幸せを最大限に考える』この二つを大切にしてきたからかもしれません。

S:スキルや成果で相手を判断することを伊藤さんはどう思いますか。どんな実績を残してきたかとか、凄腕の営業マンであるとか。一緒に仕事をする仲間への思いとして、そうした判断基準らしき何かは、ありますか?

伊藤:もちろん、ありますよ。うーん……なんだろうな。でも私が見ているのは、さっき言った『裏切らない』『言ったことをやるという、有言実行』の二つですかね。

伊藤:たとえば、トグルのオフィスがある永田町の駅前で「ティッシュ配りをしてほしい」と、お願いされたとして。保険を売る営業、カフェのクーポンでもいいんですが。仮にラーメン屋だとしましょう。新規オープンしたラーメン屋があって、ティッシュ配りをお願いされました。事務所のダンボールを一箱分、配ってくださいと。配り終えて店に帰ったら、お客さんは誰もいませんでした。そこでティッシュ配りを辞めちゃう人と、ダンボールをもう一箱、自分で見つけて、もう一度、ティッシュ配りをするために駅前に戻る人とでは、大きな差が出ると思うんですね。お店に帰って来て店主から「ごめん、もう一度、ティッシュ配りに行ってもらっていいかな」そう言われてからやる人と、店に戻ってきて、お客さんが一人もいない状況を見て、自分から「ティッシュ配ろう」となる人といて。時計の針を5年後とかに進めてたとして前者と後者は全然、結果が違うと思うんですよ。店に帰って来たときに誰も人がいなくて、自分からティッシュ配りに、もう一度、出かけるという時点で、もう絶対に、その人は成功する人なんですよね。何かしらで、成功すると思うんです。そのティッシュ配りで実際にお客さんが来てくれるかどうかや、ラーメン屋が繁盛するかどうかは、運や、そもそもの事業性があるので短期的に報われるかはわからないとして。

S:そこを見ている?

伊藤:そういうの見ていますね。『やりきる力』や、責任感なのかな。なんでしょうね。ティッシュ配りなら、お店に戻って来て、もう一箱を自分で見つけて配りに戻る人は『ティッシュ配り』の目的をわかってるじゃないですか。

S:配り終えることが目的ではなく、別に目的があると?

伊藤:そうです。お客さんが店に来て、注文してくれることが目的です。そのために、ティッシュ配りをしていることが、わかっていますよね。さらに普通なら『ティッシュ配り』は地味で大変な仕事だと思います。お願いされたら一箱で辞めてしまいたいじゃないですか。でも目的を果たせていないので辞めないわけです。

S:自分だったら?

伊藤:ティッシュ配りをするかしないか決める。配ると決めたのであれば、店に戻ってお客さんが誰もいなかったら、躊躇ちゅうちょなく、もう一箱を探して駅前に戻ると思います。

利益は、プロダクトをよくするための投資の余力

S:質問を変えたいと思います。たとえば「トグルの事業で売り上げが立たない」「利益が出ない」などで、トグルの事業から伊藤さんの収入が得られないとしても、この事業を続けたいと思いますか?

伊藤:思わないかもしれないですね。

S:なぜ?

伊藤:みんなの時間の無駄遣いだと思うから。

S:かかわるすべての人たちの利益にならない?

伊藤:財団法人やNPO、ボランティア活動であれば続けます。あるいは、そういう仕組みの一環としての事業とか。

S:かかわる人が自分だけだったら、どうですか?

伊藤:自分だけでも、やらないと思います。なぜなら利益は将来、プロダクトをよくするための、投資の余力になるからです。利益が出ないとプロダクトへの投資が、できません。レストランをやるとして、美味しい料理を出すためには利益が必要という感じです。メニューやオペレーションを改良したり見直したりして、いま以上に美味しいと思ってもらえる料理を作りたい。そうなったとき、作っても作っても赤字になるなら、原価を下げざるを得ません。下げ続けたら美味しい料理を作り続けることが、できない。美味しい料理を出せなくなります。そうなれば目的が果たせないので続けたいとは思わないでしょうね。

S:「利益は将来、プロダクトをよくするための、投資の余力」なるほど。利益と目的の関係がハッキリしていますね。

伊藤:私は、わけて考えていますね。

S:わけて、とは?

伊藤:トグルを設立した時点で実は『パズル(Puzzle)』という会社も、やりたいと思っていました。

S:どんな会社ですか?

伊藤:パズルは、人類が解決できていない難しい問題を解決する会社です。かつ、それは資本主義のルールの中だと光を当てることができない問題。

S:”社会問題”じゃないですか。

伊藤:はい。社会問題を解決する会社として『パズル』を作りたいと思っていました。

S:前回おっしゃっていた医療業界への挑戦って、そのことですか?

伊藤:そうです。遺伝子工学や発生学の分野に興味があったので、その足がかりとして産婦人科という領域に以前、チャレンジしました。遺伝子治療や長寿に関係する分野です。

S:そうしたことを『パズル』でやろうとした?

伊藤:はい。トグルで稼いでパズルに資金を投下するという構想です。

S:『パズル』では利益を考えず?

伊藤:考えずに寄付。そういったことができたら面白いなと考えてたんですが、現時点では、それどころじゃないので。まずはトグルの事業を立ち上げることが何よりも最優先です。なので、いったん、パズルの構想は手つかずになっています。でもコンセプトとしては本来、そういうことをやりたいです。

S:きっかけは?

