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「ネコ型配膳ロボット」はなぜ人気?ロボットやAIに関するバズの歴史をたどる

こんにちは、ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)です。
トゥギャッターが毎週月曜日にお届けする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」。今回のテーマは「ロボット・AI」についてです。

皆さんはファミレスで「ネコ型配膳ロボット」を見たことはあるでしょうか。テクノホライゾン社の製品『Bellabot』という配膳ロボットで、ネコの顔をした外観が特徴です。最近はガストやサイゼリヤなど、導入した店舗が増えた影響で、実際に見た人からの「かわいい」という投稿をTwitterで見かけるようになってきました。

例えば、ラストオーダー後の店内でネコ型配膳ロボットがすやすやと寝ている様子や、ロボット自身の充電が足りなくなったときに「充電❗️してに゛ゃあぁぁあ‼️💢💢」と叫んでいたというエピソードは、たちまちTwitter上で盛り上がりました。

ネコ型配膳ロボットに限らず、最新技術で作られたロボットやAIについての話題はTwitterの人気ジャンルです。今までのロボットやAIの話題も振り返りつつ、人々の心を惹きつけ、拡散されやすい理由を探ってみましょう。

激しく動くルンバが「喜んでる」ように見える

ロボットやAIは身近な存在となり、私たちの生活に入り込んできたせいか生き物のように扱う人も少なくありません。そうしたエピソードがTwitter上では多数シェアされています。

例えばワルソネコ(@warusoneko)さんは、お掃除ロボット「ルンバ」を屋外に持ち出し、動かしたときの動画を投稿しました。

動画には通常ではない速度で走り回るルンバと、それを見てはしゃぐお子さんの声が入っています。投稿を見た人からは「機械なのに喜んでるように見える」「ロボットが家族に〜なんてSF、案外すぐ実現しそう」との感想が集まりました。

また、GoogleやAmazonが提供するAIアシスタント端末は話しかけると人の声に反応して返事をしたり、サービスを提供したりするので、より親しみを抱きやすいようです。これに関連するエピソードもTwitterには豊富に投稿されています。

AmazonのAIアシスタント端末、Alexa(アレクサ)を購入した人が「お風呂入ってくるね」と声をかけたところ、「はい、どうぞごゆっくり」という家族のような返事が。声をかけた人は「34年間追い続けた幸せがプライムデー(で購入した金額)の2180円で手に入った」という感想を抱くほど、心が揺さぶられてしまったようです。

このように、人々がロボットやAIと接する時に声をかけたり名前をつけたりして生き物のように扱うのは、生物・無機物を問わず全ての物の中に魂が宿っている「アニミズム」という考え方から来ているのでは、という考察も盛り上がっています。

本来無機物であるAIやロボットに対して親しみを感じ、その様子がTwitterで拡散される背景には、文化的土壌の影響が大きくかかわっているのかもしれません。

人間に近いロボットやAIは議論を呼ぶことも

外観が人に近づいていくにつれ「かなり高度な『ある一点』」に達すると人間は強い嫌悪感を抱く「不気味の谷現象」という心理現象があります。Twitterには、まさにその現象が起きていると思われる反応も見られ、大きな話題となったことがあります。

2019年に最新のAI技術で制作された「AI美空ひばり」が発表された時は、本物そっくりの歌声に驚くと同時に、ミュージシャンの山下達郎さんをはじめ「死者への冒涜では」という批判の声を上げる人々もいました

また、埼玉県深谷市の「旧渋沢邸」では渋沢栄一のアンドロイドが展示されていました。実物を見たTwitterユーザーからは「見た目が明らかに人間なのに、人間ではないと理解した時に来る気味悪さ」「これが典型的な不気味の谷ということなのだろうか…」という感想が集まりました。

ロボットを近い存在として扱う気持ちがあるいっぽう、姿かたちが人間に近いと拒否反応を示すという矛盾に、生身の人間の複雑さを感じます。

まとめ

「ロボット・AI」が話題になりやすい理由をまとめると、次の3つです。

  • ロボットと人との関わりについてのエピソードとともに拡散される

  • ロボットに対して生き物のように扱う土壌がある

  • AIについては倫理的な話題など、議論も盛り上がりやすい

ポンコツな一面をもつネコ型配膳ロボットや、適度な温度感で接するAIアシスタントのように、最新技術のロボットやAIはあまり完璧すぎないほうが人の生活に溶け込みやすいのかもしれません。

以上「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした!

この連載は毎週月曜日に更新予定です。今後もTwitterでバズっている、あるいは流行りそうなトピックをテーマとして取り上げていきます。

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