伊藤:東京大学のEMPです。

出典◆https://www.emp.u-tokyo.ac.jp/

伊藤:EMPは、エグゼクティブ・マネジメント・プログラムの略。そこで社会問題や一般教養、地球の問題、可能性などを一通り、学び直します。通った期間は半年くらいです。全部を学んで、私は思いました。「いや、ちょっと待てよ」と。解決できていない現代の社会問題の多くは、資本主義の土台に乗りません。でも解決しないといけない問題がたくさんあります。

S:たとえば?

伊藤:直近なら、やっぱり、ワクチンの問題です。コロナだけじゃなく、感染症が広がる前に、蔓延する前に本来は、ワクチンを作らないといけない。でも仮に、前もってワクチンが完成したとしても儲からない。起っていない感染症のワクチンを作っても、使う人がいないので。資本主義の土台には乗らないですよね。だけど、やらないと大変なことになる。実際に、いま世の中は、コロナウイルスで大変なことになっています。これにビル・ゲイツは警鐘を鳴らしていました。

※2011年、ロイター通信の記事。出典◆https://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-21695220110614
※2014年、CNNの記事。出典◆https://www.cnn.co.jp/world/35053627.html
※2017年、日本経済新聞の記事。出典◆https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H3G_Z10C17A1000000/

伊藤:コロナ以前より、ビル・ゲイツは多額の寄付をして、ワクチン開発を支援したり、ワクチン普及をサポートしたりしていました。

S:そういう実態を知って、どう思ったんですか?

伊藤:自分は稼ぐのは得意だから経済的な寄付をして、さらにハンズオンで研究者に支援ができないだろうかと。私が、ビジネスで経験したことを共有、提供できれば、社会問題の解決に寄与できるんじゃないかなと考えました。

S:経営者の思想や哲学は、必ず、組織の在りかたに反映されると思っています。それは経営やプロダクトだけじゃなく、オペレーションやマーケティング、セールスやコーポレートなどのすべての業務においてです。たとえばプロダクトの開発で何かの判断に迷ったとき、自分や世間という大きな二つの基準軸があると思います。それに加えて「この組織なら」もあると思うんです。トグルではどうか。クレドみたいな軸があるなら、その背後にあるのは伊藤さんの価値観です。なぜその軸なのか、どうやって生まれた軸なのか。そのコンテクストに触れることで「なぜ、こういう組織をつくったのか」「どんなプロダクトを目指しているのか」その理解を阻む溝や隔たりを乗り越えられるのではないかと思います。この組織を生み出したのが伊藤さんなら、迷ったときのよりどころとして「伊藤さんの考えを一緒に働く仲間が知っている」これを私は大切にしたい。

伊藤:そういう意味では、トグルで事業開発をしているメンバーや管理部のメンバーとは、イタンジの、その前の会社から一緒に働いています。付き合いは私と10年以上です。そうしたメンバーは長いこと私のことを見ているから「どうせ、あんな感じだろうな」と理解できるかもしれません。一方で「伊藤さんのことを知りたいです」と伝えてくれたメンバーもいます。

S:ということは、コンテクストの弱い人が「伊藤さんのことを知りたい」と、おっしゃっているんでしょうか?

伊藤:そうかもしれないですね。これからトグルのメンバーになる人には、もしかしたら、”スゴイ人”に私が見えてしまうかもしれません。「すごい人なんじゃないか」という下駄を私が履いてしまっている状態が生まれやすい。そういうことなのかな。昨日も、年配の地権者向けに、チラシを制作していました。トグルのメンバーが、スタイリッシュなチラシを作ったんです。それにメンバーから意見が殺到しました。

S:どんな意見ですか?

伊藤:「文字が小さい」とか。

S:賞賛の声ではなく?

伊藤:はい。そうした意見で、チラシを作ったメンバーが用地取得をするメンバーから手厳しく言われていて、その本人が言うんです。

「伊藤さん、マジつらいっす。伊藤さんも何か言ってくるじゃないですか」

伊藤:みたいなことで。「伊藤さんも同じ立場になったら、つらいと思いますよね?」そう言われてたんです。

S:どう答えたんですか?

伊藤:「いや、全然思わないよ。だって、みんなから、タダで意見もらってるから、コンサルフィーなしで、みんなが意見してくれているから超ラッキーじゃん」

S:相手の反応は?

伊藤:「まったく、わかんないです。僕は、つらいです」と。

S:特異性というか。確かに、飛びぬけてスゴいところが伊藤さんにはあるんですけど、それは伊藤さんの一部。一部であり全体であるというか。

伊藤:そうですね。

S:そこを伝えることで、共感はできなくても理解の邪魔になる何かを取り除けるかもしれません。誰かが勝手に、伊藤さんに下駄を履かせてしまったのだとしても、それを自然と脱がすようなことになるというか。ちなみに、そういう特異性で何か、苦労した経験は?

伊藤:たくさんありますね。

S:その辺りを次回、掘り下げてみましょうか。

(つづく/エピソード2へ)


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【制作にあたり/エピソード1】 
伊藤さんの考えや哲学を私『S』が発信するとして、それを私は、なぜやるのか。やるなら、どうやってやるか。どんな情報を伝えるのか。その輪郭が少しだけ見えた気がした日でした。

私にあるのは、トグルメンバーの皆さんには、できるだけ伊藤さんの言葉に触れてほしいという思いです。できるだけ私の解釈を入れずに伊藤さんの言葉を伝えたい。そう思ったとき、際どい話や、静的に切り取ると一見して仕事に無関係と思える話も、そのまま伊藤さんの言葉として伝えることにしています。そこに、私が語り手を担う意義の一つがあると信じるからです。(S)



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